イカ娘「ミュータント・タートルズ?」

22 3月, 2012 (01:48) | 侵略!イカ娘 | By: SS野郎

1:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 20:01:28.65 ID:MtZnnfVsP

  ~アメリカ合衆国、ニューヨークの郊外~

レオナルド「さあ! お前の悪事もここまでだぜ! 鉄板頭!」

ラファエロ「観念しなよ、サワキちゃ~ん」

ロックステディ「どうするんですぅ、ボスぅ」

シュレッダー「うぬぬぬ、忌々しいすっぽんモドキどもめ! これでも喰らえ!」ヒュン

  ぼむんっ!
   もくもくもくもくもくもくもく……

ミケランジェロ「げほっげほっ! 煙玉だぁ!」

シュレッダー「今のうちに逃げちゃおっかなァ~~ン」タッタッタッ

ビーバップ「ブヒぃ、待ってくれぇボスぅ!」タッタッタッ

ロックステディ「おいてかないでぇ~」タッタッタッ


6:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 20:03:44.47 ID:MtZnnfVsP

  もくもくもくもくもくもく……

ドナテロ「ごほっごほっ! ……逃げられたか」

  ビビビビビビッ

レオナルド「見ろ、次元の穴が開いたままだ!」

ラファエロ「シュレッダーのヤツ、どこでもワープくんでどっかに逃げこんだみたいだね」

レオナルド「よし、俺たちも追って中に入るぞ!」

ミケランジェロ「本気かい? どこに繋がってるか分からないんだよぉ?」

レオナルド「虎穴に入らずんば虎子を得ずだ! 行くぜみんな! タートルパワー!」ダダッ

ラファエロ「レオちゃん、今日は随分張り切ってるなぁ。仕方ない、覚悟を決めるか」ダダッ

ドナテロ「ピザ屋にでも繋がってることを祈るよ」ダダッ

ミケランジェロ「カワーバンガー!」ダダッ

  シュウウウウウーンッ

7:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 20:07:44.71 ID:MtZnnfVsP

レオナルド「……ここは? どこかの浜辺みたいだけど」キョロキョロ

ドナテロ「テクノドロームとかじゃあなさそうだ」

ラファエロ「空も海も青い。ディメンションXでもなさそうだね。人間がいっぱいいるよ」

ミケランジェロ「ねぇねぇ、何だかあそこからいい匂いがするよォ~ん」

ラファエロ「くんくん、ほんとだ。美味しそうな食べ物の匂いだよ。でもプレハブ小屋みたいなお店だなぁ」

ドナテロ「丁度いいや、腹ごしらえしていこうよ。僕、お腹が空いて甲羅が縮みそ」

ミケランジェロ「なんていいアイデアなんでしょ。そうしましょそうしましょ」

レオナルド「おいおい、この辺りにシュレッダーたちがいるはずなんだぜ?」

ラファエロ「鉄板頭よりも鉄板焼きの方がいいね、僕は」

ミケランジェロ「ピザだったら尚更最高だね!」

ドナテロ「さぁ、行ってみよう」

レオナルド「しょうがないなァ」

10:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 20:11:50.03 ID:MtZnnfVsP

渚「いらっしゃいま――――」

ミケランジェロ「席4つ空いてるかい?」

渚「きゃあああああああああああああああああああ!!」

ミケランジェロ「あ、あれ、どうしたの、急にそんな黄色い声上げちゃって」

ラファエロ「ジョージ・クルーニーが4人いると思われたのかな」

栄子「どうしたんだ渚ちゃ――うお! 亀の化け物!?」

千鶴「あらあら、珍しいお客さんだわ」

ドナテロ「まぁまぁ、お嬢さんがた落ち着いて。これはただの着ぐるみさ。近くで仮装パーティがあってね」

レオナルド(ナイス機転だ、ドナちゃんっ)

渚「き、着ぐるみ……? そ、そうですよね、ごめんなさい、私ったら……」

ミケランジェロ「構いませんよぉ美しいお嬢さん。さぁ僕たちのために美味しいピザを焼いてください」

栄子「ピザですか? イカスミピザならありますけど」

ラファエロ「んじゃそれ4つね!」

栄子「はーい、イカスミピザ4つー!」

千鶴「はーい」

11:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 20:15:39.08 ID:MtZnnfVsP

ミケランジェロ「ねぇ、ところでイカスミって何かなぁ?」

レオナルド「知らずに注文したのかぁ? イカのスミのことだろ?」

ラファエロ「きっとイカしたピザさ」

ドナテロ「イカしてるよりも美味しいピザの方が嬉しいね、僕は」

イカ娘「ビール運び終わったでゲソ」テクテク

千鶴「ありがとう。それじゃ次はこのピザをあの亀さんたちに届けてちょうだい」

イカ娘「亀? ……本当にでかい亀がいるでゲソ。異様な光景じゃなイカ」

  シュパパパパパッ

レオナルド「うおっ! なんだぁ?」

イカ娘「イカスミピザお待ちでゲソ」

ミケランジェロ「ワーオ、髪の毛が伸びたよぉン?」

イカ娘「これは髪の毛じゃなくて触手でゲソ。人間と一緒にしないで欲しいじゃなイカ」

ドナテロ「君、ひょっとしてイカのミュータントかい?」

イカ娘「ミュータントって何でゲソ?」

ラファエロ「突然変異体のことさ。僕たちみたいに亀と人間のハーフだったりね」

12:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 20:18:11.74 ID:MtZnnfVsP

イカ娘「ミュータントっていうのはよく分からないでゲソが、お主たちも海から来たのでゲソ?」

ミケランジェロ「いんやァ、僕たちはニューヨークの下水から来たのさぁ」

千鶴「ニューヨーク? あなたたち、アメリカから来たの?」

レオナルド「アメリカからって、まるでここがアメリカじゃないみたいだな」

栄子「いや日本だけど……」

ラファエロ「なんだってぇ!? ここが日本!?」

ドナテロ「どうやらあの次元の穴は日本と繋がっていたみたいだな」

ミケランジェロ「まいったなァ、ここのお勘定どうするぅ? 僕たちドルしか持ってないよぉ?」

千鶴「あら、別に米ドルでも構わないわよ」

ミケランジェロ「それを聞いて安心しましたン。これで心置きなくピザが食べられるよ」

14:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 20:20:55.29 ID:MtZnnfVsP

ラファエロ「それにしても変わったピザだねぇ、真っ黒だァ」

レオナルド「それにちょっと小さいなぁ」

千鶴「ごめんなさい。アメリカと比べると日本の食べ物は小さいかも」

ミケランジェロ「気にすることないよ。そのうち大きなピザに成長するさ」

ラファエロ「あはは! ミケちゃんそのギャグ最高! 甲羅がよじれそう!」

タートルズ「「HAHAHAHAHA!」」

栄子(な、何が面白いんだ……? アメリカンジョークってヤツなのか?)

イカ娘「あはははははは! ピ、ピザが成長……ぎゃはははははははっ!」ゲラゲラ

栄子「お前も笑うんかいっ」

15:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 20:23:40.54 ID:MtZnnfVsP

渚「あの、それやっぱり着ぐるみじゃないってことですか……?」

ラファエロ「いやぁ、ニューヨークじゃ珍しくないんだよ? ホントだよ?」

ミケランジェロ「そうそう、道行く人たちが僕たちの姿に驚いて悲鳴を上げる程度さ」

栄子「つまり普通じゃないってことだよな、やっぱ」

レオナルド「それにしてもこのピザ美味いなァ!」

ドナテロ「ほんと、真っ黒いけどほんのり塩味で新感覚だね!」

イカ娘「私が口から吐いたイカスミで作ったピザでゲソ! 美味しくて当然じゃなイカ!」

ラファエロ「あー……、君の口から? 出たスミなの? これ?」

レオナルド「ち、ちょっぴり食欲がなくなったな」

ミケランジェロ「まぁまぁ、美味しいことには変わりないさ」モグモグ

ドナテロ「しっかしここが日本かぁ、夜だったのに空が明るいからおかしいと思ったよ」

レオナルド「スプリンター先生も連れてきてあげたかったなぁ」

ラファエロ「先生泣いて喜ぶかもねェ。生まれ故郷だもん」

16:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 20:26:32.54 ID:MtZnnfVsP

ミケランジェロ「ねぇねぇお姉さん、ここら辺はやっぱりニンジャは多いのかい?」

栄子「に、忍者ぁ?」

レオナルド「俺、本場のサムライを見てみたいなァ!」

渚「典型的な日本を勘違いした外人ですね……」

千鶴「それにしては亀さんたち、随分日本語がお上手ねぇ」

レオナルド「え? 俺たち日本語なんてスシとテンプラくらいしか知らないぜ?」

イカ娘「今お主たち日本語を喋ってるじゃなイカ」

ミケランジェロ「ええ? 英語を喋ってるつもりだけどォ? 君たちも英語じゃないか」

栄子「え、ええ?」

ドナテロ「う~ん、どうやら次元の穴が開いた影響で言語の壁がなくなってるみたいだネ。
   僕たちは英語を喋ってるけど、彼女たちからすると日本語を喋ってるように聞こえるらしい」

ラファエロ「逆に僕たちからすると彼女たちは英語を喋ってるように聞こえるってわけだ」

20:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 20:29:31.05 ID:MtZnnfVsP

イカ娘「次元の穴ってなんでゲソ?」

ミケランジェロ「君と僕を繋ぐ運命の赤い糸ってところかな」

ラファエロ「よせよミケちゃん、遠距離恋愛は辛いよン」

ミケランジェロ「なんのなんの。ピザと恋人のためならどんな場所にもひとっ飛びさ」

レオナルド「でもイカちゃんの方にも相手を選ぶ権利はあるぜ」

ミケランジェロ「どぉ~おイカちゃん、僕みたいに緑色で甲羅を背負ったのはタイプじゃないかい?」

イカ娘「そこまで言うなら家来にしてやってもいいでゲソよ!」

ラファエロ「あららミケちゃん、こりゃフラれたね」

ミケランジェロ「やれやれ、女の子ってどうしてこう優しくフってくれるんだろうねェ」

ドナテロ「いいじゃないかミケランジェロ。家来からスタートしても、頑張ればそのうち大名になれるかもよン」

タートルズ「「HAHAHAHAHAHA!」」

イカ娘「??」

栄子(アメリカ人のノリって難しいな……)

23:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 20:33:35.80 ID:MtZnnfVsP

  ~一方その頃、別の場所では~

シュレッダー「おいタコ! 聞こえるか!」ピーガガガ

クランゲ『なァによサワキちゅわん、そっちの任務はどうなったのォン』

シュレッダー「それどころじゃない。どこでもワープくんを使ったら何故か日本に来ちまったぞオイ」

クランゲ『あンらァ! 今日は宇宙からの太陽風が激しい日だから座標が狂ったんだわァ』

シュレッダー「ワープくんのエネルギー残量も空だ。このままじゃ帰れん。モグラちゃんをこっちに寄こせこの野郎」

クランゲ『いいわォ~ン。でも待ちんさい。その前に日本で一仕事してもらおうかしらァン』

シュレッダー「なんだ、八橋でもお土産に欲しいのか?」

クランゲ『違うわよォ~ン。日本にいる科学者を攫ってきて欲しいのォン』

シュレッダー「科学者だと? 原始惑星レベルの地球の科学者なんて攫ってどうするってんだよ」

クランゲ『原始でも中には優秀なのがいるのよォン。そっちにデータとモグラちゃんを送るわァン。よろちくねン』

  ピッ

25:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 20:37:17.38 ID:MtZnnfVsP

シュレッダー「ちっ、人使いの荒い酢ダコだ」

ロックステディ「おお~ん、このイカ焼き美味しいよぉん」モグモグ

ビーバップ「やきそばも最高だぜぇ」モグモグ

シュレッダー「ええーい! くつろいでるんじゃない化け物ども! 新たな任務だ!」

ビーバップ「ぶひぃ、人使いが荒いボスだなァ、んもう」

シュレッダー「というわけでやってきましたァ! 元気ですかーこの野郎!」

シンディー「な、なによアンタたち!」

クラーク「オー、鉄仮面にサイとブタさんデース」

シュレッダー「むっ、いきなりターゲット発見! マンモスラッキィィィ~~~ンン」

ハリス「一体ナンの用デスかー」

マーティン「新聞なら虚構新聞をとってるんでお断りデース」

ロックステディ「ちゃんと全国紙を読んだ方がいいんでなァい?」

シュレッダー「そもそも虚構新聞は新聞じゃねえぞオイ」

27:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 20:40:15.48 ID:MtZnnfVsP

ビーバップ「で、どいつを攫えばいいんでしたっけボスぅ」

シュレッダー「クラーク博士だ! 後はどうでもいい! さっさとモグラちゃんに連れ込むんだ!」

クラーク「オー、ご指名ありがとうございマース! デスが今日はフジツボ観察の予定が入ってマース」

シュレッダー「残念だったな、タコの観察に予定変更だ。さあやれ、ロックステディ、ビーバップ!」

ロックステディ「合点承知の助だぜェ! さァ大人しくこっちにきやがれェ」

  ガシッ

シンディー「こらっ! 離しなさい!」

シュレッダー「そっちじゃねェェェェ! 人の話ちゃんと聞いてたかアホサイ!」

ロックステディ「そうだったっけぇ?」

ビーバップ「どうせなら可愛いお姉ちゃんの方がいいぜぇボスぅ」

シュレッダー「彼女が欲しけりゃ動物園にでも行け! 今はクラーク博士を捕まえるんだ!」

28:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 20:42:23.64 ID:MtZnnfVsP

ビーバップ「ブヒぃ、というわけだから大人しくしやがれェ~ん」ガシッ

クラーク「オー、ハリスくんマーティンくん! 助けてくだサーイ!」

ハリス「ゴメンよクラークくん」

マーティン「僕たちにできることはなにもありまセーン」

クラーク「オーマイガー!」

ビーバップ「捕まえたぜボスぅ」

シュレッダー「よし、モグラちゃんに乗れ! テクノドロームへ帰るぞ!」

ロックステディ「すたこらサッサだぜェ~」

  タッタッタッタッタッ
    ズドドドドドドドドドドドッ!!

ハリス「オー凄い機械デース。あっという間に地面を掘って地中に潜ってしまいマシター」

シンディー「た、大変だわ! 千鶴に知らせないと……!」

30:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 20:44:53.03 ID:MtZnnfVsP

  ~再び海の家れもん~

千鶴「へぇ、ミュータンジェンって薬で人の姿をした亀になったのね」

ミケランジェロ「で、君は本当にミュータントじゃないのぉイカちゃん?」

イカ娘「んーミュータントなんて言葉初めて聞いたでゲソ」

栄子「イカ娘は海から来たんだろ?」

ドナテロ「日本の海にはこんな可愛い女の子が泳いでいるのかい?」

ラファエロ「漁船の網にかかって築地で売られたりしないのかなァ」

渚「でも常識的に考えて海にこんなのがいるわけありませんよ、やっぱり……」

栄子「なぁイカ娘、海にはお前以外にも人の姿をしたヤツがいるのか?」

イカ娘「んー、海にいた頃のことはよく覚えてないでゲソ。誰かいたようないなかったような……」

栄子「なんだよそれぇ。お前の出自は誰もが気にしてることなんだぞ~。親はいないのか?」

イカ娘「親……う~ん、全然覚えてないでゲソ」

ラファエロ「思い出せないのも無理ないよ。海で生活してたんじゃ酸素が脳に回らないもん」

31:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 20:48:25.22 ID:MtZnnfVsP

ドナテロ「ひょっとしたらディメンションXの海から来たのかもね」

千鶴「ディメンションX?」

ミケランジェロ「この世界とは別の次元の世界さ。僕らの友達にはウサギの姿したサムライがいるよォ」

レオナルド「ああ、動物時空から来た宮本兎っていう浪人なんだけど、ひょっとして知り合いだったりして」

イカ娘「そんなフザけた名前の知り合いはいないでゲソ!」

栄子「しっかし、冷静に考えてみれば私たちはイカ娘のこと全然知らないんだなぁ」

イカ娘「う~、私自身が一番気になるじゃなイカ~」

シンディー「大変よ~! みんな~!」タッタッタッ

栄子「シンディー。どうしたんだ、そんなに慌てて」

シンディー「研究所に誘拐犯が現れたのよ! クラークが連れていかれちゃったわ!」

レオナルド「誘拐だって? まさか相手はニンジャかっ?」

ラファエロ「日本の治安もニューヨークとあんまし変わらないみたいだネ」

シンディー「きゃあっ! か、亀星人!?」

32:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 20:50:43.12 ID:MtZnnfVsP

ミケランジェロ「そういう言い方は良くない。僕たちみんな宇宙船地球号の乗組員、地球人さァ」

シンディー「ひょっとしてあなたたち……ミュータント・ニンジャ・タートルズっ?」

ドナテロ「僕たちのこと知ってるのかい?」

シンディー「チャンネル6でいつもあなたたちの活躍を見てるわ! まさか鎌倉で会えるなんて!」

ミケランジェロ「ワーオ、ニンジャの本場日本にまで僕たちの活躍が届いてるなんて鼻高々だねェ」

シンディー「お会いできて光栄だわ。私はシンディー・キャンベル、よろしくねタートルズ」

ラファエロ「こちらこそよろしくね、シンディー」

千鶴「亀さんたち有名人なのねぇ」

渚「っていうか忍者だったんですね……」

栄子「こんな目立つ忍者がいるかっ」

33:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 20:52:53.58 ID:MtZnnfVsP

イカ娘「ところで呑気にしてていいのでゲソ?」

シンディー「そうだったわ! クラークが攫われたんだった!」

栄子「あんなバカ攫ってどうすんだ」

シンディー「クラークはバカだけど天才なのよっ。彼の頭脳が悪用されたらとんでもないことになるわっ」

栄子「た、確かに」

千鶴「とりあえず研究所に行ってみましょう。何か手がかりがあるかも。
   というわけで栄子ちゃんと渚ちゃん、お店の方はよろしくね」

栄子「えー、ずるいぞ姉貴ー」

イカ娘「私も面白そうだから行ってくるでゲソ!」

レオナルド「俺たちも行くぞ! ここが日本だろうとアメリカだろうと困ってる人を見過ごすわけにはいかない!」

ラファエロ「さっすがレオちゃん、いいこと言うゥ」

ドナテロ「レッツゴー・タートルズ!」

ミケランジェロ「カワーバンガー!」

34:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 20:56:53.92 ID:MtZnnfVsP

  ~研究所~

マーティン「オー、千鶴さーん、よくぞ来てくださいまシター!」

ハリス「オー、何故か亀さんたちもいマース!」

千鶴「一体なにがあったの?」

シンディー「そこの穴からドリルの乗り物がボコっと現れて中から犯人が現れたのよっ」

ラファエロ「ねぇ~え、この穴ぼこ、なんだか見覚えな~い?」

ミケランジェロ「奇遇だねぇラファちゃん、僕も同じ事を思ってたところさ」

レオナルド「俺も毎週見てる気がするぜ」

ドナテロ「ひょっとしてひょっとする?」

イカ娘「犯人の特徴は?」

シンディー「男が3人、それぞれ鉄の仮面とサイと豚のマスクを被ってたわ」

ラファエロ「ワーオ、それ被り物じゃなくて本物のサイと豚だよ」

レオナルド「ああ間違いない! シュレッダー、それにロックステディとビーバップだ!」

36:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 20:59:39.15 ID:MtZnnfVsP

ドナテロ「ってことは、これやっぱりドリルモジュール・モグラちゃんで出来た穴かァ」

シンディー「知ってるのっ?」

ドナテロ「あー……、なんて言ったらいいのかなァ。シュレッダーとはトムとジェリーみたいな関係っていうか」

ミケランジェロ「しっかし、何でまたシュレッダーは日本の科学者なんて攫っていったんだろうねェ」

レオナルド「ヤツのことだ。陰険で最悪で極悪な計画でも企んでるに違いない」

ラファエロ「邪悪なってのもどうだい?」

ミケランジェロ「姑息なってのも捨てがたいね」

39:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 21:02:53.47 ID:MtZnnfVsP

  ~地中~

  ズゴゴゴゴゴゴゴッ

シュレッダー「こちらシュレッダー、タコちゃんどうぞ」ピーガガガ

クランゲ『あらァサワキちゃァン、調子はいかがァン?』

シュレッダー「バッチリ絶好調だもんね。クラーク博士を捕まえたぞ、ほれ見てみろ」

クラーク「オー! 私をどうするつもりデスかー!」

シュレッダー「今からこいつを連れてテクノドロームに帰還するところだ」

クランゲ『よくやったわサワキちゅわん! 帰ったらキスの嵐よォン』

シュレッダー「ハッハッハ、全然嬉しくねえぞこの野郎! 通信終わり! ピッ!」ピッ

41:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 21:05:01.26 ID:MtZnnfVsP

ロックステディ「ねェ博士ェ、その手に持ってる機械はなァに?」

クラーク「こ、これは私の新発明品、『どんな物でも操っちゃうぞうくん』デース」

シュレッダー「ほう、それじゃこのアンテナをテメーに付ければパペットマペットってわけか?」

クラーク「ノー、生物には効きませーん。このアンテナを物に取り付けると、
     その物体は動き出して主人の命令を聞くのデース。
     このリモコンで操縦しマース」

シュレッダー「オーグレート! 何て素晴らしい発明なんだ! 天才かこの野郎!
      ドラえもんの四次元ポッケから出てきたようなワンダフルなアイテムじゃないの!」

  パシッ

クラーク「ノー、返してくだサーイ」

シュレッダー「イヤでーす。おいモグラちゃんを反転させろ! 地上に戻るんだ!」

ビーバップ「ぶひぃ、なんでさァ」

シュレッダー「これをタコに取り上げられる前に使ってみたくてな、むっふっふ」

42:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 21:08:10.01 ID:MtZnnfVsP

  ~再び研究所~

ハリス「オー、早くクラークくんを助け出さなくテハ~」

ドナテロ「でもシュレッダーたちがどこに行ったのか分からないと助けようがないよ」

ラファエロ「ヤツらがどこに行ったか番号案内で聞いてみるかい?
    それとも新聞に尋ね人の広告でも出す?」

ミケランジェロ「ま、焦ってもいい答えは出てこないよ。テレビでも見てリラックスしよう」

ラファエロ「いいねー、僕、日本のテレビ番組に興味あるよォ」

ミケランジェロ「そんじゃこのテレビ点けるよー」

イカ娘「物凄くマイペースなヤツらでゲソ」

  ピッ

TV『日向くんのタイガーショットだー!! 森崎くん吹っ飛ばされたー!!』

ラファエロ「ねぇ見てよみんなァ、キャプテン翼がやってるよ」

レオナルド「森崎くん、また吹っ飛ばされてるのかぁ」

TV『番組の途中ですがニュースです』

ミケランジェロ「なんだよもう~、いいとこだったのになァ」

43:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 21:12:08.80 ID:MtZnnfVsP

TV『神奈川県鎌倉市の高徳院にある大仏が突如動き出し街を襲っています。現場へ中継を回します』

レオナルド「なんだってェ?」

TV『ご覧ください! 鎌倉の大仏が立ち上がり人々を襲い街を破壊しています!』ドスーンドスーン

ミケランジェロ「あれまァ、大仏さんイヤなことでもあったのかなァ」

ラファエロ「普段温厚な人ほどキレると怖いからねぇ」

イカ娘「あわわわわ、やっぱりあの大仏は生きてたのでゲソね……」

千鶴「あらあら」

シンディー「まぁ、あっちも大変そうねえ」

TV『あ、ご覧ください! 人です! 大仏の肩に人が乗っています! カメラさんあれ映して!』

ドナテロ「んん? あれって」

TV『ハッハッハ! 平伏せ人間ども! シュレッダー様のお通りだ!』

レオナルド「シュレッダーじゃないか!」

シンディー「あー! こいつよ! クラークを攫ったのは!」

44:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 21:14:51.13 ID:MtZnnfVsP

マーティン「オー、恐らくゥ、『どんな物でも操っちゃうぞうくん』で大仏を操っているのでショー」

イカ娘「どうしてそういうとんでもない物を発明するのでゲソ、お主たちはっ」

レオナルド「しかしおかげでどこにいるのか分かったぜ! 行くぞみんな!」

ドナテロ「よし、タートルバルーンを呼び出そう」

ラファエロ「ここ日本だよ。呼び出せるのぉ?」

ドナテロ「大丈夫、こういうこともあろうかとワープで呼び出す機能を付けておいたからっ」

ミケランジェロ「さっすがドナちゃん、IQ300は伊達じゃないねン」

ハリス「僕たちは留守番してマース」

マーティン「頑張ってくだサーイ」

シンディー「この役立たず!」

45:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 21:17:29.85 ID:MtZnnfVsP

  ~高徳院~

  ドスーンドスーン

大仏「カマクラー!!」ズシーン

 『きゃー! 誰か助けてー!』 『逃げろー!』

シュレッダー「ハッハッハ、子供の頃、一度でいいからこういうのやってみたかったんだよなァァン」

ロックステディ「ボスってば楽しそうぉ」

ビーバップ「次は俺にも操縦させてくれないかなブヒぃ」

  ビュウウウウーン

レオナルド「見えた! 本当に大仏が暴れてるぞ!」

ドナテロ「よし、もう少し近づいて地面に着陸しよう」

ミケランジェロ「ねぇ、それにしてもちょっと狭くなぁい?」

ラファエロ「タートルバルーンに7人は定員オーバーだよぉ」

千鶴「ごめんなさいね。でもいい眺めで楽しいわ」

48:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 21:20:01.03 ID:MtZnnfVsP

イカ娘「う、うっかり足を滑らせたら落っこちそうでゲソ~……」ヨロッ

シンディー「きゃっ、お、押さないでってば!」ドンッ

ドナテロ「そ、そっちこそ押さないで! のわっ!」

  バキッ!

ミケランジェロ「……なぁに今の音。なんだかすっごくイヤな予感がするよぉ?」

ドナテロ「あー……操縦桿が折れちゃったみたい。誰かガム持ってる?」

レオナルド「ガムでくっつくのかぁ~?」

ラファエロ「墜落する~! みんな飛び降りろ~!」

イカ娘「どえええええ!? 来るんじゃなかったでゲソ~!!」

シンディー「いやああああ!」

千鶴「イカ娘ちゃんとシンディーさんは私に掴まって!」

  ひゅううううううう……
      ズドドドドドドーン!

49:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 21:23:23.17 ID:MtZnnfVsP

ロックステディ「なんだぁ~? ボスぅ、何か落ちたみたいですぜ~」

ビーバップ「スーパーマンが腹でも壊して落ちたのかなぁ」

シュレッダー「何を言っているお前ら――ムッ! あれは!」

  シュタッ!

レオナルド「また会ったな鉄板頭! 俺たちが来たからにはロックンロールタイムは終わりだぜ!」

ラファエロ「ほんと懲りないよね、君たちぃ」

ミケランジェロ「タートルズ、ただいま参上!」

ドナテロ「ああ~……タートルバルーンがぁ……」

千鶴「2人とも大丈夫?」シュタッ

シンディー「ええ、あなたのおかげで助かったわ」

イカ娘「死ぬかと思ったでゲソ……」

50:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 21:26:47.98 ID:MtZnnfVsP

シュレッダー「どん亀ども!? 何故お前たちが日本にいるのだ!?」

レオナルド「タートルズはただいま海外出張キャーンペーン中なのさ!」

ラファエロ「おまけにコーラも付けようかぁ?」

ミケランジェロ「甲羅(コーラ)だってぇ? 4つもあれば十分でしょぉ~」

タートルズ「「HAHAHAHAHA!」」

シュレッダー「うわつまんね! 耳が曲がるわ泥亀ども! サイ、ブタ! 奴らを始末しろ!」

ロックステディ「アイアイサーだぜボスぅ」

千鶴「私は街の人を避難させてくるわ! 亀さんたち頑張ってね!」シュンッ

ビーバップ「さてと、亀ちゃんたちぃ、すり潰してミートボールにしてやるぜブヒぃ」

ラファエロ「あらら、僕たち今夜のスペシャルメニューにされちゃいそうだよン?」

ミケランジェロ「どうせならピザになりたいね」

51:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 21:30:18.79 ID:MtZnnfVsP

ロックステディ「お望みどおり、この何でも溶かすぞ光線銃で美味しく料理してやるぜぇ」

  ビビビビビッ!

レオナルド「うおっ! みんな避けろ!」サッ

  ジュワワワワワ~
    どろろろろろろろろ

ミケランジェロ「ワーオ、コンクリートの地面が熱々のチーズみたいに溶けちゃってるよ」

ビーバップ「ぶひひひ、今日こそお前たちもおしまいだぜぇ」

ドナテロ「ああー! あんなところでゴジラとガンダムがダンスを踊ってるぅ!」

ロックステディ「ええ? どこどこぉ?」キョロキョロ

ビーバップ「どこにいるのさぁん」キョロキョロ

ラファエロ「隙あり! サイ投げを喰らいなサイ! サイ野郎!」

  ヒュンッ!
    ガギンッ!!

ロックステディ「のわぁ! しまった銃がぁ~」

ビーバップ「騙したなぁ、酷いぞこの野郎~」

ドナテロ「騙される方がお間抜けなのさ!」

52:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 21:32:58.33 ID:MtZnnfVsP

ロックステディ「ボスぅ、助けてぇ」

シュレッダー「ええーい! このすっとこどっこいのトンマコンビ! 下がっていろ!」

  ズシーン ズシーン

大仏「カマクラー!!」

ミケランジェロ「や、やあ大仏さん、ご機嫌いかが?」

シュレッダー「ノコノコども! 踏みつけて無限1UPしてくれるわ!!」

レオナルド「や、やばい! みんな散れー!」サッ

ドナテロ「言われなくてもそうする!」サッ

大仏「カマクラー!!」ガガガ

  ズドドドドーンッ!!
       グラグラグラ

ラファエロ「すんごい威力! 地面に大仏さんの足跡がくっきり付いちゃってるよぉ!」

ミケランジェロ「こんな足で踏まれたら、僕たちの甲羅なんてお煎餅みたいにパリっと割れちゃうね」

ドナテロ「煎餅は嫌いじゃないけど踏まれるのは嫌いだよっ」

55:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 21:36:49.04 ID:MtZnnfVsP

シュレッダー「だっはっは! 思い知ったか亀の子だわし! 甲羅を剥ぎ取って中華料理屋に売り払ってくれるわ!」

大仏「カマクラー!!」ゴゴゴゴ

ミケランジェロ「ちょっとちょっと、これどうするのぉ? 大仏さんが相手じゃ戦いようがないよぉ」

ラファエロ「ウルトラマンが来てくれるのを待つかい?」

レオナルド「そんな悠長なことを言ってたら街が壊滅しちまうよ」

ラファエロ「どうせならせんとくんを操ってくれればよかったのにねぇ」

レオナルド「確かにあっちなら簡単に勝てそうだ」

ミケランジェロ「2人とも何言ってるのさァ。せんとくんは奈良でしょ。ここは鎌倉」

ドナテロ「ねぇみんな、シュレッダーが手に持ってる物を見てよ」

レオナルド「リモコンらしき物を持ってるな……ということは!」

ミケランジェロ「あれを奪い取れば亀さんチームの勝利ってわけだね!」

ラファエロ「でもどうやって奪うのさぁ。大仏さんの肩に乗ってるんじゃ手が出せないよぉ」

イカ娘「ふっふっふ、どうやら私の力を思い知らせる時が来たようでゲソね!」

56:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 21:39:15.86 ID:MtZnnfVsP

ミケランジェロ「イカちゃん、足震えてるよン?」

イカ娘「ハッハッハ、何のことでゲソか?」ガクガクブルブル

ラファエロ「怪我しない内に逃げた方がいいよぉ。イカのように白い美しい肌に傷が付いたら僕泣いちゃうよ」

シュレッダー「何をぶつくさ言ってやがるハチマキ亀ども! 今日で最終回だ! 死ねい!」

大仏「カマクラー!!」ズシンズシン

ドナテロ「うわぁ! こっち来たぁ!」

イカ娘「うー……、この街は私が侵略するのでゲソ……お前たちに侵略させるわけにはいかないでゲソー!!」

  シュパパパパパパパパッ

シュレッダー「なんだ!? 髪の毛が伸びた!?」

大仏「カマクラー!」ヨロヨロッ

レオナルド「触手が大仏の足に絡まっていく!」

ミケランジェロ「ワーオ、大仏さんがバランス崩して倒れるよぉン! みんな伏せてー!」

  ズドドドドドドドドドーンッ!!
      もくもくもくもくもくもくもく……

57:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 21:42:39.25 ID:MtZnnfVsP

シュレッダー「いててて……。まさか別のミュータントがいやがったとは……」

レオナルド「今だ! タートルパワー!!」シュタタタッ

  ザシュンッ!!

シュレッダー「危ねえなこの野郎! ……うおっ! リモコンが刀で真っ二つに……! なんてこったいパンナコッタイ!」

大仏「……」シーン…

ドナテロ「どうやら大仏さんは暴れ疲れてオネムらしい」

ミケランジェロ「さあさあ、お仕置きの時間だよン、サワキちゃん」

シュレッダー「うぬぬぬぬ! 憎たらしい爬虫類どもめぇ……!!」

ロックステディ「おーっと、ボスから離れろぉ亀ちゃんどもぉ!」

ラファエロ「ん? あれは!」

ビーバップ「じゃないとこのチャンネーの可愛いお顔が、カマンベールチーズみたいに穴ぼこだらけになっちまうぜぇ」スチャ
千鶴「あらあら、困ったわぁ」

レオナルド「チヅル! 人質なんて卑怯だぞ! バカサイにモヒカンイボイノシシ!」

58:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 21:46:41.70 ID:MtZnnfVsP

シュレッダー「よくやったぞアホサイにイノブタ! 後でスーパーひとしくんをプレゼントしちゃおう!」

ロックステディ「うひひひ、オイラたちだってやる時はやるぜぇ」

ビーバップ「さあ、武器を置きやがれぇ」

千鶴「あらあら」

ラファエロ「どうするのさリーダー」

レオナルド「くっ、仕方ない。みんな武器を地面に置くんだ」チャカ

ミケランジェロ「美女を人質に取られたら僕たち戦えないもんね」チャカ

ドナテロ「正義のヒーローも楽じゃないや」カラン

シュレッダー「よーし、いい子だ、とっとこ亀太郎ども。ふっふっふ、たっぷりといたぶってくれるわ」ゴキゴキ

ラファエロ「うわぁ、僕ちゃんたち絶体絶命!」

イカ娘「く、くくく……」プルプル

ミケランジェロ「イカちゃん大丈夫? おしっこでもしたいのかい?」

59:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 21:49:53.74 ID:MtZnnfVsP

イカ娘「ぎゃはははははははははははっ!! こいつぁ傑作でゲソ~~~~~!!」ゲラゲラゲラ

レオナルド「おいおい、今の一連の流れのどこかにギャグがあったかァ?」

ラファエロ「さあねェ、でも笑いのツボって人それぞれだからさぁ」

シュレッダー「ええーい、何がおかしいってんだよ! よっちゃん娘!」

イカ娘「千鶴を人質って……ぎゃはははは! キングコングを人質にするようなものでゲソ~~~!!」ギャハハハ

ドナテロ「なんだって?」

千鶴「もう少し捕らわれのお姫様気分を味わっていたかったけど、あまり亀さんたちに心配かけるのも悪いわね」

ロックステディ「何言ってやが――」

千鶴「ふんッ!!」ヒュ

  ドゴォ!!

ロックステディ「ごべぇっっ!!」

ビーバップ「こ、このやろ~!」スチャ

千鶴「はッ!!」ザシュンッ

  ガシャンッ!!

ビーバップ「わぁ! レーザー銃が真っ二つになっちまったぁ! このお姉ちゃんメチャクチャ強いよぉ~」

60:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 21:52:46.54 ID:MtZnnfVsP

ミケランジェロ「ワーオ、こんなところにもニンジャがいたよォ」

シュレッダー「おのれ~、イカのミュータントといいどうしてこう変なヤツらばかり現れるのだ!」

ロックステディ「痛いよ~、助けてよボスぅ」

シュレッダー「ええーい、こうなったら……これでも喰らえ亀変化ども!」ヒュン

  ぼむんっ!
   もくもくもくもくもくもくもく……

レオナルド「げほげほっ! まーた煙玉だぁ!」

シュレッダー「またまた逃げちゃおっかなァァ~~ンン」ダッダッダッ

ビーバップ「モグラちゃんに急げぇ~」ダッダッダッ

ロックステディ「待ってよぉ~、ボスぅ、ビーちゃ~ん」ダッダッダッ

  ギュイイイイイーンッ
     ズドドドドドドドドッ!

62:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 21:55:34.17 ID:MtZnnfVsP

ドナテロ「ごほっごほっ! またモグラちゃんに乗って実家へ逃げられちゃったみたい」

ミケランジェロ「ま、よかったじゃないの。悪は去った」

レオナルド「よかない! クラーク博士は連れ去られたままだぞ!」

シンディー「その心配なら無用よ」

クラーク「オー、ご心配おかけしまシター」

千鶴「あらクラークさん、無事でよかったわ」

クラーク「亀さんたちが戦ってる間にシンディーに助けてもらいまシター」

ラファエロ「これにて一件落着、だね」

ミケランジェロ「イカちゃ~ん、お手柄だったよ~ん。好プレー大賞は君のものさァ」b

イカ娘「うむ! この私のおかげで勝てたんだから感謝すべきじゃなイカ! あっはっは」

千鶴「ところで誰がキングコングなのかしら……?」ゴゴゴゴゴ

イカ娘「言葉の綾でゲソおおお! 申し訳ありませんでしたでゲソおおおお!」ドゲザ

65:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 21:58:41.82 ID:MtZnnfVsP

  ~テクノドローム~

クランゲ「サワキちゃん! 博士を連れてくるって話はどうなったのォ!」

シュレッダー「あー、彼はフジツボの観察で忙しいらしくてな、また今度ということになった。ハッハッハ」

クランゲ「んもう! どうせまた亀ちゃんたちに邪魔されたんでしょっ! こンのお間抜け!」

シュレッダー「まぁそう怒るなゆでだこ。ハンサムな顔がシワだらけになっちゃうぞ」

クランゲ「大きなお世話よ! このシワシワはあたちのチャームポイントなんだからァン!」

シュレッダー「それはそうと日本にイカのミュータントがいやがったぞ。ミュータンジェンは日本にもあるのか?」

クランゲ「イカのミュータントぉ? ミュータンジェンは材料さえあれば誰にでも作れるから、
    日本にあったとしても不思議じゃないわァ」

シュレッダー「ひょっとしたらたくさんのミュータンジェンを隠し持ってるのかもしれんな」

66:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 22:01:21.55 ID:MtZnnfVsP

クランゲ「それだわぁ! 日本にあるミュータンジェンを奪ってくるのよぉ!
    この『イカ操りますーん』を持って行きなちゃい。
    これを使えばイカのミュータントを操ることができるわぁん」

シュレッダー「なんでそんなもん持ってんだよ」

クランゲ「たまたま開発したのよォン」

シュレッダー「惑星直列級の偶然だなオイ。どういう状況を想定してそんなもん開発した」

クランゲ「つべこべ言わず行くのォ! ただしこれはまだ試作品だから無茶しちゃ駄目よォン!
   下手に扱ったら爆発しちゃうかもよォ。モホ、ムヒャホジュゲアフォクホホっ」

シュレッダー「ちっ、人をアゴでこき使いやがって。タコ焼きにして渋谷で売っちまうぞこの野郎」

67:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 22:04:12.51 ID:MtZnnfVsP

  ~れもん~

イカ娘「というわけで私の大活躍で街の平和は守られたのでゲソ!」

早苗「きゃーっ、イカちゃんステキ!」

栄子「中々やるじゃないかイカ娘」

ラファエロ「あー……、僕たちも頑張ったんだけどねぇ」

ミケランジェロ「まぁいいじゃないの。イカちゃんは可愛い。それが全てさ」

千鶴「でも侵略者なのに街を守っていいのかしら」

イカ娘「そうだったでゲソ~! 私としたことが~!」

栄子「おいおい、変なこと言うなよ姉貴っ」

渚「それにしても、結局イカの人は亀の人たちと同じミュータントなんでしょうか?」

シンディー「そんなぁ! イカ星人でしょっ?」

イカ娘「私は海からの侵略者でゲソ! それ以上でもそれ以下でもないじゃなイカ」

栄子「ま、イカ娘はイカ娘か。細かいことを気にしても仕方ないかな」

???「いえ、そろそろあなたは真実を知る時なのかもしれないわ、イカ娘」

千鶴「あら、あなたは」

68:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 22:07:11.61 ID:MtZnnfVsP

イカ娘「お主は……前に一度あったことがあるでゲソね」

栄子「私も会ったことがあるな。お祭りの時に」

梢「田辺梢よ。初めまして皆さん」

千鶴「ええ、初めまして」

梢「あなたたちはミュータント・タートルズですね?」

レオナルド「ああ、そうだけど。君は一体」

梢「やはりミュータントはミュータントと惹かれ合う運命なのかもしれないわね」

早苗「え、それって」

梢「ええ、結論から言うと、イカ娘、あなたはミュータントよ」

シンディー「ええーっ!?」

イカ娘「わ、私がミュータント……?」

ドナテロ「どういうことさ。どうして君がそんなこと知ってるの?」

ラファエロ「ウィキリークスにそう書いてあったのかい?」

梢「あれは1年前のことです――――」

69:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 22:10:19.24 ID:MtZnnfVsP

 私の父は科学者です。パパはいつも仕事仕事で私のこともかまってくれなかった。
 だからそんなパパを少し困らせたくて、
 自宅にある研究所から大事そうに保管してる薬を持ち出したの。

  ざばーん

梢「パパの馬鹿……。探しに来てもくれないのね」

  ざぱーん

梢「この薬、海に投げ捨てたらパパ怒るかな……。ううん、駄目よね、海を汚したりしちゃ……ん?」

イカ「……」ビチビチ

梢「あら、こんな波打ち際にイカがいるなんて。こんなところにいたら干からびちゃうわよ。沖にお帰りなさい」

  がっ

梢「きゃっ!」ドテッ

  がしゃーん

70:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 22:13:12.83 ID:MtZnnfVsP

梢「いたた……転んじゃったわ……あっ! 大変! 薬がこぼれてる!」

イカ「……」ピカーン

  しゅごごごごごごごっ

梢「えっ!?」

イカ娘「う……あ……」

梢「イ、イカが人間になった……!」

 後から知った事だけど、私が持ち出した薬はミュータンジェンという突然変異を促す薬だったの。
 私はパパに事情を説明して、あなたと一緒に家で暮らすことにした。

梢「イカちゃん、これ読める?」

イカ娘「東京特許許可局でゲソ!」

梢「すごいわ! たった1日で完全に日本語を覚えたわね!」

イカ娘「ふふん、私の実力ならお茶の子さいさいじゃなイカ」

 イカ娘は信じられないほど高度な知能を持っていて、
 言葉や知識をあっという間に習得していったわ。
 そして3日後……。

71:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 22:16:40.10 ID:MtZnnfVsP

  ざばーん

イカ娘「海を見ていると心が和むでゲソ。なんだか海にいた頃のことを思い出すようじゃなイカ」

梢「そうね。あら……」

イカ娘「どうし――あ、こんなところにゴミがたくさんあるでゲソ!」

梢「誰かが花火をやっていたみたいね。酷いわ、後片付けしないなんて」

イカ娘「こんな美しい海を汚す人間がいるなんて許せんでゲソ!」プンプン

梢「そうね。悲しいことだけど、地球や海のためには人間なんていない方がいいのかもしれないわね……」

イカ娘「梢?」

梢「あ、ううん、なんでもないわ。あ、そうだ。あなたにプレゼントがあるのを忘れてたわ」

イカ娘「プレゼント? なんでゲソっ?」ワクワク

72:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 22:18:56.89 ID:MtZnnfVsP

梢「はい、ブレスレットよ」

イカ娘「うわぁ~、着けていいでゲソ?」

梢「もちろん。どうぞ」

イカ娘「えへへ。おお~、なんだかカッコいいじゃなイカ!」

梢「それはね、パパの発明品なの。ほら、あなた体重が物凄く重いでしょ?
  それを使えば体重をコントロールできるのよ」

イカ娘「それは凄いじゃなイカ! どうやってコントロールするのでゲソっ?」

梢「簡単よ。ブレスレットを回転させるだけでいいの」

イカ娘「おお~」グリグリ

梢「あ、そんな目一杯回したらっ」

 と、その時だったわ。
 突然の突風が私たちを襲ったの。

73:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 22:21:17.69 ID:MtZnnfVsP

  びゅうううううー!

イカ娘「ぎゃあああああっ!」バビューン

梢「イ、イカちゃーん!」

  びゅうううううーん!

イカ娘「か、軽くなりすぎでゲソおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ…………」 キラーン☆

梢「イカちゃーん!!」

 それ以来、イカ娘が帰ってくることは二度となかったわ……。

74:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 22:23:43.99 ID:MtZnnfVsP

  ~~~~~~~~~~~~~~~~~

梢「そして次にあなたを見たのは1年後の海の家だった、というわけ」

イカ娘「う、嘘でゲソ……。そんな話全然記憶にないでゲソ……。私はずっと海で暮らしていて……」

梢「多分、突風で海に飛ばされたときに頭でも打ったのね。
  それで人間になった時のことを忘れてしまったのでしょう。
  すぐに本当のことを告げようとも思ったけど、
  ここで楽しそうに暮らしているあなたの邪魔をしたくなかったから……」

栄子「そうだったのか……。海中で暮らしてた割には、
   いきなり日本語を喋るし地上の知識もあるしで、おかしいとは思っていたが……」

千鶴「その青い腕輪も科学者の発明品だったのね」

イカ娘「私が……ミュータント……。元はただのイカだったのでゲソね……」

ミケランジェロ「そう落ち込まないでイカちゃん。君は幸せだよ、心優しい人間と出会えたんだから」

レオナルド「ああそうさ。俺たちだってスプリンター先生に拾われて本当に感謝してるもんな」

早苗「そうだよイカちゃん! イカちゃんがイカちゃんであることに何の変わりもないよ!
   さあ私の胸に飛び込んできてイカちゃん!」ダキッ

イカ娘「ええーい! どさくさにまぎれて何をするでゲソ!」ビタァン

早苗「へぶっっ!!」ゴボッ

75:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 22:26:05.56 ID:MtZnnfVsP

栄子「ま、早苗の言う通りさ。気にするなよイカ娘」

千鶴「イカ娘ちゃんは私たちの大事な家族よ」

イカ娘「栄子……千鶴ぅ……」ジワァ

シンディー「そんな……宇宙人じゃなかったのね……」ガックリ

ラファエロ「そう落ち込まないでシンディー。宇宙人なんて宇宙に行けば会えるよ」

???「ワッハッハ! お涙頂戴のい~い話じゃあ~りませんか~!」

ドナテロ「この低くてイヤ~な声は!」

  ぽわーん

シュレッダー「我輩だよーん!」

ビーバップ「あ、なんだか美味しそうないい匂いがするなぁここぉ」

ロックステディー「レバニラ定食あるかなぁ」

レオナルド「鉄板頭にアホアホコンビ! 本日3回目だぜ!」

76:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 22:28:25.18 ID:MtZnnfVsP

千鶴「レバニラ定食はやってないわねぇ。ごめんなさい」

ビーバップ「うわぁ! さっきの怖いお姉ちゃんだ~!」

ロックステディ「おっかないよボスぅ!」

シュレッダー「ええーい安心しろ! 顔面の迫力ならお前たちのコールドゲーム勝ちだ!」

渚「っていうかどうやって現れたんですかぁ!」

ドナテロ「テクノドロームのワープトンネルを使ったんだろうさ」

レオナルド「また性懲りもなくやられに来たのか、鉄板頭!」

ラファエロ「ひょっとしてやられるのが気持ちよくなっちゃったのぉ?」

シュレッダー「ふん、そんな軽口を叩けるのも今の内だけだ! イカ操りますーん発動!」ピッ

  びびびびびびっ

イカ娘「はうっ!」グッ

ミケランジェロ「もしもしイカちゃん、大丈夫?」

77:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 22:30:41.55 ID:MtZnnfVsP

シュレッダー「さあ我輩の命令を聞くのだ、よっちゃん娘! タートルズを倒せ!」

ラファエロ「何言ってるんだ。イカちゃんがそんなことするわけないだろ!」

千鶴「待って、様子がおかしいわ」

イカ娘「タートルズを倒す……!」ギロ

ミケランジェロ「あ、あら、イカちゃん?」

シュレッダー「さあやるのだ! よっちゃん娘!」

イカ娘「死ぬでゲソ! タートルズ!!」

  シュパパパパパパパッ

レオナルド「うおっ! 避けろみんな!」サッ

ドナテロ「あわわっ!」サッ

  ズドンッ ズドンッ シュドンッ

ラファエロ「わぁ凄い威力。触手が地面や壁に突き刺さってるよぉ!」

栄子「み、店が……こらイカ娘! やめるんだ!」

78:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 22:34:27.29 ID:MtZnnfVsP

イカ娘「タートルズを倒す……!」

早苗「やめてイカちゃーん! どうしてもと言うのなら私を倒してからにしてー!」タッタッタッ

イカ娘「邪魔でゲソ!」ビタァン

早苗「へごっっ!!」バキッ

ミケランジェロ「ねぇ、どうするのぉ。またしてもピンチだよぉ僕たち」

レオナルド「まさかイカちゃんごとやっつけるわけにはいかないしな……!」

ラファエロ「そんなことするくらいなら甲羅とって亀やめた方がマシだよぉ」

シンディー「イカ星人ったら宇宙からの電波でも受信しちゃったのかしらっ」

ドナテロ「確かに電波を浴びてるらしい。ただし宇宙からじゃなくて、
    シュレッダーの手の中から発信されてるみたいだけどね」

レオナルド「そうか、さっきの大仏の時と同じ要領だな!
    シュレッダーの持ってる機械を奪えば亀さんチームの2連勝だ!」

80:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 22:36:44.87 ID:MtZnnfVsP

ミケランジェロ「いま正気に戻してあげるよイカちゃん! カワバンガー!」ダダッ

シュレッダー「やかましいやっちゃえよっちゃん!」

イカ娘「タートルズは敵でゲソ!!」

  シュパパパパパパパッ

レオナルド「ぐっ! しまった! 触手が絡まって……!」ググ

ドナテロ「いとも簡単に縛り上げられちゃったよ」ググ

ミケランジェロ「あんら~、イカちゃんってば意外と力持ちなのねぇ。僕たち4人を同時に持ち上げるなんてぇ」ググ

ラファエロ「わぁ、僕こういうアブノーマルな趣味はないよぉイカちゃ~ん」ググ

シュレッダー「だっはっは! いい眺めだぞ亀ども!」

栄子「姉貴!」

千鶴「ええ!」

ロックシュテディ「おおっと、お姉ちゃん動かないでよぉん」スチャ

ビーバップ「今度はこっちの大人しそうな子を人質にするぜぇ」スチャ
渚「ひぃぃぃぃ! サイとブタの化け物ぉ……!」

千鶴「渚ちゃん!」

87:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 23:00:07.36 ID:MtZnnfVsP

シュレッダー「おおーう、怖いくらい我輩のペースではないか! さあトドメを刺せ、よっちゃん娘! そして次回からは、ティーンエイジ・ミュータント・インベーダー・カトルフィッシュガールの始まりだ! 略してTMIC!」

ラファエロ「そのアニメ、既に放送されてるでしょ~。『侵略!イカ娘』ってタイトルでさぁ~」

レオナルド「ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズは永遠に不滅だ!
     こんなところで終わるわけにはいかない!」

ドナテロ「見たところ、あの機械は完全じゃなさそうだ。突破口はまだあるよ!」

ミケランジェロ「でも縛り上げられてるんじゃ手も足も甲羅も出ないよぉ」

ドナテロ「チヅル! エーコ! 君たちがイカ娘に語りかけるんだ!」

栄子「か、語りかけるって……どうすりゃいいんだよっ」

ドナテロ「何でもいいから話しかけるんだ! 機械がイカ娘の心を操っているなら、
    君たちの言葉で彼女の心を揺さぶるんだ!」

千鶴「イカ娘ちゃん! 暴れるのはやめて!」

栄子「そうだよ! お前だってこんな酷いことはしたくないだろ!」

イカ娘「う……! うるさいでゲソ……あ、頭が……!」ズキズキ

88:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 23:05:27.49 ID:MtZnnfVsP

栄子「お前がみんなを傷つけるところなんて私は見たくないぞ!
   たけるだってそう思ってるさ!」

イカ娘「た、たける……?」

ドナテロ「いいぞ。もう一押しだっ」

早苗「イカちゃん正気に戻って! そして一緒にコスプレ撮影会しよっ!」

イカ娘「お前たちは敵でゲソ!」グワッ

栄子「早苗! お前は喋るなっ」

早苗「なんでー!?」ガーン

イカ娘「私は侵略者でゲソ! お前たちを侵略してやるでゲソー!」

栄子「バカヤロー! 私たちはなぁ、もうとっくにお前に侵略されてんだよぉ!」

イカ娘「え?」

89:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 23:08:09.10 ID:MtZnnfVsP

千鶴「そうよ、イカ娘ちゃんがいない生活なんて考えられないもの」

栄子「ああ、悔しいけど私たちにはお前が必要なんだよ! だから……正気に戻れーイカ娘ー!!」

イカ娘「う……うう~……」

千鶴「それに今夜の晩御飯はエビチリよ」

イカ娘「いやっほおおおお!! 今夜はエビチリでゲソおおおおおっ!!」

栄子「イカ娘っ!?」

イカ娘「あれ、私は何をしてたんでゲソ??」

シュレッダー「な、なにぃ! イカ操りますーんの洗脳が解けただとォ!?」

レオナルド「よし、触手がほどけたぞっ」バッ

ラファエロ「ハリウッドで映画化決定! 興行収入10億ドル!」バッ

ミケランジェロ「全米が泣いたよイカちゃん!」スタッ

90:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 23:10:23.60 ID:MtZnnfVsP

シュレッダー「馬鹿なっ! なぜ洗脳が解けたのだ!」

ドナテロ「そんな機械よりも人の絆の力の方が強いってことさっ!」

栄子「というよりエビチリの力って気もするが……」

シュレッダー「ええーい、クサい台詞をほざくなドブ亀!」

レオナルド「クサい台詞大いに結構! それが正義のヒーローだからな!」

ロックステディ「ちょいちょい、まだこっちには人質が――」

千鶴「ふッ!!」シュンッ

  ザシュンッ!

ビーバップ「わぁ! また銃が手刀で2つに分かれちゃったよぉーん、ブヒぃ」

千鶴「さぁ、渚ちゃん、こっちよ」

渚「ありがとうございます、千鶴さんっ」

ラファエロ「で、人質がなんだって?」

ロックステディ「えー……、ただいま解放しましたぁハイ」

91:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 23:14:54.35 ID:MtZnnfVsP

レオナルド「さあ、今度こそ年貢の納め時だぜ、鉄板頭!」

ビーバップ「お代官様ぁ、今年は不作でしてぇ……」

シュレッダー「ええーい、お調子に乗るんじゃないデカガメども! こうなったらイカ操りますーんパワー最大だ!」

  ぎゅいいいいん
    ピーガガガガガ

ロックステディ「ボスぅ、なんか変な音がするよぉ」

シュレッダー「あ、あれぇ~、おかしいなぁ。ハッ、そういえばタコの奴が無茶すると爆発すると言ってたような……」

ビーバップ「ブヒぃ、そいつぁ大変だぁ」

シュレッダー「あぢっあぢっ! 熱くて手に持てん! マジで爆発する5秒前!」

ロックステディー「タートルズに投げちゃえばぁ?」

シュレッダー「それは名案! 喰らえすっぽん小僧ども!!」ブンッ

  ひゅ~ん

シンディー「大変! こっちに爆弾が来るわ!」

93:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 23:17:57.36 ID:MtZnnfVsP

ドナテロ「4番バッター・ドナテロ! 大きく振りかぶったァ!」ブオン

  かきーん!

シュレッダー「こらー! 打ち返すなー!!」

ロックステディ「あわわわっ」

  チュドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!!!

シュレッダー「あ~れ~」ヒュルルルル~…
ビーバップ「やな感じ~」ヒュルルルル~…
ロックステディ「それアニメが違うよぉビーちゃ~ん」ヒュルルルル~…

  きらーんっ☆

ミケランジェロ「ワーオ、悪党のわりには綺麗なお星様になったよォン」

ドナテロ「ジェット気流に乗ってアメリカまで飛んでいくかもね」

ラファエロ「向こうに着いたらお手紙ちょうだ~い。僕のこと忘れちゃイヤよぉ~ん」

94:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 23:21:34.46 ID:MtZnnfVsP

イカ娘「いつの間にか店がボロボロになってるでゲソ」

栄子「お前がやったんだよ、覚えてないのか」

千鶴「修理代返済の道のりはまた遠のいたわねぇ」

イカ娘「どえええ!?」

早苗「イカちゃん! 元に戻ってよかったぁ!」ダキッ

イカ娘「よくないでゲソ!」ビタァン

早苗「へぼっっ!! ああでも幸せぇ~」

梢「ふう、もう出てきても大丈夫そうね」

ミケランジェロ「やぁ、みんな無事でよかった」

イカ娘「梢、この腕輪、これからも私が使ってもいいでゲソ?」

梢「もちろん。それはあなたのモノよ。私はもう行くわね」

イカ娘「あ、待つでゲソ!」

梢「なぁに?」

95:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 23:25:02.30 ID:MtZnnfVsP

イカ娘「お主が前に言っていた通りだったでゲソ。地上には色んな人間がいるでゲソ。
    海を汚す人間もいるけど、そうじゃない人もいるでゲソ」

梢「そうね」

イカ娘「それに人間がいなくなったら海もきっと寂しがるでゲソ!
    だから人間はいた方がいいでゲソ! そう思うことにしたでゲソ!」

梢「イカちゃん……」

イカ娘「またいつでも遊びに来て欲しいじゃなイカ! 梢!」

千鶴「梢ちゃんがいなかったらイカ娘ちゃんとも出会えなかったわけだしね。いつでも会いに来てね」

梢「ええ、また来るわね、イカちゃんっ」

ミケランジェロ「うんうん、やっぱりミュータントと人間は分かり合えるんだね」

レオナルド「もちろんさ。見た目でビックリされることはあるけど、俺たちだって人間と同じなんだからなっ」

97:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 23:28:24.06 ID:MtZnnfVsP

――――――――
――――
――

ドナテロ「できた~」

ラファエロ「それなぁにドナちゃん。プレステ4?」

ドナテロ「違うっ! ワープマシンさ。これでニューヨークに帰れるよ」

ミケランジェロ「さっすがドナちゃんだねぇ。即席でそんなものまで作れちゃうなんて、キテレツくんみたい」

ドナテロ「でもワープに使えるエネルギーは1回分だけだ。あっちに着いたらもう日本には戻ってこれない」

栄子「そうか、少し寂しいな」

ラファエロ「僕もだよエーコ。短い間だったけど楽しかった。来てよかったよ」

ミケランジェロ「イカちゃん、君のこと友達だと思っていいかい?」

イカ娘「勿論でゲソ、ミケランジェロ! いつか日本を侵略したらアメリカにも進出するでゲソ!」

ミケランジェロ「その時を楽しみに待ってるよン」

レオナルド「アメリカのニュースをチェックしてくれよ。そうすればきっと俺たちの活躍が記事になってるはずだぜ」

千鶴「ええ、分かったわ。元気でね、亀さんたち」

98:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/16(金) 23:32:10.99 ID:MtZnnfVsP

ドナテロ「それじゃ、下水道にあるジメジメした我が家に帰るとするか。ワープくん発動!」

  ビビビビビッ

ミケランジェロ「みんなー元気でね! またいつか会おう~!」

ラファエロ「イカスミピザの味は忘れないよ~!」

レオナルド「楽しかったぜ! じゃあな!」

栄子「ああ、またいつか!」

千鶴「さようなら~」

イカ娘「また来るでゲソ~!」

  ビビビビしゅうう~ん……

イカ娘「行っちゃったでゲソ。なんだか嵐のような日だったゲソね」

千鶴「さ、また明日から修理代のために頑張りましょうね、イカ娘ちゃん」

イカ娘「とほほ……」

105:以下、魔王にかわりまして勇者がお送りします:2012/03/17(土) 00:00:06.37 ID:nnzLNibaP

  しゅううううん

ドナテロ「さ、ニューヨークに着いたぞ」

さかなクンさん「ギョギョギョ! 新種の亀さんたち発見デスー!」

ミケランジェロ「ちょ、ちょいとちょいと、なぁにこの人」

レオナルド「こ、ここ本当にニューヨークかぁ?」

ドナテロ「あ、あら? ひょっとして座標が狂ったかな……」

さかなクンさん「ギョギョギョ! 解剖して調べるのれすぅ!!」ジャキーン

ラファエロ「わぁ! この人目がヤバいよぉ!」

レオナルド「とりあえず逃げろー!」タッタッタッ

ミケランジェロ「ドナちゃんの馬鹿ー!」タッタッタッ

さかなクンさん「ギョギョギョギョギョギョ!!」

 おわり

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