唯「カニコロ」
1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 22:32:17.38 ID:H9vof0Xb0
唯「雪って儚いよね」
律「は?」
唯「……」
律(今のはボケだったのか?)
2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 22:37:34.94 ID:H9vof0Xb0
律(背中がかゆくて反応出来なかったぞ)
唯「どんなに綺麗でも触れれば溶けちゃう」
律(やばい返しが思いつかねえ)
唯「でもね、それでも私は雪に触れてみたい。溶けない雪があるかもしれない」
律「お、おう」
唯「りっちゃん」
律「あ、うん?」
唯「私が触れたらりっちゃんは溶けちゃうのかな」
律「……え?」
3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 22:44:38.01 ID:H9vof0Xb0
律(あ、これ私が返すまで続くパターンのやつだ。絶対そうだ)
律(幸い部室には唯しかいないし付き合ってやるか)
律「……溶けない雪があってもいい」
唯「えっ……?」
律(ぎゃおお……!これはきついぃ)
唯「いいの?」
律「いいさ」
律(つーか何がだよ)
唯「嬉しい……こんなにも暖かいのに雪の花が咲いている」
律(ぐぽぉ)
5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 22:51:32.61 ID:H9vof0Xb0
唯「りっちゃん……大好き」
律(ぶっ!……まてよ、ひょっとしてこれドッキリか?でもここまで来たら何か言って笑いを…)
唯「雪の花にも色があるんだね。鮮やかな色なんて……想像してなかった」
律「……ぐああああああああ!」
律「もう無理!限界!」
唯「え……」
律「かゆいかゆいかゆい!これ何のドッキリだよー」
律「それともあれか?私に恥ずかしい言葉を言わせる作戦か?」
唯「……」
律「あれ、唯?」
唯「りっちゃん……ひどいよ……」ポロポロ
律「へっ?」
唯「今日は帰るね……っ」ダッ
律「ええーまさかマジだったの!?」
6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 22:58:28.65 ID:H9vof0Xb0
律「流石にうそだろ?」
律「実は扉の向こうに澪達がいてドッキリでしたーって」
律「……いねえ」
律「ま、マジなのか…?ガチで泣いてたよな……」
律「マジだとしたら私サイテーじゃん」
律「……」
律「くそっ追いかけないと!」ダッ
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 23:05:36.15 ID:H9vof0Xb0
律「唯ーーっ!!」
唯「……!」
律(あいつマジで帰るつもりか)
律「待てって!」
唯「っ……」ピュー
律「早ぇ!」
律(しかも上履きのままで学校出んのかよ!大マジじゃねーか)
12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 23:12:49.19 ID:H9vof0Xb0
律「待てってば!おいっ!」
唯「っ!」
律「はぁはぁ……捕まえた」
唯「……」ポロポロ
律「ごめん……」
律(何かいわなきゃ……何か気のきいた事を……)
律「……言ったろ?溶けない雪があってもいいって」
唯「ふざけないでよっ!!」
バチーーン!!
律「へぶぅ!!?」
14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 23:19:47.61 ID:H9vof0Xb0
律(えーこういうのが好きだったんじゃないの!?)
唯「私本気だったのに……バカにしないでよ……」
律(バカにしてると思われた!)
唯「やっぱり雪は触れたら溶けちゃう……りっちゃんは溶けた事すら気付かない。溶けたのは私だけ……」
律(って結局それで続けるのかよ!)
唯「勝手に盛り上がってバカみたい……バイバイりっちゃん、好きだったよ」ダッ
律「待てよ!」
唯「もう追いかけてこないで!」
律「そうはいくか――って唯!車!!」
唯「えっ――」
キキーーッ!
16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 23:26:34.76 ID:H9vof0Xb0
律「唯ーーーー!!」
唯「……」
律「あ……」
唯「……りっちゃん」
律「お、おま……脅かすなよ……ま、マジでびびっただろぉ……」ポロポロ
唯「どうして泣いてるの?」
律「だ、だって……唯がいなくなっちゃうって思ったら……思ったらぁ……うぅ」
唯「りっちゃん……ぐすっ、大丈夫だよぉ……わだしは……」ポロポロ
唯「私はしにましぇん……あなたが好きだからぁ……」
律「ゆいーーーっ!」ぎゅうっ
唯「りっちゃあん!」ぎゅっ
19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 23:33:55.26 ID:H9vof0Xb0
律「唯っ!」
唯「りっちゃん!」
律「私、本当に、もしかしたらお前の事が好きかもしれない……今わかった」
唯「りっちゃん……!」
律「さっきはごめんな。私が馬鹿だったんだ」
唯「ううん、私こそゴメン」
律「唯は悪くない、悪くないよ」
唯「そうかな」
律「そうだよ。お詫びになんでもしてやるぞ」
唯「ほんと?」
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 23:41:12.68 ID:H9vof0Xb0
律「ああ」
唯「それじゃあ私……カニが食べたい」
律「そっか……ちょっと厳しいかな……金銭的に」
唯「じゃあ……カニっぽいものでいいよ」
律「唯、ありがとう」
唯「私こそありがとう」
律「確かにそうかもしれない」
唯「何が?」
律「私にも雪の花が色付くのがわかった気がする……」
唯「りっ、ちゃん……大好き」
律「私もだ」
唯「ラビニュー…」
律「ミートゥー…」
おしまい
No related posts.
最近のコメント