メタルキング「勇者にやられないよう、対策を立てなくては・・・」
1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/26(月) 23:11:50.78 ID:ymnAs5ek0
ここはべクセリア北の、封印のほこら
プラチナキング「えーそれでは・・・ただいまより、第9回メタルサミットを開催します。
一同「パチパチパチ・・・」
プラチナキング「私が議長を勤めさせていただくプラチナキング、2回目の出席となります。では皆さん自己紹介を。」
メタりん「毎度お世話になっております、メタルスライム代表のメタりんです。よろしくお願いします。(よしよし。今回も出席できた。これは皆勤賞も狙えるな)」
はぐりん「ぼくははぐれメタル代表のはぐりんだよ。よろしくね。(今日はバブルの調子がいいなあ)」
スマイル「俺はメタルキングのスマイルだ。(ちっ、プラチナの野郎がいると俺が仕切れねえんだよな)」
2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/26(月) 23:14:23.61 ID:ymnAs5ek0
メタブラ「どどどどうも・・・こ、こんにちは・・・め、メタルブラザーズの、メタブラと申します。」
スマイル「あれ、おめえみねえ顔だな」
メタブラ「こ、今回初参加させていただきました。よ、よろしくおねがいします。」
メタりん「いやあ、これからよろしくね(ドラゴメタルみたいにならなきゃいいんだけど・・・)」
プラチナ「今回の議題は・・・度重なる人間の襲撃からどう身を守るか。です。」
スマイル「今回のっていうか今回もだろ」
プラチナ「そこ、黙って聞いてなさい。
私たちメタル一族は、昔から人間に狙われ続けてきました。必死に逃げても、やつらは機会があればいつでも私たちを殺そうと狙ってきます。」
4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/26(月) 23:28:18.21 ID:ymnAs5ek0
プラチナ「特に私たちが脅威を感じているのは、「勇者」を名乗る一行です。やつらは各地で私たちの同胞をなぎ倒し、魔王様までも倒そうというとんでもない集団です。」
はぐりん「そのうえ、人間の世界でも不法侵入や窃盗を繰り返している犯罪者の集まりなんだよね。でも人間に慕われてるんだよ。
魔王様を倒すってそんなにえらい事なの?」
スマイル「いや違う。人間てのは頭がおかしいんだよ。だから勇者なんかを尊敬するんだ。」
メタブラ「あの・・・「勇者」ってそんなに悪いやつなんですか?」
メタりん「君も分かるときが来るよ。(レベルの低いときは僕のこと目の色変えて追っかけてくるのに、30過ぎたころには相手にもしてくれないんだもんなぁ)」
6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/26(月) 23:38:49.22 ID:ymnAs5ek0
プラチナ「とにかく・・・私たちは人間、特に「勇者」を名乗る集団に狙われ、狩られ続けています。この現状を打開するための策を。」
メタりん「なによりまず、人間の前に姿を現さないことじゃないですか?そうすれば戦わずにすむわけで」
はぐりん「そうやっていままでも隠れ家を見つけてはそこで生活してきたけれど、その度に勇者たちに見つけられて、ボコボコにされてきたじゃないか。
クレージュ周辺やライドンの塔北の高台はものすごいことになったじゃないか。
僕にとっていちばんのトラウマは、グランバニアへの洞窟なんだけどね。青いターバンの人間が、仲間になるまで狩り続けるとか言ってきてさ・・・」
7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/26(月) 23:50:19.98 ID:ymnAs5ek0
メタりん「そういやそうでしたね。(はぐれメタルの集団には歓喜するくせに、僕たちが集団で出てきても舌打ちだもんなぁ)」
スマイル「俺たちの話も聞いてくれよ。このあいだ、カルバドの草原に隠れ家にもってこいないい洞窟を見つけたんだよ。
そこの地下深くでまったり生活してたんだが、ある日を境に人間がどーーーっと押し寄せるようになったんだ。
なんでも「まさゆき」とかいうやつに酒場で地図を貰ったんだとよ。俺は「まさゆき」を許さねえ。」
はぐりん「そういえば僕たちのすみかもいくつか発見されたんだよね。でもあんまり人来ないよ。」
メタりん(スマイルさんとはぐりんではランクが違う・・・って僕が言ったらたこ殴りだろうな・・・)
10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/27(火) 00:00:10.80 ID:ymnAs5ek0
プラチナ「えーーー、他にいい案は?」
スマイル「勇者たちより俺たちが強くなればいいんだよ。前回のサミットから俺たち一族は見違えるほど強くなったぜ。」
メタブラ「攻撃力318ですからねえ。勇者たちを血祭りに上げてましたよね。
スマイルさんって前からこんなに強かったんじゃないんですか」
はぐりん「第8回のときは攻撃力半分くらいだったよね。」
スマイル「そ、だから俺みたいに強くなればいいんだよ。」
はぐりん「それでも狩られ続けてるじゃん。」
スマイル「・・・」
12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/27(火) 00:03:30.80 ID:Ge8MxKpm0
メタりん「でも、それっていい案ですよね。僕たちが強くなれば、勇者たちも怖くて襲ってこないんじゃないですか。」
はぐりん「そうしたら、スマイルやプラチナに対抗するために、攻撃力の低い君が真っ先に狙われるよ。」
メタりん「・・・」
13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/27(火) 00:07:44.88 ID:Ge8MxKpm0
プラチナ「だが、それはいいかもしれないですね。勇者に対抗するために呪文を覚えるのはどうでしょう。」
スマイル「そうだよ、みんなでべギラゴン覚えようぜ。」
メタブラ「なんですか?そのべギラゴンって」
スマイル「ジェネレーションギャップか・・・」
14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/27(火) 00:18:13.55 ID:Ge8MxKpm0
はぐりん「勇者たちも卑怯だよね。正々堂々と戦いを挑んでくればいいのにさ。
ドラゴラムにせいすい、ひとしこのみ・・・」
メタりん「でもそれらには僕たちも対策を打ってきました。
炎に耐える特訓をし、せいすいの滝に打たれてせいすいへの耐性を高め・・・ひとしこのみはいつの間にか無くなっていましたけど。」
スマイル「だが、忘れもしない、第6回サミットの直前だった。
あの凶悪な特技が出てきたのは。」
プラチナ「私たちの硬いメタルボディを一瞬にして叩き割る、あの魔の特技・・・・・」
一同「ま じ ん ぎ り」
15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/27(火) 00:25:15.96 ID:Ge8MxKpm0
はぐりん「三分の一の確率で会心の一撃を出すんだよね。ブルブル。」
スマイル「いっぺんに250とか食らわせてきやがるんだ。俺の友人は皆あの魔の特技にやられていった・・・」
プラチナ「あの恐ろしい特技が出てから、メタルの屍が急増したんです。」
メタりん(ケッ何がまじんぎりだ。そんなもんにびくつきやがって。
せいすい3回で死ぬ俺の身にもなれってんだ)
16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/27(火) 00:31:10.53 ID:Ge8MxKpm0
はぐりん「でも、まじんぎりのころはまだよかったよね。僕たちに更に追い討ちをかけてきたあの特技が登場するまでは・・・」
スマイル「まじんぎりの成功率を更に跳ね上げやがったあの特技か。」
はぐりん「そうそう。第8回サミットの直前に出てきたんだよあいつは」
プラチナ「私も今回身をもってその恐ろしさを体感しました。そう・・・」
一同「だ い ま じ ん ぎ り」
メタりん(うるせーな・・・)
21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/27(火) 00:40:27.94 ID:Ge8MxKpm0
スマイル「とにかく、これらの特技に対抗しなきゃなんないんだ。」
プラチナ「そうです。何かいい案はありますか?」
メタブラ「あの・・・こういうのはどうですか?
体力をつけて、かいしんのいちげき一発でやられないようにするんです。」
はぐりん「HP500くらい持てって言うの?どうやって?」
メタブラ「それは・・・」
スマイル「俺たち一族は、せいぜいHP20が限界なんだよ。例外もあるけどな チラリ」
プラチナ「私たちのHPがずば抜けていたのは昔の話ですよ。いまではHP20しかありません。」
見てくれてる人いると嬉しいなww
22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/27(火) 00:46:55.84 ID:Ge8MxKpm0
プラチナ「なかなかいい案が浮かびませんね。だいまじんぎりに対抗する方法。」
スマイル「大丈夫だよ。俺たちはあのどくばりを攻略したんだぜ。」
はぐりん「攻略だって?確実に1ダメージ食らうのがどれだけ痛いか分かってんの?なあメタりん」
メタりん「まったくですよ。運が悪けりゃ3回で死ぬんですよ」
はぐりん「そうなの?ぼくら大体6回くらいだけど」
メタりん(もうやだこのサミット・・・)
24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/27(火) 00:53:46.49 ID:Ge8MxKpm0
スマイル「悪かったよ。じゃあダメージを受けない方法を考えようぜ」
メタりん「そりゃあやっぱり・・・勇者に会ったらすぐ逃げるとか?」
スマイル「だけど、男として逃げられないときってもんがあるだろ?」
メタブラ「スマイルさん、かっこいい!やっぱり、奥さんや子供を守るために?」
スマイル「ライバルの勇者討伐自慢が鬱陶しいときとかだよ!」
はぐりん「いじっぱりだねえ」
25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/27(火) 00:58:46.58 ID:Ge8MxKpm0
スマイル「やかましい!とにかく、そういうことを考えることは男として誰にでもあるだろ?」
プラチナ「それは多分あなただけですよ」
メタりん「それどころか、僕ら一族に勇者倒したことのあるやつなんて一匹もいませんよ」
はぐりん「メラなんかじゃ無理だろうねえ。最低でもギラ覚えなきゃ」
メタブラ「ギラって何ですか?」
はぐりん「氏ね」
27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/27(火) 01:14:21.54 ID:Ge8MxKpm0
プラチナ「コホン、言葉を慎みなさい。
・・・さらに、私たちの仲間の多くが、すばやさのたねやまもりのたね、さらにはオリハルコンなどのレアアイテムを持っています。
心無い勇者は、私たちの経験値ばかりでなくこれらも狙ってきます。いい対策はありませんか?」
メタりん「それじゃあ、アイテムを持って歩かなきゃいいじゃないですか。」
はぐりん「君、言ってること分かってる?たねは僕たち、男のシンボルじゃないか。」
メタりん「そりゃそうですけど・・・じゃあはぐりんさんの持ってるしあわせのくつは何ですか?足なんてないのに持ってるいみないじゃないですか」
はぐりん「うるさい!いつの日にか僕にもスレンダーな足が生えてくるかもしれないじゃないか!
それよりスマイル!あんたこそその派手なかんむりをどうにかしろよ!」
スマイル「ふざけんな!これひっこぬいたらメタルスライム8匹になっちまうんだよ!」
28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/27(火) 01:22:00.95 ID:Ge8MxKpm0
はぐりん「まあスライムそれぞれに事情があるんだ。アイテムの話はまた今度にしよう。」
メタりん「とりあえず、勇者にやられなければいいんですから。」
メタブラ「まじんぎりなんですが・・・最近人間が開発した「痛恨ガード」ってあるじゃないですか。あれを使えばいいのでは?」
31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/27(火) 01:27:22.30 ID:Ge8MxKpm0
スマイル「盾を装備してたら痛恨の一撃をガードする秘儀のことか。たしかにいいかもな。」
メタりん「だから、手がない僕らがどうやって盾を装備するんですか」
スマイル「たしかに・・・これが本当の手も足も出ないってやつか」
めたりん(それがどうしたってんだよ・・・)
33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/27(火) 01:34:58.05 ID:Ge8MxKpm0
プラチナ「そういえば・・・魔王様より言伝を預かっていました。読み上げますね。
えーーっと・・・」
プラチナ「お前らのせいで、勇者が強くなり、ワシが苦戦するようになる。
お前らは勇者加担の罪で、減俸に処する」
はぐりん「僕たちって魔王様から相当嫌われてるね・・・」
35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/27(火) 01:39:23.15 ID:Ge8MxKpm0
はぐりん「もうこうなったら、本当に勇者の味方になっちゃおうか。」
メタりん「魔物を仲間にするような人なんて、いるんですか?」
はぐりん「青ターバンとシスコンなら知ってる。」
プラチナ「うーん・・・」
37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/27(火) 01:44:36.02 ID:Ge8MxKpm0
スマイル「俺は嫌だぜ!人間に心を売るまねはしたくねえんだ!」
メタブラ「さすがスマイルさん!かっこいい!」
スマイル「お前らも考えてみろよ!昨日まで友達だったやつと戦わなきゃいけないんだぞ!そんなの嫌だろうが!
人間の味方になるなんて軽々しく考えんじゃねえよ!」
はぐりん「柄でもなくまじめなこと言ってるね」
38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/27(火) 01:52:30.29 ID:Ge8MxKpm0
プラチナ「確かに、スマイルの言うことにも一理あります。昨日までの味方を裏切りたくはないですよ。」
はぐりん「じゃあ他に方法はあるの?」
メタりん「とりあえずまじんぎりや一閃突きをなんとかしなければ・・・」
スマイル「だよなあ。あの特技が出てから俺たちの肩身が狭くなる一方だ」
メタブラ「怖いですよねえ。あれ。」
はぐりん「痛恨の一撃なんて、なくなればいいのに・・・」
???「フフフ・・・いいことを教えてやろうか・・・」
40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/27(火) 01:56:59.24 ID:Ge8MxKpm0
スマイル「誰だ!」
???「同じメタルなのにのけ者にされてきた・・・・・俺だよ!」
はぐりん「その声は、もしかして・・・・・」
一同「メ、メ タ ル ラ イ ダ ー !」
ライダー「ふふふ、驚いただろう」
メタりん(きたよきたよきたよ!僕より経験値低いやつ!)
41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/27(火) 02:02:24.65 ID:Ge8MxKpm0
スマイル「お前なんか呼んでねえよ、帰れ!」
プラチナ「そうですよ。「下のメタルは銀メッキ」の疑いが晴れるまでメタルから除外するといったはずです!」
はぐりん「だいたいさー、守備力150くらいでメタル名乗って恥ずかしくないの?」
メタりん(いいぞいいぞー!こいつがいたら僕は「この中で最弱」じゃなくなる!)
43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/27(火) 02:06:39.51 ID:Ge8MxKpm0
ライダー「まあまあ落ち着け。今日はみんなにいいことを教えにきたんだ。」
スマイル「いいから帰れよ!誰もお前の話なんか聞きたくねえよ!」
メタりん「待ってください!話だけでも聞いてあげたらどうでしょう。(こいつが帰ったらまた俺が最弱になっちまう)」
スマイル「・・・分かったよ」
ライダー「うーん、素直な子だねえ。痛恨の一撃をなくすには、僕のアイデアしかないんだよ」
46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/27(火) 02:12:34.99 ID:Ge8MxKpm0
プラチナ「では話を聞きましょう。その方法とは何ですか?」
ライダー「ズバリ!「署名」だよ!
痛恨の一撃をなくして欲しいって願っている仲間たちから、署名を集めるんだ!」
スマイル「署名って・・・誰に渡すんだよ」
ライダー「そこは僕におまかせ!異世界への扉を開いた僕に、できないことはないのさ!」
スマイル「だから、誰に渡すんだよ!」
ライダー「誰だって?「ゆうぼん」さ」
47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/27(火) 02:17:11.84 ID:Ge8MxKpm0
一同「ゆ、ゆ う ぼ ん ?」
はぐりん「って誰?」
ライダー「知らないのかい?僕たちのいるこの世界を作った人間さ。
僕たちも、魔王様も、勇者も、痛恨の一撃もみんな彼の脳の中のものなんだぜ!」
スマイル「えっと・・・なんだかよくわかんねえが、つまりその「ゆうぼん」にたのめば痛恨の一撃が無くなるってことか」
ライダー「そゆことー」
48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/27(火) 02:24:15.23 ID:Ge8MxKpm0
数日後
コンコン
ゆうぼん「誰ですか?」
メタりん「あっあの・・・僕たち・・・・これを渡しに来ました。」サッ
ゆうぼん「えっと・・・痛恨の一撃を無くそう運動・・・署名?」
プラチナ「お願いします!「痛恨の一撃」をなくして下さい。」
はぐりん「署名はメタル一族とその他の魔物合わせて200万枚あるんだ」
ゆうぼん「うーん・・・」
49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/27(火) 02:32:11.51 ID:Ge8MxKpm0
ドサッ
メタりん「わっ 何ですか?この書類の束は」
はぐりん「なになに・・・大魔神斬りの上に、超魔神斬りを作ってほしいの会?」
スマイル「これってまさか・・・」
ゆうぼん「そうだよ、全国のファンからの要望。ちなみに署名は410万枚。」
一同「そっ・・・そんなあ・・・」
こうして、会心成功率75パーセントの「超魔神斬り」は大人気となり、これまで以上の勢いでメタルの屍が全国に積み上げられてゆくのであった。
おわり
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