佐天「バイツァダストで爆弾にされる能力かぁ……」 前編
1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 17:58:19.60 ID:5sFu3okd0
仗助「スイッチを押させるなァァァ――――――!!!」
吉良「いいや、限界だ! 押すねッ!! 今だッ!!」
カチッ
ドゴォォォォオオオオオオン
―――
吉良「……ふふ」
吉良「はははははは!! やったッ! 発動したぞ!!」
吉良「これで私は、もう奴らと『出会う』事すらなくなった……フフフ、私の完全勝利だ」
吉良「……しかし、ここは何処だ? 一時間前なら私は通勤途中の筈だが……こんな道、杜王町にあったか?」
吉良「……『違う』……ここは、杜王町じゃあないッ!?
なんだ、何が起こったんだ……私は勝ったんじゃあないのか?」
吉良「クソッ……なんだって言うんだ一体……」
吉良「……ともかく、ここが何処だろうと私が奴らに追われることはあり得ない。
ひとまず表に出て地図の見られる店でも探すか」
―――
吉良「……見渡す限り、ビル、ビル、ビル、か。杜王町じゃあない事は確かみたいだな。
じゃあここは何処だ? S市……いや、もっと首都圏に近い場所か」
3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 18:03:11.02 ID:5sFu3okd0
吉良「……なんだこの街は……本当に『日本』か? 『自律行動をする掃除ロボット』なんて見たこと無いぞ……」
吉良「なんにせよ情報が欲しいな……日本語が通じればいいが」
―――
―――
吉良「学園都市……か。にわかには信じられないな、科学技術が二十年進んでいるというのも、『超能力者』が居るというのも。
しかし……『超能力者』が表立って集められている都市……マズいな。
空条承太郎は『スタンド』に関して強い『横』のつながりを持っているようだった……もしかするとそれが、『学園都市』なのかも……」
吉良「奴ら自体は『バイツァ・ダスト』で撒く事が出来たが……奴らは早人の事を知っていた……『私』が『川尻浩作』だという情報を知るのは時間の問題だろう……
クソッ、忌々しいデカブツ空条承太郎め……」
吉良「しかし『能力者』ばかりを集めているというのは気になる所だな。
そんなに掃いて捨てるほど居るモンなのか、スタンド使いっていうのは……
そもそも、ここでいう『能力者』は『スタンド使い』と同じなのか? スタンド使いは『弓矢』でしか増えないんじゃあないのか……?」
吉良「出来る事ならこの『学園都市』にいる『超能力者』というのを見てみたいものだが……」
ドゴォォォォオオオオオオオオオン!!!!
吉良「……なるほど、分かりやすくて吐気がするほどの超能力アピールだ」
吉良「関わり合いになりたくはないが情報が無いと今後の動きも決めづらい……野次馬にまぎれて遠巻きに見てみるか」
4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 18:10:03.52 ID:5sFu3okd0
吉良「……なんだあの知性がまるで感じられない顔の男と馬鹿丸出しな髪飾りの女は。アレが能力者か?
東方仗助や虹村億泰といい、学生の超能力者ってのは頭が悪そうな風体をするっていう共通点でもあるのか」
犯罪者「炭ッカスになりたくなきゃあそこをどくんだなぁ!!」
初春「じゃじゃじゃ、『ジャッジメント』が、はいそうですかなんてのけるわけないじゃないですか!!」
吉良「……何?」
初春(うぅ……ただ私は、気になってた可愛いお洋服見たかっただけなのに……どうしてこんな事に……こんな事なら教室でお昼ごはん食べてればよかったぁ……)
吉良(ジャッジメント……なんだ、ジャッジメントってのは……
judgementなら『裁き』って意味だろうが今の髪飾りの台詞から考えるに『チーム名』かなにかか?)
犯罪者「そうか、じゃあ!!俺の能力で燃えろォォオオオ!!!!」
ゴオオオオオオオオ!!!!!
初春「ひへああああああああああああ!!」
吉良(炎か、厄介な能力だな。しかし今、『スタンドの像』が見えなかった……やはりこの都市の『超能力』は『スタンド』とは別物なのか?
いや、重ちーのような『群れ』を作るスタンドで、炎に見えるアレの一粒一粒が奴のスタンド像なのかもしれない……
出来る事ならあっちの髪飾りの能力も見たいところだが……)
初春(ひーん!! 助けて白井さん!!)
犯罪者「ホラホラ! どうしたァァァ――――!!」
ドゴゴゴゴゴゴァァッ!!
吉良「……しかし五月蠅いな、あの馬鹿面男」
5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 18:17:11.40 ID:5sFu3okd0
初春(これ以上能力を使われたらマズいですよね……街の壊れ具合的にも、私の身の安全的にも……)
吉良(あっちの髪飾りは能力を使わないのか? 涙目になってひんひん鳴きながら逃げ回ってるだけだが……
……いや、『使わない』んじゃあなくて『使えない』のか?
『ジャッジメント』ってのが『無能力者機関』という事なのかもしれないな)
犯罪者「おいそこのスーツ!!!!」
吉良「……ん?」
犯罪者「俺はテメーみてーなスカした奴が大っ嫌いなんだよ!! このうざってージャッジメントの前にテメェを炭ッカスにしてやる!!」
吉良「……」
初春「えええええええええ!!? だ、駄目です!! 一般人に迷惑をかけるのは」
犯罪者「ウルセェェェエエエエエ!! なんならテメェの方から消し炭にしてやってもいいんだぜ、お優しいジャッジメントさんよおお!!」
吉良(……成程、『ジャッジメント』ってのは警察みたいな組織なのか。
しかしなんだあの馬鹿面、いきなり私の方に喧嘩フッ掛けてくるとは……足りないのは頭のネジか、それとも教育の量か?
髪飾りの方は『一般人』に手を出されようとしているのに能力を使わないってことは、能力者じゃあないと見るべきだな)
犯罪者「出て来いスーツのジジイ!! それともその場で炭ッカスになりてーかァァ!?」
吉良「……やれやれ、私が出て行けばいいのかな?」
初春「ああ! で、出てきちゃダメです! ダメ!!」
吉良(出なきゃあ燃やされるって言われてるのに『出るな』……遠まわしに『死ね』って言ってるのか、あの馬鹿髪飾り)
7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 18:23:59.31 ID:5sFu3okd0
吉良(出来れば『キラー・クイーン』を使うのは避けたい……私の『キラー・クイーン』は目立ち過ぎるしな……
ここで『第一の爆弾』や『第二の爆弾』を使えばこの後馬鹿髪飾りの機関に引っ張られてしまうかもしれない)
吉良「それで、私に何か?」
犯罪者「聞こえなかったか? 俺はテメーみてぇなスカしたヤローが大嫌いなんだよ!!
そうだなぁ……まず、土下座しろよ」
吉良「……一応聞くが、なんで私が土下座しないといけないのかな?
私は君に迷惑をかけたかな? 迷惑をかけているのは現在進行形でそちらの方だと思うんだが」
犯罪者「あっあ~、いいのかそんな事言って……『燃やすぞ』?」
吉良「……」
犯罪者「理由が欲しいか? じゃあ、そうだな。『俺の前にスカしたスーツで立ってた罪』だ。
ほら、さっさと土下座しろォォ――――!!!」
吉良「…………『やめ』だ」
犯罪者「あぁ?」
吉良「見ていて一つ気付いた事があるんだ。君、いつも『右手』を前に出して炎を放っていたね。
もし右手が使えなかったらどうなるのかな」
犯罪者「テメー、ゴチャゴチャ言ってんじゃッ!!」
ボキッ!
犯罪者「……へ?」
9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 18:29:45.78 ID:5sFu3okd0
吉良(『キラー・クイーン』を使わずに切り抜けるのはやめだ。こんなゴミクズみたいな男の言いなりになる義務が何処にある。
運がいいのか悪いのか、ここは本当に『超能力都市』のようだ……誰も突然現れる炎を見て悲鳴すらあげていないんだからな。
爆破能力を使わなくても殴ればいい。発火能力(パイロキネシス)があるなら念力(テレキネシス)だって存在するはずだ。
いざとなればそれで押し通す。疑われたら……その時は、『その時』だ)
犯罪者「なァァァ――――――!?」
吉良「さて、聞かせてもらおうか。どうなるのかな?」
犯罪者「なにしやがんだテメ」
ボキッ!!
犯罪者「ぐあああああああああああああ、ああ、ええええええええええええ!!?」
吉良「左手を構えるってことは左手でも撃てるのか。それじゃあ両手が折れたらどうするんだ? 口からか、足からか、いや尻から出すってのも面白いかもな」
犯罪者「な、え、なぁッ!? え、嘘、え!?」
初春「あ、あ、ああああ……」
初春(『念動力』使い……しかも腕を折るほどの強度の力をいともたやすく……)
吉良「さて、どうするね? お望みとあらばその馬鹿面が誰の顔か判断できなくなるまでブチ込んでやってもいいが……今日の私は少々機嫌が良くてね」
犯罪者「じゃ、じゃあ、た、た、助けてくれますよね!? ほら、俺もう両腕使えませんし!! なんなら土下座でも何でもしますから!!」
吉良「……」
犯罪者「え、えへへ」
13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 18:36:23.46 ID:5sFu3okd0
ボガァッ!!
犯罪者「げぴっ!」
吉良「一撃で許してやる」
犯罪者「そ、そんにゃ……」
吉良「さて、と。これでもう私に用はないかな?」
吉良(……しかし、『学園都市の超能力者』と『スタンド使い』は別種の『超能力』を操っているのか?
この馬鹿面は能力を使った時私の背後にいた『キラー・クイーン』ではなく、私を見ていた。
つまり、『スタンドが見える』『スタンド像が存在する』という『スタンド使いの原則』から外れているものが『超能力』であり『超能力者』……
表に出た甲斐があったな、これが真実なら、大きな収穫だ)
初春「あ、あの!!」
吉良(さて、ここからの問題は『どうやって杜王町に帰るか』……そして『杜王町に帰れないならどうするか』……
……考えるべきは後者からだろうな。今この『川尻浩作』の顔で杜王町に帰れば東方仗助達に見つかる可能性が高い)
初春「あの!!!」
吉良「……なんだ」
初春「ひ、え、えっと……ありがとうございました、えっと、でも、あなたほどの実力者なら何も両腕を折らなくても……」
吉良「……私だって不本意ながらやったにすぎない。炭ッカスにはなりたくないからね。
もっとも、ジャッジメントさんが彼を取り押さえられていれば私も実力行使なんてしなかっただろうが」
初春「うう……」
16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 18:42:28.29 ID:5sFu3okd0
吉良「それじゃあ私はこれで」
初春「あ、あの」
・ ・ ・ ・ ・ ・
初春「……行っちゃった……」
黒子「ジャッジメントですの! ってあら、もう終わってましたの? 通報を聞いてすぐに駆けつけましたのに。
……あら、初春、このお方は?」
初春「えっと、銀行強盗さん……でした」
黒子「あらあらまぁまぁ、両腕とも見事にグチャグチャですわね。初春いつの間にこんな荒業を?
もしや佐天さん対策で何か格闘技を始めた、とかですの?」
初春「え、いや、えっと……スーツを着た男の人が……」
黒子「……ふむ。その話、詳しく教えていただいてもよろしいかしら?」
―――
吉良「ホテルに泊まるには手持ちが少ないし、かといって野宿は嫌だし……さて、どうしたものかな……」
常盤台生徒A「でさー」
常盤台生徒B「ふんふん」
吉良「……」
18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 18:49:05.82 ID:5sFu3okd0
吉良「……そう言えば、何か懐が軽いと思ったらいつの間にか『彼女』が居なくなってるじゃないか……成程、イライラするワケだ」
吉良「私の精神的安定のためにも、『彼女』は欲しいなぁ……住む場所が見つかったら、綺麗な『女性』を『デート』に誘うのもいいかもしれない」
吉良「いや、住む場所だけじゃあないな、仕事も探さなきゃあいけない。これからは結構忙しくなるかもしれないな」
――― 二週間後
黒子「行方不明者……ですの?」
固法「そう、ほとんど女性のね」
黒子「はぁー、どうせプチ家出~とかそんなんじゃあありませんの?」
初春「最近流行ってますもんね」
固法「この二週間で中高生五人に大学生三人、教育機関で働く研究者が三人。
ほとんどが『買い物へ行く』『散歩に行く』なんてちょっと出かける用事で帰ってこないらしいわ」
黒子「……旅行という可能性は?」
固法「財布を持たずに旅行ができるって言うんなら旅行かもね」
初春「……それじゃあ行方不明というより」
固法「蒸発……純和風に言うなら『神隠し』って所かしら?」
黒子「被害者がほとんど女性だなんて、さぞかしいやらしい犯人さんなのでしょうねぇ」
20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 18:53:00.44 ID:+PYENF+50
面白い……面白いじゃあないか……
21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 18:54:33.38 ID:LE0pdwUj0
植物のような平穏な~とか言っても結局自分で種まいてんだよな~
23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 18:57:10.47 ID:+PYENF+50
>>21
こんな性癖持ってるからこそ平穏に暮らしたいと願うんだろ
22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 18:54:53.14 ID:GzlI4h940
2週間で11人とは吉良さんお盛んだな
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B007EJ6UK4/horiz-22/
24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 18:57:20.57 ID:5sFu3okd0
吉良(……やはり、高いけど防腐剤を買うべきかな。『臭い』だすのが杜王町に住んでいる時よりも速い……)
吉良「ははは、ごめんよ。そんなにむくれないでくれ。愛してるよ」
吉良(学園都市はM県よりも南にあるし、やはり腐りやすいんだろうなぁ)
美琴「見つけたわよ!!」
上条「あぁ? なんだビリビリ中学生じゃねーか」
美琴「アンタねぇ……あたしには! 御坂美琴って名前があんのよ!!」
吉良「まったく……せっかくの逢引き中だって言うのに空気の読めない奴もいたもんだ。
あっちに行こう、おいしそうなケーキ屋さんを見つけたんだ。君の……君の名前はなんだったかな?
まぁいい。君の好きだった苺のショートケーキのおいしいお店だよ……フフフ」
ドンッ!
上条「のわっ!! だ、大丈夫ですか?」
吉良「ん? ああ、私『達』の方はね……君は?」
上条「ああ、大丈夫です! って来た来た来た来たあああああああ!!!!」
バチバチバチバチィィィッ!!!
美琴「待てこらああああああああああああ!!!!」
吉良「……騒々しい。だから私はガキが嫌いなんだよ。分かってくれるかな?」
27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 19:03:25.58 ID:5sFu3okd0
―――
佐天「へー、そんな事件がねぇ」
初春「佐天さんも気を付けてくださいね? 女の子なんですから!」
佐天「しっかし、それって『風紀委員』が動くような事件なの? 聞いた感じじゃあ家出の時期が被っただけのような気もするんだけど」
初春「それがそうでもないんですよ」
佐天「んー? どゆこと?」
初春「『消える』んですよ。この世から。
本人だけじゃなく、身につけていた物も、一緒にいた人間すらも、あとかたもなく消えるんです」
佐天「……そんだけ強い能力者ならバンクに乗ってるんじゃないの?」
初春「それが無いんですよね、不思議な事に」
佐天「しっかし女だけを狙うなんて大胆な犯行だね……連れてかれちゃった子はどうなるんだろうねぇ~、うーいーはぁるー」
わしゃわしゃ
初春「…………これは私の勘なんですけど」
佐天「うん?」
わしゃわしゃ
初春「……消えた人たちは、おそらくもう―――」
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 19:09:45.35 ID:5sFu3okd0
―――
吉良「なかなか綺麗なお店だろう。もしまた君と行く機会があったら……ん?」
初春「『消える』んですよ。この世から」
吉良「……あのド派手な髪飾り、あの時のジャッジメントか。
物騒な話をしているが……」
初春「本人だけじゃなく、身につけていた物も、一緒にいた人間も、あとかたもなく消えるんです」
吉良(……まさか、私の話か? ジャッジメント……どれほどの存在かと思ったが……
少なくともS市の警察よりは優秀みたいだ。これは少し『彼女探し』の方法を考えなきゃあいけないな)
初春「……消えた人たちは、おそらくもう―――殺されてると思います」
佐天「えぇ!? どうして?」
初春「まず考えられるのが人身売買の線ですけど、これは有り得ない。そういう機関があったらとっくに潰されてますしね。
個人的な監禁の線もない。十数人を監禁出来るような場所なんてそうそう無いし、被害者に目立った共通点も無い。
そうなったら、考えられるのは最近能力に目覚めた快楽殺人能力者の犯行としか……」
吉良(へぇ……無能なボンクラかと思ったが、頭のお花畑は飾りじゃないって事か……
まぁ、『手が綺麗』って共通点がある事にはあるんだがな)
佐天「快楽殺人能力者って……そりゃ怖いわ。能力の情報とかはないの?」
初春「それが全く……さっき言ったみたいにバンクをひっくり返しても該当するような能力が存在しないんですよ」
佐天「ふむふむ、全くわけがわかりませんなぁ」
33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 19:15:32.92 ID:5sFu3okd0
吉良(バンク? 能力者は『管理』されてるって事か?)
初春「それに……あ」
吉良「ん?」
初春「あなたはこの前の!」
佐天「あら、初春知り合い?」
初春「この前危ない所を助けてもらったおじさんです! 先日はどうも」
吉良「ああ……誰かと思えばあの時のジャッジメントさんか」
初春「この人はですね、もの凄く強い『念動力』使いなんですよ」
吉良(……どうやら上手い事勘違いしてくれてるみたいだな。良かった……
しばらく挨拶程度のやり取りをしたらケーキを買わずにとっとと帰ろう。『彼女』には悪いが)
佐天「へぇー、大人の超能力者って私初めて見た。ちなみにレベルはどれくらいなんですか?」
吉良「……レベル?」
佐天「へ? やだなぁ、レベルですよ。どれくらいなんですか?」
吉良(レベル……この都市では『超能力者』をレベル別に分類してるのか……
しかし困ったな……そのレベルってのは五段階なのか、十段階か、さすがに多いだろうが百ってのもあり得る……五段階として低目につけて百段階だったりしたら目も当てられないし……)
吉良「……レベル7だ」
37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 19:20:37.70 ID:X0yixiK0P
ワロタwwwwwwwwwwww
38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 19:22:30.59 ID:5sFu3okd0
佐天「な、7ッ!? ってソレ神の意志どころか神超えた存在じゃないですか!!」
吉良(しくじった、五段階くらいか!? どうする……どうすればいい……)
初春「やだなぁ佐天さん、からかわれてるんですよ。でも結構なレベルですよね?」
吉良「……3だ」
佐天「なんだ、からかわれてたのか。はぁ……でもいいなぁ、レベル3かぁ……」
吉良「君達は?」
佐天「レベル0ですよ、能力の片鱗も全くなしの無能力者でーす」
初春「私はレベル1の『保温』能力者です」
吉良(レベル0か……いくら能力者を重点的に集めたといってもやはり無能力者もいるんだな。
気になるのは髪飾り、ウイハルと呼ばれていたか? こいつの保温能力ってのがなんなのかだな)
吉良「レベル0か、それは残念だ。しかし、『保温』能力ってのはどんなもんなんだ?」
初春「あ、まぁ一般的じゃないですもんね。……えっと、魔法瓶みたいなものだと思ってください」
吉良(魔法瓶……想像以上のカス能力だな。成程、一般人を助けられないはずだ)
初春「そうだ! えっと、おじさん!! この前のお礼をさせてください!!」
吉良(……こいつ……なんど私をおじさんと呼べば気が済むんだ……私はまだ三十過ぎたばかりだぞ……)
41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 19:29:32.50 ID:5sFu3okd0
初春「おじさんもこのお店のケーキを食べに来てるんですよね?」
吉良「……いや、私は『彼女』の分のケーキを買おうと思って」
佐天「あらら、残念だったね初春。彼女持ちだってさ」
初春「へ!? え、な、何を、そんなんじゃないですって!!」
佐天「初春ってば顔真っ赤にしちゃって可愛いの~」
初春「うぅ~~~……」
ポカポカ
佐天「アハハ、ごめんごめん」
吉良(……何をやってるんだこの二人、脳ミソが溶けてるのか? ……しかし)
吉良(この前は気付かなかったが、この初春の指、結構綺麗に手入れしてある……
最近のバカな若い奴に多い頭の悪そうなネイルアートや『私は馬鹿です』と言って回るようなド派手なマニキュアも着けてない。
『爪』も綺麗に切りそろえられている……『手荒れ』もしてない……
細くて、白くて、綺麗な手だ…………今の『彼女』と別れたらコイツに『彼女』になってもらうのも悪くないかもしれないな)
初春「え、えっとですね! お礼といってはなんですけど、ケーキいかがですか?」
吉良「……学生に奢ってもらうほど金銭的に不自由はしてないんだが」
初春「いえいえ! そんなんじゃなくて、純粋にお礼をしたいだけなんです!!」
43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 19:31:19.20 ID:QWcr8iF/0
4部が読みたくなるスレだな
44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 19:35:47.37 ID:5sFu3okd0
―――
佐天「いやー、おいしかったねぇ」
初春「ですね。今度は皆で来ましょうか」
吉良「……」
吉良(こいつら……いつまで私について来る気だ……)
初春「そういえば川尻さんは営業とかいいんですか?」
佐天「初春。男の人にはどうしても女の人にプレゼントを贈らなきゃいけない時って言うのがあるのよ」
吉良「……まぁそんな所だ」
初春「あははは、川尻さんの恋人は幸せですね」
吉良(このままじゃあラチがあかないな……とっとと切り上げさせてもらおう)
吉良「じゃあ私はこの辺で……」
佐天「お、ねぇねぇ初春、あれ白井さんじゃない?」
初春「あ、ホントだ! 固法先輩も一緒って言う事は、また何かあったんですかね?
白井さーん!!」
黒子「あらあら、初春に佐天さん。こんな所でばったり出くわすとは奇遇ですわねぇ。そちらの男性は?」
吉良(……『女』、また『女』か。クソッ、いつまで私に付きまとう気だこいつらッ!!)
46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 19:41:02.16 ID:5sFu3okd0
黒子「もしかして援助交際ですの? だとしたら連行させていただきますけど」
初春「やだなぁ~、そんなワケないじゃないですか」
佐天「そうそう! 終始顔真っ赤にして川尻さんを見てた初春はともかく私はそんなの」
初春「さ、佐天さん!」
固法「へぇ……初春さん、年上趣味だったのね」
黒子「初春は頼れる男の人が好きそうですものねぇ」
初春「だから違うんですってばぁ~~!!!」
吉良(ピーチクパーチク五月蠅い奴らだ。女ってのはどうしてこう無駄におしゃべりなんだ。
……そんな顔しないでくれ。私は静かな『君』が大好きだよ……ふふ)
固法(……今、あの人笑った? ……いや、そうじゃない。今、あの人、『何処を見て』笑った……?)
初春「川尻さんもなんとか言ってくださいよー!」
吉良「……私はそろそろ帰りたいんだがなぁ」
初春「あ、ご、ごめんなさい!!」
黒子「でしたら私と先輩も見回りがありますので。では参りましょうか、先輩」
固法「え? あ、ああ。そうね」
48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 19:47:42.10 ID:5sFu3okd0
吉良(見回り……この二人もジャッジメントか?
いや、それよりも気になるのはあのコノリとか呼ばれていた女……先ほどから私を見ている……
いやな予感がするな……ここはひとつ探りを入れて見るか)
固法(胸ポケット、いやその奥の内ポケット? 何か隠し持ってるの?)
吉良「見回り、ってことはこの人達もジャッジメントなのかな?」
初春「はい! こっちは私の友達で白井黒子さん、そしてあちらが固法美偉先輩。
二人ともすごい能力者なんですよ」
吉良「へぇ、若いのに凄いんだな」
黒子「いえいえ、私などまだまだですわ。私のお姉さまなんて学園都市に七人しか居ないレベル5ですのよ!」
吉良「お姉さま、ねぇ。姉妹揃って能力者なんてのも居るのか」
黒子「違いますわ。お姉さまは私のお姉さまであってそういった意味のお姉さまではございませんの。
もっとも、そういう関係になれるのならばなりたいですけど……むふふ」
吉良(言ってる意味が分からない……イカれてやがるな)
黒子「あぁ、なんだか無性にお姉さまに会いたくなってきましたの!!」
吉良(コイツは放っておいた方がよさそうだな。目下の問題は……)
固法「……」
吉良(……やはりこいつだ)
49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 19:53:21.39 ID:5sFu3okd0
固法(これは『覗いて』見た方が良さそうね……まぁ恋人の写真かなんかなんでしょうけど)
吉良(……アイツの視線、私じゃない。私のコートの中、『彼女』を『見』ようとしているのか?
成程超能力都市だ。透視能力を持ってる奴がいたって不思議じゃあない……
もし本当にこのコノリが透視能力者で、今『彼女』を見られれば、少々厄介だな……)
吉良「感心しないな。断りもなく人のポケットの『中身』を見ようとするなんて」
固法「ッ!?」
佐天「え?」
黒子「ポケットの中身って……」
吉良「おや、違ったかな……『コノリミイ』」
固法(気付かれていた……なんて勘の鋭い人……その上、顔色一つ変えずにその事について触れてきた)
固法「……そんな事『する』わけないじゃないですか」
吉良「……そうか、それならいいんだが」
吉良(今の回答で分かる事は二つ。
『コノリミイは透視能力を持っている』事……持っていないなら『するわけ』じゃなく『出来るわけ』と言う筈だ……
そして、『コノリミイはこういった駆け引きには慣れていない』という事……
いくら予想外の反応を相手が返したからといって、そこで反応を返したらそこで終わりだ……)
吉良(しかしコイツの能力は『脅威』だ。遅かれ早かれ、いや、コイツは早めに『消して』おく必要があるな)
┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”
52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 20:00:00.89 ID:5sFu3okd0
吉良「それじゃあ私は帰らしてもらおうかな……これ以上表にいたらこのケーキも腐ってしまう」
初春「あ、はい! じゃあ佐天さん、私たちも帰りましょうか」
黒子「そういう事なら私たちも見回りに戻りましょうか、先輩」
固法「え、ああ。そうね」
┣”┣”┣”┣”┣”┣”
固法(何かを隠してるとかそんな問題じゃない……
今、私に対して話しかけた川尻って人の目には、静かでほんのわずかだけど、確かに存在していた……犯罪者の目に籠っている、ドス黒い『悪意』が……
何かの証拠があるわけじゃない。でも、私の『風紀委員』としての勘が言ってる……この男は『黒』!!
悪いけど、その胸ポケットの奥……見させていただくわ)
┣”┣”┣”┣”┣”┣”
固法「……ッ!?」
吉良(今……『見た』か。何もせずに大人しく帰っていれば見逃してやらんこともなかったというのに…………やれやれ、その内じゃあなく今すぐに『始末』するしかないじゃないか)
固法(て、手首……この川尻って人、何を!? まさか、例の『連続蒸発事件』に、何か関係が!?)
黒子「それでは私は先に行ってますわね」
ヒュン!
吉良(ほう、瞬間移動か。脳内お花畑の初春飾利の仲間とは思えない優秀な能力だな……)
固法(しまったッ! 私一人じゃあこの男を捕まえられるかどうか……
初春さんの話じゃあ、この川尻って人は高レベルの『念動力』使い……返り討ちにされる可能性もある……)
吉良(さて、いい感じに黒井……白井? あの『ですの』女も居なくなった)
59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 20:06:09.75 ID:5sFu3okd0
佐天「よし、そんじゃあ川尻さん。彼女さんに初春愛人化計画についてよろしく言っといてください!」
初春「もう、佐天さん!! そ、それじゃあ川尻さん」
吉良「ああ……じゃあな」
┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”
吉良「……」
固法(……どうする、白井さんを呼び戻そうか……ダメ、連絡しようとすればこの男も動く……)
吉良「――――――君は」
固法「……はい?」
吉良「君は見回りに行かなくていいのか?」
固法「あ、ええ。じゃあ、これで……」
吉良「ああ、じゃあ……『また今度』」
┣”┣”┣”┣”┣”┣”
固法「……ええ、『また今度』」
┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”
ダダダダダダダッ!!
固法(今は時間を稼ぐしかないッ! 時間を稼いで、白井さんと連絡を取って、あの男を捕まえなきゃあ……私も『蒸発』することになるッ!!)
62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 20:13:09.69 ID:5sFu3okd0
―――
固法「……はぁッ……はぁッ……!! ここなら、追いつかれても……!!」
ピピポパポピピ
trrrrrrrrr…… trrrrrrrrrrrr……
固法(お願い、はやく、はやくッ!!)
カツッ……カツッ……
固法「ッ!?」
┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”
吉良「誰に電話をかけてるのか……さっきの『ですの』か、それとも別のジャッジメントのお仲間か……そんな事は知らないが……
放ってはおけないな……この胸ポケットの秘密を『見た』可能性があるんだから」
trrrrrrrrr…… trrrrrrrrrrrr……
固法「……もう、追いついて……!?」
┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”
吉良「『またあとで』の方が良かったかな、さっきの別れの挨拶は。どう思う、コノリミイ?」
固法「……」
63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 20:13:50.84 ID:5sFu3okd0
吉良「その反応、どうやらやはり『見て』いたようだな……悪いが……『始末』させてもらう」
67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 20:19:58.94 ID:5sFu3okd0
固法「……私が、何の考えも無しに、逃げて、たとでも?」
吉良「おや、違うのかな? そんな息を切らすまで走って、慌てて携帯で連絡を取っているからそうなんじゃあないかと思ったが」
固法「『風紀委員』です! 勝手にではありますがポケットの中を見せていただきました。貴方を『連続蒸発事件』の重要参考人として連行させていただきます! 今すぐに無駄な抵抗をやめなさい!!」
吉良「無駄な抵抗はどっちの事かな? 何が君にそんな自信を与えているのかは知らないが……そのなけなしの自信ごとこの場で消えてもらおう」
trrrrrrrr pi!
黒子{もしもし、白井黒子ですの}
固法「し、白井さんッ!?」
黒子{あら、先輩? 私はもう現場に……}
シュッ
固法「へっ、石……」
ドゴォォォォオオオオオオオオオオオオン!!!!
固法「……ッ、あ、ああああ、あああああああああ!!!!」
吉良「やれやれ困った子だ。でも、携帯電話が無ければ助けも呼べないだろう?」
固法「て、手が……手ッ、な、なんで……」
吉良「もっとも、携帯電話があってもそれを使う右手がフッ飛んでしまってはどうしようもない、かな」
73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 20:26:29.23 ID:5sFu3okd0
固法「く、これ、『念動力』じゃあない……血がッ、嘘、うう、なんで……」
吉良「さて、今日はこの後まだやることがあるんだ。さっさと終わらせてもらうぞ」
固法「……ふ、ふふ」
吉良「どうした、気でも触れたか?」
固法「言ったでしょ、私が何の考えも無しに、逃げてると思ったかって。
バッチリ映ってるわ、今の能力も、貴方の顔も……監視カメラに、ね」
吉良「……ふぅん」
固法「貴方はもう逃げられない、風紀委員が、私の仲間が、必ず、貴方を」
吉良「逆に聞くが」
固法「……捕まえ」
吉良「私が『何の考えも無しに追いかけて来ていた』と思っていたか?」
固法「……え」
┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”
吉良「君の言っている『監視カメラ』って言うのは、コレの事だろう?」
┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”
固法「う、嘘……どうして、監視カメラが、貴方の手の中に……!?」
79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 20:33:41.87 ID:5sFu3okd0
吉良「逃げる奴の考える事なんてそんなもんだろうと思って、君が必死に電話のボタンを押していた時に私の『傍に立つ者』に回収してもらっておいたのさ。
もっとも、こう説明した所で君も……『居なくなった彼女たち』と同じように、『彼女』を『見る』事すら叶わないんだろうがな」
固法(そんな、有り得ない……『重複能力』!? いや、この際そんな事は関係ない……
このままじゃ、誰にもこの男の事を伝えられずに、殺されるッ!)
ダダダダダダッ!!
吉良「……追い詰められての自己防衛本能からか、それとも別の監視カメラに私を映すためか……
どっちにしろ、深追いすればこっちにも身元がばれる危険が生じるな」
吉良「ここは」
キュルキュルキュルキュル
吉良「誰にも見えない『コイツ』に任せて私はとっとと帰らせてもらおう」
―――
黒子「先輩! 先輩!?」
黒子「さっきの電話の切れ方は普通じゃない……先輩、何が起こってるんですの!?」
―――
固法「ハァー……ハァー……ぐ、うぅ、逃げ、なきゃ……」
キュルキュルキュルキュル
固法「へ?」
85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 20:40:24.30 ID:5sFu3okd0
キュルキュルキュルキュル
固法「なに……何の音……?」
コッチヲ見ロォォ~~~……
固法「……何か、居る!?」
コッチヲ見ロォォォォォヲヲヲヲヲ
固法(や、ヤバい、まさか、これもあの男の……)
カチッ
固法「逃げ切れな」
ドゴォォォォ―――――――――ン!!
―――
美琴「クソッ、逃げられた! あのツンツン頭、今度会ったら電撃を」
ドゴォォォォ―――――――――ン!!
美琴「な、何今の!?」
美琴(大きな音→能力者が暴走!→危険が危ない()状態!)
美琴「……よっしゃああああああ!!!」
89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 20:47:09.77 ID:5sFu3okd0
美琴「こっちぃ!! ……って、あれ……」
固法「が、ああああ、ぐっ、足が……」
美琴「固法先輩!! 何を……」
固法「ぐ……ここから離れてェェェェ―――――!!!」
美琴「へ?」
コッチヲ見ロッツッテンダロォォォ!!
ドゴォォン!!
固法「ぐ、ああ……!!!」
美琴「爆発ッ!? って、固法先輩、腕と足が!!」
コッチヲ見ロォォォ~~~~
美琴(……何かいるッ!!)
美琴「何が居るかは知らないけど……この爆発の元凶がその『何か』って事は分かるわ!!」
ビリビリビリビリビリビリビリビリィィィッ!!!
ドゴォォォオオオン!!
美琴「やった!」
99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 20:54:21.67 ID:5sFu3okd0
今ノハ人間ジャアネェ~~~! コッチヲ見ロォォォ~~~!!
美琴「まだ居たッ!?」
バチィッ!!
ドカァァン!
美琴「ッどうだ!!」
グググ、今ノモ違ウゥゥウウウ!!
美琴「まだ居るのッ!? この、さっさと消し飛べぇぇぇ――――!!!」
ビリビリビリビリビリビリビリビリィィィ―――――!!!!
ドグォォォオオオオオオオオオオオオオオオン!!
グググ……
美琴「もしかして、この爆発する『何か』と電撃って相性最悪? ってそれよりも早くしないと固法さんが……
でもこの喋る『何か』連れて街中に出るわけにもいかない……」
コッチヲ見ロオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!
美琴「こんのおおおおおおおおおおお!!!!」
ビリビリィッ!!
美琴「見えない爆弾相手に『超電磁砲』や『砂鉄剣』は自滅しに行くようなもんだし……
……そうだ、黒子! 黒子ならなんとか出来るかも!」
100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 20:55:49.14 ID:Jxv0upBj0
これは良スレ
101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 20:57:15.95 ID:QWcr8iF/0
やっぱキラークイーンはチート過ぎるな
107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 21:01:10.23 ID:Jxv0upBj0
チートすぎて原作でどう対処したのか忘れちったな
原作でも完全には倒せなかったんだっけ
109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 21:02:46.09 ID:2lJiwikS0
>>107
Act3で動けなくするか、爆弾に変わる前に治すぐらい
ザ・ハンドでもいけそう
三部にいたら無双してたな
115:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 21:05:42.89 ID:RkMlnw2n0
>>109
三部勢でシアーハートアタックに勝てるのがクリームくらいしか思いつかない。
まあ機転を利かせてどうとでもしちゃうんだろうけど。
108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 21:01:50.69 ID:5sFu3okd0
美琴「えっと、携帯携帯ぃぃ!!」
グググググ……コッチヲ
美琴「うっさい!!」
バチバチィッ!!
ドゴォン!
美琴「あった! えーっと、黒子黒子……」
ピピピ
trrrrrrrr……
黒子{はいお姉さま!}
美琴「今すぐ私の所に来て!!」
黒子{え、えっと……実は今}
美琴「固法先輩が死にそうなのよ!! 早く!!」
黒子{先輩ッ!? 了解しましたわ!!} ブチッ!
美琴「あンの馬鹿黒子、場所も聞かずに……」
コッチヲ……
美琴「黙れ!」
ドゴォン!
120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 21:06:43.63 ID:5sFu3okd0
美琴(……爆発がだんだん近づいてきてる……このままじゃあさすがの私もちょっぴり危ないかも)
コッチヲ見ロォォォ~~~~
美琴「ったく、しつこいッ!!!」
ビリビリィッ!!
ドガァァァ―――ン!!
マダマダァァァァァァ~~~~!!!
美琴(嘘、復活が早い! このままじゃあ爆発の射程内に)
ヒュンッ! ガシッ
ヒュンッ!
黒子「無事ですの!? お姉さま!!」
美琴「黒子! あんた、どうしてここが……」
黒子「お姉さまの居場所ならばこのGPSで二十四時間いつでも分かるようになっておりますの!! これすなわち、愛の勝利!!」
美琴「それ後で没収ね」
黒子「あぁん、お姉さまのイケズぅ~」
美琴「ともかく今は現状打破! 見えない自動追尾爆弾と固法先輩が先決!!」
黒子「了解ですの!」
127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 21:12:54.56 ID:5sFu3okd0
黒子「それで、見えない自動追尾爆弾って言うのは?」
コッチヲ見ロォォォ~~~~~
美琴「今の声がそれ、よッ!!」
バチバチバチィィ!!
ドゴォォン!!
コッチヲ見ロッテイッテルダロウガァァァァ……
美琴「……と、何度やってもこの通りなのよ。なんとかできない? 黒子」
黒子「まぁ、この手の能力なら私の出番ですわねぇ。お姉さま、もう一度今の爆弾を爆発させてくださいまし」
ギャリリリリリリィ!!
コッチヲ見ロォォヲヲヲヲヲヲ!!!
美琴「行くわよォォォ――――!!!!」
ドガッシャァァァ――――ン!!
ドガァァァン!!
黒子「さて、位置がつかめればこっちのものですの!」
コッチヲ……
黒子「好きなだけ爆発を繰り返しなさい」
ヒュンッ!!
黒子「ただし、『地下80mで』ですけどね」
130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 21:14:01.92 ID:+PYENF+50
うまいな
133:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 21:14:29.40 ID:6vupUixcO
触んなきゃいけないんじゃなかったっけ
137:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 21:15:18.24 ID:Iluas3kP0
触れるのか
140:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 21:16:35.22 ID:5sFu3okd0
>>137
ムカデ屋の親父の時も肩に乗って数秒後に爆発だったし、いいよね
147:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 21:19:00.56 ID:5sFu3okd0
黒子「さて、これで問題1は解決。 それで、お姉さま、固法先輩は……」
美琴「そう!! 重症なのよ!! 早く病院に!!!」
黒子「こ、これは酷い……行きますわよ、お姉さま!!」
ヒュンッ!!
―――
吉良「……?」
吉良(シアーハートアタックの爆発が止んだ……だけじゃない……シアーハートアタックとの距離が一気に離れたな……瞬間移動……『ですの』か?
広瀬康一の時のように『身動きが取れない』わけじゃないみたいだが……やれやれ、『左手』を回収しに行かなきゃあいけないな。固法美偉は死んでいるだろうが……『ですの』も要注意か)
吉良「悪いね、今日はあわただしくしちゃって。明日埋め合わせをするから許してくれ」
吉良「ふふふ、君なら分かってくれると思ったよ」
―――
初春「~~♪」
佐天(あれから妙に機嫌がいいのよねぇ~。初春ってばもしかしてホントに川尻さんの事……)
初春「どうです、佐天さん! これ私に似合うと思いますか?」
佐天「私はこっちのくまさんパンツの方が……」
初春「パンツじゃなくて服です!!」
162:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 21:24:58.72 ID:5sFu3okd0
カエル医師「いやぁ、まいったまいった」
美琴(リアルゲコ太!!)
黒子「あの、先輩は……」
カエル医師「なんとか一命は取り留めたよ。 腕も足も繋がるはずだ。
意識が戻るまではけっこう時間がかかるかもしれないけどね?」
黒子「……良かった……」
カエル医師「しかし、何があったんだい、あれは普通の怪我じゃあないよ?」
黒子「えっと、それは……」
美琴「……見つけた時にはあの状態だったんです」
カエル医師「そうかい。それじゃあ、何か分かった事があったら教えてね?」
黒子「分かりましたわ」
―――
黒子「やっぱり意識は戻ってないみたいですわね」
美琴「そりゃあそうよ、あれだけの怪我だもの」
黒子「ええまったく。生きているのが奇跡としか言いようがない怪我でしたものね」
美琴「間にあって本当に良かった……」
164:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 21:28:31.14 ID:GLgAjqmm0
よかった、よかったよぉ…
165:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 21:29:25.50 ID:TJ3Q41eu0
貴重なおっぱいだしな
167:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 21:30:50.02 ID:5sFu3okd0
美琴「にしてもなんだったのかしらあの爆弾……黒子、何か知ってる?」
黒子「いえ、全く……これから一応バンクの情報を確認してみる予定ですけれど、あんな能力見た事も聞いた事もありませんし……」
美琴「まったく新しい能力ねぇ……『陽気な爆弾』でどうかしら?」
黒子「ふんふん、結構いい名前ですわねぇ。でも……能力者は一体何のために固法先輩を……」
美琴「通り魔的な犯行なのか、それとも私怨なのか」
黒子「……もしかすると、『キラークイーン』かも知れませんわね」
美琴「『キラークイーン』?」
黒子「最近世間を騒がせている連続婦女失踪事件の鍵を握っているだろう人物の事です。
女性ばかりを狙っていることから『殺戮の女王(キラークイーン)』と呼んでいますの」
美琴「……へぇ、そんな奴が……」
黒子「……お姉さま、もしかしてまた『面白そう』とか思ってるんじゃあ……」
美琴「や、やだなぁ、そんなワケないじゃないの!」
黒子「まったく、被害者のうちにはレベル4の被害者も居るんですから、お姉さまも気を付けていただかないと困りますわ」
美琴「レベル4の被害者って……ソートーな能力者じゃないの?」
黒子「ええ、有名な人もちらほら。そんな強い能力を持った女性すらも『失踪』させる……ですから、『殺戮の女王』事件、と」
172:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 21:36:28.16 ID:5sFu3okd0
とある科学の超電磁砲 X話 『殺戮の女王(キラー・クイーン)』
・吉良 吉影
SHA回収後、新しい『彼女』と付き合い始める。
SHAの一件から『ですの』(白井黒子)を敵と判断。始末を決意。
固法の死亡確認をしたいが、今は身を潜めておく。
初春の手は綺麗だったな………………ふぅ。
・御坂 美琴
『キラー・クイーン』について今分かっている情報を黒子から聞きだした。
・白井 黒子
情報交換の後にGPSを没収されビリビリされた。
・初春 飾利
川尻浩作(吉良)の事がちょっと気になる。
・佐天 涙子
自分のおもちゃ(初春)を川尻浩作(吉良)に取られた気がしてちょっと癪。
でも川尻浩作の事が嫌いなわけじゃあない。
/└────────┬┐
< To Be Continued... | |
\┌────────┴┘
175:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 21:37:54.11 ID:5sFu3okd0
―――― 固法 美偉 意識不明の重体……
しかし再起は可能………………?
192:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 21:47:43.39 ID:5sFu3okd0
吉良「……」
女学生A「でね、どうもその『キラークイーン』がね」
女学生B「へぇ~」
吉良(……流石超能力都市というべきか……事態の把握が早いな。
とはいえ、容疑者はこの学園に居るほぼすべての能力者。『私』に辿り着ける者は居ない……
フフフ、この都市、落ち着きはないが……私が暮らして行くのには丁度いいかもしれないな……)
吉良(気になるのは固法美偉……あの場所にあった爆発の後は、手負いの固法美偉を殺すだけにしては『多すぎる』。
『何が起こった』、あの場所で。
シアーハートアタックがきちんと殺せているのならいいが……もしもこの都市に『東方仗助』のような回復能力者が居るとしたら……)
女学生B「じゃあ、その『キラークイーン』って」
女学生A「うん」
吉良(……にしても、やはり心安らかな物じゃあないな。誰も真相には辿り着いていないとはいえ、スタンド名を連呼されるっていうのは……)
吉良(もっと別の呼び名を流行らせる必要があるな……どんな名前がいいだろうか。
……『女殺し』だと意味合いが違ってくるしなぁ)
ドン
美琴「あ、ごめんなさい」
吉良「いやいや、こちらこそ」
吉良(……固法美偉については、急を要する。街中で『ですの』や初春飾利たちに会ったら……
いや、あの三人の誰かと出来れば今日中になんとか『偶然出会って』『それとなく聞き出す』しかないだろう)
194:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 21:49:10.05 ID:/B8WdnqZ0
四部のあのすれ違いのシーンを思い出すな
195:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 21:49:21.18 ID:Jxv0upBj0
細かいとこがうまいなあ
198:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 21:52:57.21 ID:5sFu3okd0
黒子「お」 ヒュン!
黒子「ね」 ヒュン!
黒子「え」 ヒュン!
黒子「さ」 ヒュン!
黒子「まぁぁぁぁ~~~~~!!!!」
美琴「ふん!」
べしっ
黒子「きゃん!!」
美琴「で、どうかした? 黒子」
黒子「あぁ、お姉さまぁ……お姉さまの手痛い歓迎で、黒子何かに目覚めそう……」
美琴「一生眠らせとけ!」
べしっ
黒子「あいたっ!」
吉良(……ん? ……あそこで馬鹿騒ぎをしているの、『ですの』じゃあないか……
渡りに船……あの『お姉さま』と呼ばれていた女が居ない方が好ましいが……背に腹は代えられないか)
202:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 21:58:02.36 ID:5sFu3okd0
吉良「おや、君は……」
黒子「あら貴方は……初春の旦那様ではありませんの」
美琴「……え?」
吉良「その節はどうも。黒井……白井?」
黒子「白井黒子ですの! お間違えないよう!」
吉良「ああ、すまない。人の名前を覚えるのは苦手でね」
美琴「ってちょっと待てええええええええええ!!!」
吉良「……五月蠅いな」
黒子「どうかなさいました?」
美琴「いいいいいいい今、う、初春さんのだだだだだ旦那さんって!!」
吉良「冗談に決まっているだろう」
黒子「あら、冗談でしたの? 私はてっきりあの後そういう関係まで進んだのかと」
吉良(……このアマ)
黒子「いやですわ、女子中学生の可愛い可愛い冗談ではございませんの。そんなに怖い目をなさらなくても」
204:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 22:01:14.34 ID:5sFu3okd0
吉良「そっちがこの前話していたレベル5のお姉さまってことで間違いなさそうだね」
黒子「うふふ、私自慢の御坂美琴お姉さまですの!」
美琴「えっと……黒子、この人は?」
黒子「先日初春がお世話になった川尻浩作さん、なんでもレベル3の念動力使いだとか」
吉良(レベルや能力について話した覚えはないが……どうせあの脳内お花畑な初春飾利が漏らしたんだろう。
まぁ、能力の内容が間違っているから大した問題じゃあないが)
美琴「へぇ……恋人とかそういうのじゃないのね。…………よかった」
吉良「それよりも、君達。『殺戮の女王』について知ってるかい?」
黒子「あら、川尻さんでもご存知でしたのね」
吉良「ご存知も何も、街中で噂になっているからね。いやでも耳に入るさ。
それより、君達は大丈夫だったかい? 君や『お姉さま』は見るからに無事そうだけど……
初春飾利や佐天涙子、それに……なんと言ったかな……『固法』だったかな? 彼女も……『殺戮の女王』の被害にあっていなければいいが……」
黒子「ええ、初春と佐天さんは無事ですわよ。なんなら電話で呼び出しましょうか? 初春も喜ぶと思いますし」
吉良「へぇ、そうかい。そいつは良かった……知り合いが被害者になっているっていうのは寝覚めが悪いしね」
黒子「ですが、固法先輩は……」
吉良「……『何か』あったのか。彼女に」
┣"┣"┣"
210:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 22:06:44.83 ID:5sFu3okd0
吉良「……まさか」
黒子「いえ、固法先輩は『殺戮の女王』にやられたかどうかはわかりませんが……昨日、貴方がたと別れたあとで……」
吉良「……そこから先は聞かない事にしよう。知り合いが『酷い目にあった』事なんて話したくないだろうし」
黒子「心遣い、感謝いたしますわ」
美琴「……」
吉良「それじゃあ私はこれで……気を付けるんだよ。固法美偉や他の能力者も襲われている。
君や『お姉さま』だって女の子なんだからね」
黒子「ええ、分かってますわ。では」
―――
吉良「……フゥ~~~~~……殺せては居ないようだな。ノリが全体的に軽いし……
だが、『最前線』に復活できるような容体じゃあないみたいだ。
……まぁ、様子を見たとしても三日ってところかな。三日以内に入院先を見つけ出して『消す』」
吉良「しかし、歌でも一つ歌いたくなるなぁ、ここまで思い通りに事が進むと。
……気になるのは、あの『お姉さま』。人見知りか? 終始不思議そうな顔でこちらを見つめていたが……」
吉良「おバカな『ですの』は放っておいても害はないだろう。アイツはおそらく初春飾利並にお花畑だからな……固法美偉の死と私を繋げようとも思うまい。
……しかし『お姉さま』は違う。思い出してみればあの顔は何か勘ぐってるような顔だった気もする……
『お姉さま』……この際アイツも『始末』しておくか? 『ですの』は悲しむだろうが……そんなの私には関係ないことだ」
┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"…
吉良「……ああ、ゴメン。君以外になんて『今は』興味ないよ。フフフ」
212:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 22:08:09.47 ID:/B8WdnqZ0
アグレッシブ変態はやっぱり怖いな
213:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 22:09:45.71 ID:D/Q+kwp/0
お前らだって嫁の為には金を惜しまないだろ?
そういう事だ
214:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 22:10:39.91 ID:GLgAjqmm0
>>1のスタンド能力が勝つか
俺の眠気が勝つか勝負だ…
216:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 22:11:45.76 ID:NtQTddvWO
sage進行なのは植物のように静かに投下したいからか
217:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 22:12:47.23 ID:5sFu3okd0
――― 13:20
カタカタカタカタ
初春「……」
カタカタカタカタ
初春「……」
pipipi……pipipi……
カタカタカタカタ
初春「……」
pipipi……pipipi……
初春「……あ、電話か!」
pi!
初春「はい、初春ですが」
佐天{やっほーい、初春ちゃんやーい、あったしだよぉ~ん}
初春「あ、佐天さん! どうかしました?」
佐天{うん、昨日の店もっかいどうかなぁ~? って思ってさ!}
221:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 22:17:57.13 ID:5sFu3okd0
初春「あ、ああ、えっと……ごめんなさい……」
佐天{えぇ~!? なんでぇ~!?}
初春「えっと、固法先輩の件でちょっと気になる事があって……」
佐天{ああ、何か分かったの?}
初春「まだほとんど何も……もうすぐひと段落つくから、午後の二時ごろでどうですか?」
佐天{んー? うん、わかった! じゃあ後であのお店でね}
プツッ
初春「……よし」
カタカタカタカタ
ガチャッ
黒子「お疲れ様ですの初春。飲み物、買ってきましたわよ」
初春「あ、ありがとうございます~」
黒子「……進展は?」
初春「進展といえるかどうかはありませんが……二つほど」
225:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 22:23:54.52 ID:5sFu3okd0
黒子「二つですの?」
初春「『殺戮の女王』事件と『陽気な爆弾』事件、何の関係もなさそうに見えますが……
実は結構近い位置にいるのかもしれません」
黒子「……それは何故?」
初春「これは仮定でしかありませんが、『殺戮の女王』の能力者の能力の応用が『陽気な爆弾』ではないかと」
ドドドドドド
黒子「……そんな事がありえるんですの?」
初春「私自身まったく信じられません」
黒子「へぇ……ではどうして、そんな仮説が?」
初春「まずは監視カメラの映像です。
監視カメラに映っている固法先輩は『後ろを確認』して『陽気な爆弾』の攻撃を背中に受け、足に受け、御坂さんに発見された。
この映像、おかしいじゃあないですか。もし、これが『二人分の能力』もしくは『陽気な爆弾が殺戮の女王本来の能力』なら、固法先輩ほどの人なら確認せずに逃げると思うんです」
黒子「それで、『殺戮の女王』が予想外の能力を使ったから動揺を示した、と……
でも、それだけでは『殺戮の女王』が使った能力だと言うには証拠が足りない気が……」
初春「そこでです!」
カチカチッ
初春「見てください、この資料」
229:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 22:31:23.39 ID:5sFu3okd0
黒子「これは……カルテと残留品リストですの?」
初春「はい。白井さんの話によると、固法先輩は襲撃される寸前まで携帯電話を使っていたんですよね?」
黒子「ええ。最後の言葉の意味が分からなかったですが……確かにお姉さまが見つける数分前までは携帯電話を使っていましたわ」
初春「でもですね……何処にも無かったんですよ、固法先輩の携帯電話」
黒子「それはどういう……」
初春「言葉通りの意味ですよ。『何処にも』ないんです。
固法先輩も持ってなかったし、探知能力者が現場の近辺三百mを隈なく探しても見つからなかった……」
黒子「ほうほうそれで?」
初春「そこで、『殺戮の女王』ですよ!」
初春「『殺戮の女王』の能力はおそらく『物体の質量を燃焼させてそれに比例する破壊力の爆弾を作り出す』能力。もっと言うと『爆弾とその付近の物体を消滅させる』ことも可能でしょう。
固法先輩が電話越しに呟いた『石』っていうのは、殺戮の女王の能力で爆弾になった石が飛んで来ていた。携帯電話が消えたのもこれの爆発のせい。
『陽気な爆弾』は空中に存在する気体の一部、もしくは特殊なガスを『爆弾』に変えていた。そう考えると」
黒子「その場にいた『殺戮の女王』が同じ爆弾系統の『陽気な爆弾』で固法先輩に攻撃した。
しかし固法先輩はその関連性に気付けずに動揺し、攻撃を受けてしまった、と。
成程、スジは通ってますわね」
初春「はい、ただ……」
黒子「それじゃあ私はその情報をもとに一連の事件の目撃証言をもう一度浚い直してきます。では」 ヒュンッ!
初春「あ、あの!! ちょっと、白井さん!?」
239:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 22:38:10.10 ID:5sFu3okd0
初春「うーん……まだ言ってない事があるんだけどなぁ……」
初春「……」
カタカタカタカタ
初春(白井さんに伝えられなかった二点目……それは、良い報告じゃない。というよりも、今の仮説を真っ向否定するもの……)
初春(……『殺戮の女王』と『固法先輩を襲った石爆弾』、そして『陽気な爆弾』は確かに似通っている、でも……相違点もある。
『殺戮の女王』と『固法先輩を襲った石爆弾』は、確かに物質を消滅させている……
『殺戮の女王』は被害者の女性を消滅させているし、『石爆弾』は携帯を消滅させている……)
カタカタカタカタ
初春(ただ、『陽気な爆弾』はこのルールが当てはまらない。腕や足を破壊してはいるけど、肉片レベルで言えば『残って』いる……
そして『陽気な爆弾』は気体を媒介にしてるって白井さんには説明したけど、これじゃあ爆発の規模とか追尾性とかが説明できない……
それに御坂さんは『陽気な爆弾』は『喋って』『爆発を繰り返した』って言ってた)
カタカタカタカタ
初春(うーん……『殺戮の女王』、『陽気な爆弾』。おそらく同じ爆発能力が根底にある筈……
御坂さんみたいに応用の効く能力なのか……それともここに来てまさかの『重複能力』!! ……はありえないか)
初春「……」
カチカチ
初春(『物を喋らせる+追尾』でもデータベースに該当能力無し……ですよねー。……じゃあもしかして、低レベルの能力者がこの前の『幻想御手』の影響で……
……無いか、さすがに)
245:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 22:45:29.59 ID:5sFu3okd0
――― 13:42
美琴「……ん?」
吉良「……」
美琴「あれってさっきの……川尻さんだよね……何やってたんだろ、路地裏なんかで」
・ ・ ・ ・ ・ ・
美琴「私どうもあの人苦手なのよねぇ……なんていうか無機質な感じだし」
美琴「って路地裏? いい大人が? 本当に何を……」
美琴「……」
――― 13:46
美琴「やっぱり何も無い、か。当たり前よね。路地裏なんだし」
美琴「ん? あれ……」
美琴「何か……落ちてる……『指輪』?」
┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”
吉良「……」
┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”
252:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 22:51:41.07 ID:5sFu3okd0
吉良(……女ってのはどうしてこういらん事に興味を持ちたがるんだろうな……まぁ、そのアホらしい好奇心のおかげで私は『彼女』に困る事が無いんだが。
そして、思わぬ大物がかかった……十数分ぶりだな、御坂美琴。
いつもならここで後ろから掴みかかって『口説き文句』の一つでも言う所だけど……お前は特別だ。
白井黒子から何を吹きこまれているか分からないし……この場で『消え』ろ)
┣” ┣” ┣” ┣”┣” ┣” ┣” ┣” ┣” ┣” ┣” ┣”
美琴「――――――誰かの、落し物?」
吉良(……よし、拾えッ!)
アフンアフン オネエサマーオネエサマー♪
吉良(……なんだ今のは。もしかして携帯の着信メロディなのか? あの『ですの』の声が?
………………待てよ、着信メロディか……ふぅん、使えるかもしれないな)
美琴「……はいもしもし」
黒子{お姉さま! 黒子ですの!!}
吉良(……『ですの』……白井黒子か)
美琴「あのねぇ黒子、人の携帯の着メロ勝手に変えるのはやめてってあれほど!!」
黒子{いいですの、お姉さま! 何が落ちてても近寄っちゃあ駄目ですわよ!!}
吉良(……何)
黒子{殺戮の女王は物体を爆弾に変えられます! いいですの!? 絶対に拾い食いとかしちゃあいけませんからね!!}
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