佐天「バイツァダストで爆弾にされる能力かぁ……」 後編
258:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 22:59:31.28 ID:5sFu3okd0
美琴「拾い食いって……黒子、アンタねぇ!!」
黒子{立ち読みも控えてください! あと子犬や子猫が居ても拾ってきちゃダメですの!! あとあと、スカートの下の短パンは脱いでくださいまし!!}
美琴「一番最後のは関係ないでしょうが!! ったく……ねぇ黒子」
黒子{はい、なんでしょう?}
美琴「ちょっと気になるんだけどさぁ、固法先輩と最後に別れたの……『誰』?」
┣”┣” ┣” ┣” ┣”┣” ┣” ┣” ┣”
┣” ┣” ┣” ┣” ┣” ┣” ┣” ┣”┣”
黒子{最後に別れた人、ですの?}
吉良「……」
美琴「もしかして、それってさ……」
コッチヲ見ロォォ~~
美琴「ッ!? 『声』、今の声は!!」
黒子{お、お姉さま!?}
美琴「ゴメン黒子!! ちょっと電話切る!!」
黒子{おね}
プツッ
262:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 23:04:15.76 ID:5sFu3okd0
美琴「こんのおおおおおおおおおおおおお」
バチバチィィィイイイイイイイ!!!!
ドガァァァン!!
美琴「『陽気な爆弾』……もしかして、いや、この状況なら疑いようがないね……
『陽気な爆弾』は正体暴かれかけてアセってるその辺の『殺戮の女王』の能力の一部ッ!」
吉良(『名前』を渡させないための苦肉の策……しかし、『キラー・クイーン』の能力については白井黒子も気付いていた……
もしかしたらこの事についても白井黒子やあいつの上司、ジャッジメントの奴らも気付いてるかもしれないな……クソッ、面倒な事になってきた……!)
吉良(キラー・クイーンが触れているのは御坂美琴の背後にある『彼女』の指輪……殺す事は出来ないだろうが、こっちに気が向いていれば不意打ち程度にはなるかな。
『彼女の指輪』と『シアーハートアタック』……挟み打ちの形で御坂美琴を始末するッ!
『お姉さま』を助けに来た『ですの』も始末すれば、私の正体を知る者は、ひとまず消える……)
吉良(指輪の爆発の必中の間合いまで約三歩ってとこか……そこでスイッチを押し、やりそこねたならシアーハートアタック、それでも駄目ならもう一回『第一の爆弾』でトドメだ)
美琴「どりゃああああああああああああああああ!!!!!」
ビリビリビリビリビリビリビリビリィィ――――!!!
ドガァン!
吉良(成程、電気か……無敵の『第二の爆弾』も、熱が発生する『電撃』とは相性が悪い……こいつは参ったな。
しかし気付いているかな? シアーハートアタックから距離を取ろうとして、君の位置は少しずつ『指輪』に近付いているんだよ)
3 2 1 ……
吉良(今だ!!)
カチッ
267:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 23:10:27.77 ID:5sFu3okd0
ドゴォォォ―――――ン!!
美琴「ぐぁッ!? ゆ、指輪が……『爆発』したッ!?」
吉良(おや、少し外れたか。……でも)
キュルキュルキュルキュルキュル……
コッチヲ見ロォォォヲヲヲヲオオオオオオオ!!!!!
吉良(こいつを避けられるかな?)
美琴「ぐ、ぐうううううううう! こんのおおおおおおおおおおお! 近寄るなああああああああああああ!!!!」
バチバチバチバチィィィ―――z___!!!
ドガァァァン!!
吉良(電撃で対処するスピードも思った以上に素早いが……しかし、もはや抵抗は無意味だ。
なぜなら君はもう、チェスや将棋でいう『詰み』の形に嵌っているんだからな)
シュッ!
美琴「……小石ッ!? もしかしてこれも爆だ」
カチッ
ドゴォォ――――――ン!!!!
276:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 23:17:02.31 ID:5sFu3okd0
――― 13:47
初春「ああっ!! もうこんな時間!! うぅ~、間に合うかなぁ!?」
初春「あ、いけない、白井さんからもらったオレンジジュース!!」
ピトォ……
初春「うへー、ぬるくなってる。………………あれ? もしかして……」
ガタッ
カタカタカタカタカタカタカタカタ
初春(……映像データで気になってた点……もし今私が考えているのが正解なら『陽気な爆弾』の行動原理が分かる……
どうやって動いているのかが分からなくても、行動原理が分かれば対処方法が見つかる!!)
ザザザ……コッチヲ見ロォォ……
初春「スキャン、スキャン!」
ピ――――!!
初春「やっぱり、思った通り!」
初春「あれ、という事は……」
初春「……見つけちゃった。『陽気な爆弾』の対処方法」
――― 13:48
――― 13:49 カチッ
290:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 23:25:29.89 ID:5sFu3okd0
黒子「……間一髪ですわね。お怪我はありませんか!? お姉さま!!」
美琴「黒子、アンタどうして……」
黒子「むふん、どうですお姉さま? キスしたければ右のほっぺたが空いてますわよ!!」
美琴「……どうしてここが分かったの? 言ってないはずよね、場所」
黒子「愛の力ですの!」
美琴「……へぇ、流石黒子ね。偉いわぁ。なにも使わずに私の位置を探し出せるんだもんね。
でも個人的には何かを使ってでも確実に助けに来てくれた方が嬉しかったなぁ~~、そりゃもうキスしてあげちゃうくらい」
黒子「キキキキキスゥゥゥ!? おおおおおおお姉さま、じじじじじ実は黒子予備のGPSを使いましたの! これすなわち愛の二冠達成! V2!!!」
美琴「……へぇ、予備のGPSねぇ」
黒子「……あ…………て、テヘッ♪」
美琴「今はお仕置きやめておいてあげる。これが終わったらどうなるか……楽しみねぇ」
黒子「あはぁ……目覚めちゃいます、目覚めちゃいますのぉぉぉおおお!!」
美琴「うっさい!! とりあえずこのお姫様だっこやめなさい!」
吉良(……来てしまったか、白井黒子……コイツは馬鹿だが能力が厄介……
しかし、これはこれで都合がいい、と捕えるべきなんだろうな。『この状況』で白井黒子と戦える、っていうのは。
吉良(『お姉さま』の寿命が数分延びたが……結果は変わらない。二人揃って消える、ただそれだけだ)
300:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 23:34:17.06 ID:5sFu3okd0
――― 13:50 カチッ
美琴「さて、これで貴方の切り札の『陽気な爆弾』は封殺確定。さっさと出てきたらどう? 川尻浩作さん」
黒子「へ!? か、川尻浩作さんって……初春の!?」
カツッ……カツッ……
吉良「……やっぱり、風紀委員ってのは頭の中が『春爛漫』なのかな。もう夏真っ盛りだっていうのに何度言っても何度言っても言葉が通じてない。
……いや、暑さで腐った脳ミソが煮立ってるのかもしれない。とにかく一度、『脳外科』か『精神科』に行くことをオススメするよ」
┣”┣”┣”┣”┣”┣”
黒子「……嘘」
美琴「私が来る前にここに居て、指輪を用意できたのもアンタ、固法先輩と最後に会ったのもアンタ。それなら犯人はアンタ以外に考えられないもんねぇ」
吉良「やれやれ。大した力技の『推理』だ。
フゥ~~~~~……それで……私を表に引きずり出してどうするね? この場で高らかに『勝利宣言』でもしてみるかい?」
美琴「さぁて、どうしよっか。とりあえず、固法先輩と同じくらいの傷を負ってもらいましょうか」
吉良「……フフフ」
美琴「あら、なに? 今さら怖気づいたのかしら? 言っとくけど―――」
吉良「例えば、ハブとマングースが戦っていて、マングースは自分より小さなハブの締め付けから逃れてハブを攻略したと思っている。
戦いの初めにハブに噛みつかれた、という事実を忘れて、だ。わかるかい?」
黒子「……なにが言いたいんですの?」
308:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 23:41:32.39 ID:5sFu3okd0
┣” ┣” ┣” ┣” ┣” ┣” ┣” ┣” ┣” ┣” ┣” ┣”……
KQ『……』
┣” ┣” ┣” ┣” ┣” ┣” ┣” ┣”┣” ┣”┣” ┣”……
吉良「見えないかもしれないが……紹介しておくよ。
彼女の名前は『キラークイーン』……私を含むこういった能力者は『彼女』のような存在を『スタンド』と呼んでいる」
美琴「……なに言ってるのか、さっぱりわからないんだけど」
吉良「なに、無理に分かろうとしなくてもいいさ。
だって君達はそれを『理解する前』に、『ここ』で、死ぬんだからね」
美琴「言ってなさい! 黒子、デカイの一発行くわよッ!!」
黒子「お、お姉さま! まさか……いけませんわ! 街中でなんて!!」
吉良「呪うんなら、バカみたいな好奇心と、目の前が見えなくなるほどの『信仰心』を恨むんだな。
――――――形はすでに、出来上がっている」
美琴(コインを取り出して、すかさず放つ!! 全開で行くと死んじゃうかもしれないから七割くらいで……)
ドゴォッ!!
美琴「……ッ!? ぐ、げはァッ!!?」
ズザザザザァァァ―――ッ!
黒子「お、おねえ……さま?」
318:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 23:49:46.41 ID:5sFu3okd0
美琴「い、今……何が……!?」
吉良「おや、どうかしたかな? 『有り得ない事でも起こった』見たいな顔をして」
美琴(今のは『念動力』!? そんな、まさか三つ目の能力とでも!?)
吉良「なんでもないならこちらから……ッ!? 『キラー・クイーン』ッ!!」
ガガガガガガガッ!!
吉良「これは……畳針か?」
黒子「……今の今まで、信じられませんでしたわ。初春があれほどなついていた貴方が危険人物だなんて。
お姉さまの言葉を聞いても、貴方が現れても、信じられませんでした……ですが!」
黒子「今の行動は、私の疑心を払拭するに事足りる行動!
『風紀委員』ですの!! 川尻浩作さん、貴方を『連続婦女蒸発事件』の重要参考人として連行させていただきます!!」
吉良「……便利なもんだな、瞬間移動ってのは。利用の仕方ひとつで、あやうく『磔』だ」
黒子「お望みとあらば身体の中に瞬間移動させる事も出来ますが、試してみましょうか?」
吉良「いいや、遠慮しておくよ……それより、『まさかこの程度で私を牽制した気になっているのかな』?」
黒子「へ?」
ドガッ!!
黒子「うぐッ!!」
333:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/07(水) 23:56:38.54 ID:5sFu3okd0
黒子「…………正真正銘の『念動力』……どうやら、何かの『トリック』を用いたただの攻撃、というわけではなさそうですわね」
吉良「……ああ、確かに君が瞬間移動で飛ばした針の一本は『完璧』に私のズボンと道路を縫い付けて私の動作を制限した。分かっていたよ、それくらい。
しかし『彼女』にはそんな事関係ない。『彼女』は私と『一心同体』であり、『個々別々』なんだからね」
黒子(そういえば初春も川尻浩作の事を最初、『念動力』使いだと呼んでいましたわね……予備動作無しに今の破壊力なら確かにレベル3は固いんじゃあないかしら?
しかしこれは一体どういう事……なにが起こっているのかさっぱり……川尻浩作の能力は『物体を爆弾に変える』だけではありませんの!?)
吉良「やれやれ、ようやく大人しくなったか。これに懲りたら不用意に半径2m以内に近付いてこないことだな。
……いくら路地裏とはいえあまり目立ちたくはないからね。サクッと終わらせよう」
バチバチッ!
美琴「こンのぉぉぉ――――……」
吉良「……聞こえなかったかな? 『目立ちたくない』と言ったんだが」
バチバチバチバチィィィ―――――!!!
美琴「調子に……」
吉良(……『右手』に『コイン』……そういえばさっきも……何をやる気だ? ハッタリか?
待てよ……御坂美琴の能力は電気を操れる、それにあの構え方……まさかッ!!)
吉良「『キラー・クイーン』!!! 『第一の爆弾』!!」
美琴「乗るなァァァァ――――――――――――!!!!!」
轟!!
339:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 00:03:11.09 ID:5sFu3okd0
ドガァァァ――――ン!!
美琴「やった!?」
黒子「お、お姉さま……だから街中でそれの使用は……」
美琴「しょうがないでしょ! あのままじゃ私も黒子も殺されてた!! 正当防衛よ!!」
ガラガラガシャァァァァ―――――ン
美琴「せいぜい瓦礫の下で反省するのね」
吉良「――――――ああ、そうだな。『反省』はさせてもらうよ……ただしあんな冷たい『瓦礫の下』じゃあなく寝る前に『ベッドの上で』、だけどね」
美琴「なッ……!?」
吉良「今ほど色々な本を読んでいて良かったと思った事はないぞ。
なんと言ったかな……確か……そうだ、『羅漢銭』だったはずだ。中国武術の一つの」
美琴(避けられた……この距離で!? クソッ、もう一発!)
吉良「忍者は指で弾いた玉や石で人を殺せた、というのが何かの本に書いてあったのを思い出してね……いや、本当に危なかった。
まさか、『電撃』を利用してコインに『超加速』を与えるなんてな……一瞬気付くのが遅れていたら、君の予想通り私はあの瓦礫の下だっただろう」
美琴「このおおおおおおおおお!!!」
吉良「遅い! しばッ!!」
メゴシャァアッ!!
345:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 00:07:17.33 ID:pEyCb4+V0
美琴「う、あああああああああああ!!!!!」
吉良「一瞬……『キラークイーン』で壁を伝っていた排水管を破壊して、壁と排水管とを固定していた金具を爆弾に変えて爆発させた。
その爆発で巻き起こった爆風と、『キラークイーン』の足を使った跳躍で『なんとか』……逃げられた。
とはいっても『全身無事』ってワケじゃあない。見てくれ、この『左半身』。爆発の余波と君の攻撃でおろしたてのスーツが酷い有様だろう?」
美琴(ハァ!? み、右腕が、いつの間にか、明後日の方向に『折れ』てる……もう、使い物に……っていうか、速いし、重い! まさか本当に、二つの能力を使いこなしてるっていうの!?)
吉良「……しかしマズイな……今の『音』を聞いて誰かが近寄ってくるかもしれない……
出来ればこの手で『始末』してやりたいが……不用意に近付いて瞬間移動させられたり、電撃を直に喰らわせられたりして時間を稼がれたら大変だしな」
黒子(触れることさえできれば、瞬間移動させられる!!
ちょっとお腹が死ぬほどズキズキしますけど、演算は出来る! ここは一気に肉薄して)
吉良「……そこで、いい方法を思いついた」
カツッ……カツッ……
ヒュンッ!
黒子「上空に吹っ飛んでくださいまし!」
『コッチヲ見ロォォ~~』
黒子(ッ今の声、『陽気な爆弾』! 私の背後から『陽気な爆弾』の声が……
しかも今の声の距離、お姉さまが自己防衛のために電撃を使えば爆発に巻き込まれてしまうッ!!)
黒子「お姉さまッ!!」
361:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 00:14:32.37 ID:pEyCb4+V0
黒子「……キャタピラの音が、聞こえない…………なにも……何も、『居』ないッ!?」
吉良「フフ、痛みで思考回路が鈍ったか? 『そっち』にはなにも居ないぞ」
黒子「嘘……そんな筈が……」
吉良「それはそうと、『忠告』したよなぁ……半径2m以内に入らないように、と。
私に触れた状態で手を放置するなんてイケナイ子だ……もう二度といらぬ事が出来ないようにしておいてやろう」
ザグゥッ!
黒子「へ?……嘘、わたくしの、手、手が、手首から先が!? な、何故、今確かに後ろから!!」
吉良「……その声ってのはもしかして、コイツの事かな?」
『コッチヲ見ロォォ~~』
黒子「け、携帯電話……!?」
吉良「『お姉さま』の着信メロディを聞いていて思いついたんだ。後々、貴様の足止め程度で役に立てばいいと思っていたが……
まさかこんなに早く役に立つなんてなぁ、やっぱり最近の私はツいてる。
貴様がどうせ私自身に『瞬間移動』を掛けようとするだろうと思って、『キラー・クイーン』に携帯を隠してもらってたのさ。その『瞬間』まで、猫草の代わりにね」
黒子(両手首から先が『切断』されてしまった! 念動力の活用……でも、そんな、鋭利な刃物みたいなこと……)
吉良「この綺麗な手は迷惑料として頂いておくよ……そして、君にはこのまま『逃走』出来ないようになってもらおう」
ボギィ!
黒子「ッ!? ああああああああああああ!!!!」
373:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 00:19:46.87 ID:pEyCb4+V0
美琴「黒子!!!」
吉良「足も一本……君の『うざったい瞬間移動』もこれで多少、制限できるだろう。
さて、それじゃあそろそろ本当に終わりにしようか。やれやれ……どれくらい危険かと思えば。案外大したもんじゃあないんだな、レベル5ってのも。
それとも……君が群を抜いて『弱い』だけかな?
私に『触れることすら出来ずに殺される』んだからその辺の『無能力者』と喧嘩しても負けるんじゃあないのか、コイツ」
キュルキュルキュルキュル
美琴「クッソオオオオオオオオ!!!! ブチかましてやるッ! 最大出力をッ!!」
バチバチバチバチバチバチバチバチ!!!
┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”
コッチヲ見ロォォォ~~~~!!!!
吉良「今度は本物だ。忠告しておくが、『その雷はさっさと消した方がいい』。
それじゃあ、さよならだ。おバカな『ですの』に、よわっちい『お姉さま』」
美琴「ふざけんなァァァァ―――――――――――――!!!!」
黒子「ッ!! お、お姉さま危ないッ!!」
ヒュンッ!
コッチヲミロォォォヲヲヲヲヲヲヲヲヲ!!!!!!!
美琴「……へ?」
カチッ バゴオオオオオオオオオオン!!!!
378:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 00:21:30.20 ID:qAh9nVtS0
やべぇ興奮する
382:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 00:22:44.38 ID:4zw8bqlg0
おお、伏線を回収した!
383:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 00:25:36.82 ID:+5fLh0hg0
ヤバい、wktkがとまらない。
しかし川尻浩作の顔のはずなのに、イメージだと登場時の顔なんだよな
385:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 00:28:15.06 ID:9bY3MnVI0
>>383
バイツァダスト発現後は髪型変わったりしたし、外見なんてどうにでもなるんですよ
384:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 00:26:38.17 ID:pEyCb4+V0
―――13:55
美琴「黒子、どうしてッ!? なんで、爆発が……」
黒子「一瞬……聞こえましたの……もの凄い速さで移動する、キャタピラの音が……
それで、お姉さまが危ないと思って……つい、身体が……」
美琴「ば、バカッ!! 何でそんな事を!!」
コッチヲ見ロォォォオオオオ!!!!
黒子「お、ねえ、さま……おにげ、ください……」
美琴「………………クソッ」
美琴「覚えておきなさい、黒子。
可愛い後輩を置いて逃げる事の出来るお姉さまなんて……そんな私なんて、存在しないのよ!」
コッチヲ……
美琴「離れろォォォ―――――!!!」
ビリビリビリビリィィ!
ドガガァァァン!!
美琴(脳へと送られる痛みの電気信号を弄ってシャットアウト! 右腕は使い物にならないけど、これで少しの間、無理をすれば動く事は出来る。
でもこれは単なるやせ我慢でしかない、なにか、何か方法を探さなきゃ……!!
私の身体がいう事を聞かなくなる前にッ! 黒子が出血多量で死ぬ前にッ!! 黒子を連れてこの『陽気な爆弾』から逃げる方法をッ!)
400:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 00:32:15.75 ID:pEyCb4+V0
―――
吉良(フゥ~~~~~……思った通り、上手くいったな……
御坂美琴の話し方や立ち回りから考えて、あそこまでコケにしてやればブチギレないわけがない。
ブチギレればもうこちらの物だ。ああいうカッとしやすいタイプほどブチギレた時の行動は単調だからな)
――― 14:00
吉良(単純脳筋バカはコケにされれば自分の百パーセントの力で敵を『排除』しようとする。その百パーセントが命取りだ。
御坂美琴が能力を使う時、彼女はいつも『帯電』していた……百パーセントともなれば相当な熱量の電気が周りにあったんだろうな。
そこに、キラー・クイーンでシアーハートアタックを投擲。後は熱を探知したシアーハートアタックが突っ込んで爆発するって寸法だ)
吉良(さて、手負いの状態で何処まで逃げられる? 『お姉さま』。言っておくがその路地はずっと奥へ行っても最後は『行き止まり』だ。
白井黒子の『瞬間移動』があればなんとかなったかも知れないが……あの『ですの』は今頃自分の身を呈して『お姉さま』を守って大怪我を負って動けない。
あの盲信ぶりはもう『宗教』のレベルだからな……)
吉良「しかし……フフフフフ……こういうのを役得っていうんだろうなぁ……
切る瞬間に見て分かったが、白井黒子も結構綺麗な手をしている。
初春飾利に比肩するほどの綺麗な手だ……フフフ……大事にさせてもらうよ……」
――― 14:07
吉良「そろそろ十分か……いやにシアーハートアタックの帰ってくるのが遅いな……爆発は止んでいるが、何かあったか?」
吉良「まぁいい。『超能力者』では『シアーハートアタック』が見えないのはとっくに分かってるんだからな。
どうせどっかで道草でも食ってるんだろう。まったく、私の能力だとばれなければいいが。
とりあえず後は固法美偉と初春飾利……それに『川尻浩作』と風紀委員三人組が接点を持っていたことを知っている佐天涙子。
彼女らを始末すればひとまずは終わりだ」
411:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 00:39:16.98 ID:pEyCb4+V0
「あら、何が終わりなのかしら?」
――― 14:08
――― 14:09 カチッ
┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”……
吉良「……何?」
┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”……
「つーかアンタ、言うに事欠いて私の事を『無能力者』との喧嘩でも負けるなんて言ってくれてたわよね。
コイツは流石に『温厚』な私でもメチャゆるせんよなぁぁ~~~~~!!」
バチバチィィッ!
┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”!!
吉良(……そんな筈はない。居るわけがない。確かに、詰みの一手まで完璧に計算していたというのに……殺せている筈なのにッ!!)
┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”!!
吉良「何故貴様がここにいるッ! 『御坂美琴』!!」
美琴「フン、聞かれたって教えてやるもんですか!」
415:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 00:40:08.51 ID:pEyCb4+V0
――― 14:10 カチッ
とある科学の超電磁砲 X話 『陽気な爆弾(シアーハートアタック)』
・吉良 吉影
御坂美琴が生きているなんてありえない!! どうしてここに居るんだッ!? SHAは!?
・御坂 美琴
右腕含め数か所骨折。痛みは感じないようにしてるけど限界は近い……
黒子を担いでるけどそろそろ放置したい。背中でハァハァ五月蠅かったし。
川尻浩作は『全力で』叩きのめす。
・白井 黒子
気絶中、失血が酷いので早く治療しないと命にかかわる。
両手首から先損失、足も骨折してるけど全部応急処置済み。背中に重度のやけど、背骨もヒドい。これじゃあお嫁にいけませんの……お姉さま、黒子をお嫁にもらってくださいまし!
お姉さまに背負ってもらって申し訳ない、でも嬉しい。
川尻浩作=『殺戮の女王』と判断。固法先輩の件といい、お姉さまの件といい、メチャ許せません!
あぁ、でも……薄い制服の生地越しに伝わってくるお姉さまの体温が心地よすぎて…………………ふぅ……
ジャッジメントですの!(キリッ
・初春 飾利
『陽気な爆弾』の対処方法を思いついた!
・佐天 涙子
初春が待ち合わせに遅刻するなんて珍しいなぁ。
/└────────┬┐
< To Be Continued... | |
\┌────────┴┘
423:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 00:46:43.70 ID:pEyCb4+V0
――― 13:58
美琴(ヤバイ……思った以上にガタが来るのが早い……)
コッチヲ見ロォォォヲヲヲヲヲヲオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!
美琴「くッ……黒子無しじゃあ、やっぱり駄目だっていうの!?」
ギャリリリリリリリリリィィィ!!!!
美琴(私の能力と『陽気な爆弾』の能力はジャンケンで言えばグーとチョキ……
どっちが強くてどっちが弱いじゃあない、乗り越えられない『壁』が存在している。
いくら私がどれだけ鍛えようと、グーはチョキには勝てないッ! 『超電磁砲』にとって『陽気な爆弾』は『そういう能力』!)
美琴「だからって、ここで退いちゃあ居られない!!」
コッチヲ……
ビリビリビリビリビリィィィィ――――――――!!
ドゴォォン!!
美琴「かといってこのままじゃあジリ貧、五分後か十分後かは分からないけどいずれは押し切られる!
くぅぅ……何かないの!? グーにチョキで勝つ方法!!」
「電撃を、弧を描くようにして奥の壁に向かって放って下さいッ!!」
美琴「ッ!?」
「はやく!!」
432:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 00:53:25.69 ID:pEyCb4+V0
美琴「く、なんかよく分からないけどくらえええええええええええええええ!!!」
ビリビリビリビリィィィィッ!!
クルゥッ! コッチヲ見ロォォォ……
美琴「え……声が離れて行った!?」
「さっきの質問……私に当てられたものじゃあないでしょうけど私が答えますね。
グーにチョキが勝つ方法なんてありませんよ」
美琴「初春さん!」
初春「そのままその場所に合図を出すまで電撃を打ち続けて!」
美琴「了解!!」
初春「でも、グーに勝つのは簡単です。パーを出せばいいだけですから。
今です! 電撃を止めて!!」
美琴「だ、大丈夫なの!?」
初春「はい! 御坂さんが『チョキ』で、『陽気な爆弾』が『グー』なら、私が『パー』ですから」
ギャリギャリギャリギャリィィィッッッ!!!
初春「よし、来た!! 予想通り!」
美琴「初春さんの方に、キャタピラの音が向かってる!?」
439:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 00:58:01.72 ID:pEyCb4+V0
┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"
コッチヲ見ロォォォオオオオオオオオオオ!!!!
初春「……」
┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"
初春「よいしょ」
・ ・ ・ ・ ・ ・
美琴「……あれ、終わり!? う、初春さん、『陽気な爆弾』は!?」
初春「ここですよー」
美琴「ここですよー、って両手を突き出されても……ってまさか……」
ドコダァ~~~……ドコニイヤガルゥゥゥ~~~~~……
美琴「つ、掴んでるッ!? なんで、え、なにそれ、掴めるの!?」
初春「これで大丈夫……二人とも、無事……じゃあなさそうですね。間にあってよかった」
美琴「ねえ初春さん、まだちょっと良く分からないんだけど……一体なにが起こってるっていうの?」
初春「はい、じゃあ順を追って説明しますね!」
449:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 01:03:42.08 ID:pEyCb4+V0
初春「まず『陽気な爆弾』についてですけど、これは『自動追尾』というにはいくつか不可解な点がありました」
美琴「不可解な点?」
初春「まず固法先輩を襲った時、御坂さんが現場に駆け付けると、『陽気な爆弾』は固法先輩ではなく『御坂さん』を襲った。
そして固法先輩には確実に爆発を喰らわせていたのに、御坂さんには一切爆発を喰らわせることが無かった。
一見無関係に見えるこの二つが、『陽気な爆弾』の本当の能力だったんです」
美琴「共通点って……あるの?」
初春「はい! 『陽気な爆弾』は『自動追尾』じゃなくて『温度の高いものに突っ込んでいっている』んです。
映像を見てて気づいたんですけど、『陽気な爆弾』の予想される軌道は御坂さんの放った電撃に『吸い込まれるように』描かれているんですよね。
おそらく、射程距離内にあるもっとも温度の高い場所に近付いて、一定の温度を超えると爆発するようになっているんです」
美琴「温度……成程、相性が悪いわけだわ。
私が電気を使えば使うほど私の方に近付いて来るようになってたのね」
初春「最初の固法先輩襲撃事件の時、途中から乱入してきた御坂さんに向かったのは『直前まで走っていた御坂さんの方が体温が高かったから』。
固法先輩はあの時既に失血が酷く、体温は三十五度を下回っていた。それなら御坂さんを狙うのも頷けます」
美琴「ってちょっと待って! それじゃあ今だって危ないんじゃ……」
初春「そこで、さっきのジャンケンなんですよ」
美琴「……えっと、初春さんが『パー』って話だっけ?」
初春「はい! まさか自分でもこんなにうまくいくと思ってなかったけど……こんな活用法があるなんて夢にも思いませんでした」
443:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 00:59:40.01 ID:9bY3MnVI0
初春の保温能力が戦闘で役に立ったのを初めて見た
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B004ASOL7Q/horiz-22/
458:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 01:08:34.13 ID:pEyCb4+V0
美琴「あ、そっか。保温能力!」
初春「白井さんも『陽気な爆弾』に触れていたみたいだし、私も触れるんじゃないかなぁって思って……
まず、私に飛び込んできた『陽気な爆弾』を『低温の膜を取り付けた』手で押さえる。
そして、魔法瓶の要領で『陽気な爆弾』の周辺に薄い『低温の膜』を貼りつけたんです。
だからこれ以上『陽気な爆弾』は低温の膜の先に到達することが出来ない。よって爆発する事もない」
美琴「だからジャンケンのパーとグー、ね。本当に助かったわ。でも、どうしてここが分かったの?」
初春「それはですねぇ……じゃじゃーん!」
美琴「……それってもしかして……」
初春「なんでも、御坂さんの位置が分かるGPSだとか。これぞ科学の勝利!」
美琴「……ねぇ、黒子」
黒子「……」 ダラダラダラダラ
美琴「実は起きてるって気付いてないと思った? まぁそんな事はこの際どうでもいいとして……どういうことかしらこれ」
黒子「……これは、その」
美琴「あら黒子、ケガだけじゃなくて汗も酷いわね。 どうする? 本当のことを言ったら……許してあげない事もないけど」
黒子「か、可愛い黒子のお茶目な恋心の暴走パートスリーですの!! テヘッ♪」
ビリビリビリビリビリィィ―――――!!
黒子「あみゃあああああああああああああ!!!!」
469:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 01:14:53.23 ID:pEyCb4+V0
美琴「でも、初春さんがそれを……っていうかなんで私の所まで来たの?」
黒子「ひ、酷い……許してくれるって言ったのに……」
初春「これまでの経緯を順に追って行って、御坂さんへの警戒を強めたまでです」
黒子「まさか、昨日の時点でそこまで読んでたっていうんですの!?」
美琴「昨日?」
黒子「はい。初春がGPS受信装置を貸してほしいと言ったのは昨日、固法先輩の事件が起こった後の現場検証の時でしたの」
初春「だって『殺戮の女王』ほどの犯人が『陽気な爆弾』の目撃者を見逃すなんてするわけないじゃないですか。
白井さんはいざとなれば瞬間移動で逃げ出す事が出来ますけど、御坂さんの場合はそうもいきませんし」
黒子「ですが、それならそうといっておいてくれればよかったじゃあありませんの!!
そうすれば黒子がお風呂だろうとトイレだろうと同行してお姉さまを守ったというのに!!!」
初春「ご、ごめんなさい」
美琴「いや、お手柄よ。なんにせよ初春さんが『このタイミング』で来てくれたから……犯人の顔も割れたわけだしね」
初春「会ったんですか、犯人と!?」
美琴「ええ。向こうは私たちを殺したつもりみたいだけど……楽しみだわ……目に物見せてやる……」
バチバチバチバチバチバチバチバチッ!!
黒子「お、お姉さま、黒子を背負った状態で帯電するのはあひいいいいいいいいいん!!」
479:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 01:22:35.84 ID:pEyCb4+V0
初春「ともかく! 白井さんの応急処置も済んだことだし、早速犯人追跡と行きましょう!」
黒子「ええ、ジャッジメントの腕の見せ所です……の……」
美琴「……先に救急車ね。それから……反撃開始と行きますか!!!」
――― 14:00
――― 14:10
┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"
吉良(クソッ、どうする……始末しそこなうとは思っていなかった……
なんで私がこんなに追い詰められなければならないんだ……今年の私は絶好調のはずじゃあないか……どうして私がここまで……)
ガリガリガリガリ……
初春「……信じられなかったけど……やっぱり貴方だったんですね……川尻さん」
吉良「……久しぶり、と言っても一日ぶりくらいか……今日はその二人と一緒なんだな……
出会いといい、昨日といい、今日といい、もしかしたら貴様が……私にとっての『不幸の女神』なのかもしれないな……」
┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"
吉良「そうは思わないか? なぁ、初春飾利」
初春「……ジャッジメントです。無駄な抵抗はやめて、大人しく降伏してください」
┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"
483:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 01:30:14.28 ID:pEyCb4+V0
吉良(……シアーハートアタックが帰ってこない以上……私自身がこの場で彼女たちを消すしかない……
しかし、ここは人通りも多い……あまり手の込んだことをすれば、周辺の奴ら全員私が『殺戮の女王』だと言ってまわるようなもの……
それに御坂美琴と白井黒子は『第一の爆弾』について知っている。あの能力じゃあ私の『爆弾化』させた物にどうとなりとも対応ができそうだ……)
ガリガリガリガリ
吉良(チィッ、何故私がここまで絶望しなければならないんだ……)
美琴「気付いてたの?」
初春「……可能性の一つとしては考えられたってだけですけど……」
ガリガリガリガリ
吉良(絶望……?)
吉良(フフフすっかり忘れていた……なんだ、あるじゃあないか。私にはまだ、切り札が……フフフフフハハハハハハハハハ!!!!
となるとまずは……『適応』する奴が必要だな……条件にピッタリ『合う』奴がこの学園都市に何人居るか……)
吉良(いや、居る……一人。私の知り合いで、この学園に居る、『無能力者』……!!)
――― 14:12
佐天「うーん、何かあったのか……私がとうとう愛想を尽かされたのか……」
佐天「……とりあえずケーキ頼んどこ。初春の分はぁ~っとぉ」
―――
486:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 01:33:08.00 ID:rR9LjY/7O
サテンサン!
490:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 01:36:14.51 ID:pEyCb4+V0
美琴「さぁ、腹括りなさい。こっからアンタ、地獄を見ることになるんだからねぇ!!!」
吉良(佐天涙子……『条件』にぴったり合う無能力者……
超能力者が『爆弾』になるかどうかは分からない以上、一か八かの危険を冒す事は出来ない。
その辺の通行人ですら超能力者である可能性がある以上、探し出すしかない。確実に『無能力者』だと分かっている彼女を……)
吉良(しかし、やはり運命の女神はまだ私を見捨てていなかった……!
このだだっ広い学園都市に何人いるかわからない無能力者に目処が立っているだけじゃあなく、その知り合いが目の前に居る。
何処に居るか……なんとか聞き出せないもんかな)
吉良「……今日は佐天涙子とは一緒じゃあないのか」
初春「あ……佐天さんとの待ち合わせ忘れてた……」
吉良(待ち合わせ……今は学生は夏休み、学校関連って事じゃあないだろう。
自宅での待ち合わせ? 初春飾利の恰好は制服に『風紀委員』って書かれた腕章……どうみても私服じゃあなさそうだ。
自分の家なら帰ってその場で着替えれば済むだろうが……初春飾利の性格上自分が居ない自宅を待ち合わせ場所にするとは考えられない。
じゃあ残ってるのは……佐天涙子自身の家か、その辺の店か、公共施設か……)
吉良(公共施設……学生が入れる公共施設と言えば『図書館』『病院』それに『市役所』『博物館』くらいだろうが……『市役所』ってのはまずあり得ない。
『病院』は固法美偉の見舞いって線もあるが、今までの会話の内容から考えるに佐天涙子はジャッジメントじゃあないみたいだから見舞いする道理もない。
……あのパーな頭なら精神科医ってのも考えられるがこの辺りに精神科医は無い……これも無し……)
吉良(佐天涙子の『あの』性格で『図書館』『博物館』もない。公共施設って線もないかな。
となると佐天涙子の自宅か、その辺の店の二つだな)
491:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 01:37:36.51 ID:pEyCb4+V0
吉良(少々面倒だが……カマを掛けるか)
吉良「最近よく思うんだが、なんで女ってのは無駄に金を使いたがるんだろうね。
待ち合わせの場所一つにしても街角やら『自宅』やらじゃあなく、やれ『喫茶店』だなんだと無い金叩いて騒ぎたがるんだ」
初春「うう、そういえば今月お小遣いがそろそろ厳しいんだった……
で、でも無駄なんかじゃあないですよ! だって、だって、あのお店のケーキおいしいじゃないですか!!」
吉良「……ケーキ……確かにこの前の喫茶店のショートケーキはおいしかったが、だからと言って昨日の今日で食うものじゃあないだろう」
初春「でもでも! あのお店綺麗だし! かわいい小物とかも……」
美琴「……ほのぼのした会話の最中で悪いけど……そろそろ本題に入りたいの、いいかしら?」
初春「あ、そうだった! ジャッジメントです!! 大人しくしてください!!」
吉良(……こいつら本物の馬鹿だな。少なくとも御坂美琴は私に警戒くらいはするべきだろう。
しかし……助かった、こいつらが馬鹿で。
おかげで『佐天涙子』の居場所が『昨日の喫茶店』だと分かった)
吉良(ここから『昨日の喫茶店』まで最短距離で『十分』。
電撃を出されると面倒だが……この電撃にも射程距離があるのは先の戦いで分かっている。
一気に射程距離から離れて、キラークイーンの打撃と第一の爆弾を併用しながら逃げ切る!
そうすれば後は『平穏で静かな生活』が待っているだけだ!)
┣"┣"┣"┣"┣"┣"
492:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 01:39:37.51 ID:4zw8bqlg0
馬鹿馬鹿言い過ぎwww
493:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 01:39:42.59 ID:0xT03wUIO
中学生の美少女の手か……
しっとりしてすべすべしてもちもちなんだろうな
495:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 01:43:28.70 ID:pEyCb4+V0
吉良「ジャッジメント、か。前回とは違って今回はいやに自信満々だな。
どうやってシアーハートアタックを切り抜けたのかは知らない。『知らない』……が。
もう一度聞いてやる、それくらいで私を止められると本気で思ってるのか?」
KQ『……』
┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"
初春「……念動力に、爆弾精製能力」
美琴「逆に聞くけど……そんなもんで今の私たちから逃げられるって本気で思ってるの?」
バチバチバチバチィィッ!
初春(み、御坂さんも、川尻さんも、怖いよぉ……)
吉良「質問に質問で答える、か。まぁいい……答えてやろう。『本気で思っている』からこうやって君達の前に出ているんだよ」
美琴「言ってなさい。逃げた所でアンタの外見はバッチリ覚えてる。その外見を風紀委員にチクればこの学園中から手配されることになるのよ。
ここでアンタが逃げようと私は絶対にアンタに辿り着いて怒りの鉄槌降してやる」
吉良「いいや、辿り着けないさ。なんせお前らは、『私に辿り着くと死ぬようになる』んだからな」
美琴「へ?」
シュッ!
美琴(……ッ、爆弾!?)
ビリビリビリビリィィィ―――――――!!
497:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 01:49:18.92 ID:pEyCb4+V0
吉良(残念、そいつはただの小石だ。そして……)
シュッ!
吉良(コイツが爆弾化した小石。これで始末出来れば万々歳だが、おそらくコイツもあの三人に辿り着く事はない。
まぁ、コイツの爆煙に紛れて私はここから逃げさせてもらおう)
美琴「って爆弾じゃない!?」
美琴「罠か!! それなら本命は、その後ろ!!」
バチバチィィッ!!
ビシッ
ドゴォォォ―――――――――ン!!
美琴「……居ない!?」
初春「早く追いましょう!!」
美琴「ええ!! ……しかし、この期に及んで逃げの一手ね。
とうとうあちらさんも万策尽きたってことかしら?」
初春(……違う。一個目の小石を放った瞬間、川尻さんは『笑って』いた……
きっとあるんだ。なにか、私たちの想像を絶するような『能力』が……)
初春(なにか見落としていることがある? この関連事件の中で……川尻さんの自信を裏付けるほどの何か……
この逆境をひっくりかえせるほどの切り札が……?)
500:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 01:55:10.51 ID:pEyCb4+V0
初春「……」
美琴「初春さん、川尻浩作の向かう場所になにか心当たりってある?」
初春(被害者の情報……確か、中高生五人に大学生三人、教育機関で働く研究者が三人……あと、昨日追加で一人、固法先輩)
初春(何か引っかかる……中高生人、内男性二人。大学生三人、内男性一人。教育機関の研究者三人、内男性一人。
被害者がほとんど女性である中でちらほら見える男性。女性同士、男性同士の友好関係は一切なし……)
初春(川尻さんは爆弾を生みだせる、しかも何らかの『起爆スイッチ』のような物と一緒に。
御坂さんの話と固法先輩の電話から察するに、爆弾に出来る物は小さな石か何か……)
初春(………………指輪、女性、関係、爆弾、相違点、男性、スイッチ、陽気な爆弾、無関係……)
┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"
初春「まさか……」
美琴「……あるの?」
初春(どうして気付かなかったんだろう、被害者は元から関係なんて無かった。ただ、『女性だけを』狙った犯行だったんだ。
関係性があったのは同性同士じゃあない。同性同士は無関係で……本当に関係があったのは、男性と女性!!
男性だけは単独の被害者じゃなく女性と同時に失踪していたことから気付くべきだった。
そして、たぶん川尻さんの『切り札』はそこに存在している!!)
初春「……佐天さんが危ない!!」
501:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 01:58:05.63 ID:4zw8bqlg0
一手、遅かったな
502:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 01:58:44.40 ID:g/4aoafEO
やっと追い付いたが、吉良派も禁書派も争いは見苦しいぞ。お互いの良さを受け入れようぜ。
509:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 02:03:36.44 ID:JpYBGGd70
>>502
カコイイ
504:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 02:00:50.40 ID:pEyCb4+V0
美琴「さ、佐天さん!? 今度はまた、なんで……」
初春「川尻さんの狙いが分かりました! 狙いはおそらく、佐天さんです!!」
美琴「へぇ!? い、いきなりなんで!?」
初春「川尻さんの最後の言葉、そしてあの余裕、おそらく川尻さんは私たちを『確実』に殺す『秘策』を持っている。
それはおそらく、『人間』を爆弾にする能力!!」
┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”
美琴「……なんですって」
初春「被害者の中の男性……おそらく彼らは全員被害者の女性のうちのどなたかと恋愛関係にあった。
それについては男性の被害者のうち何人かは確認が取れているし、状況証拠から見てもそうだろうと。
風紀委員は『二人一緒に居たところを襲われた』と見ていたけど、それ自体が間違いだったんです!!」
美琴「それでどうして人間を爆弾に出来るなんて」
初春「近付かざるを得ないからですよ。落し物には近付かない人がいるかもしれないけど、自分の知り合いが倒れていたら近付く。
それはまさに、狙ったものだけをおびき出す格好の餌になる……川尻さんはおそらく、それを狙ってるんです!」
┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”
美琴「……狙ったものだけをおびき出す餌……」
美琴「…………そんな、フザけた能力……ッ!」
┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”
516:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 02:07:19.59 ID:pEyCb4+V0
美琴「初春さん、佐天さんはどこ!?」
初春「えっと、この近くに新しく出来たケーキ屋さんで……」
美琴「よっしゃ、あの店ね!」
バチバチバチバチバチバチィィィィ!!!
美琴(電気で筋肉を刺激ッ! 普段動いてない部分を刺激することによって、運動能力を向上!
+私の向かう先と足元の磁場を操作して、リニアモーターカーの要領でフル加速ッ!!
これやると服焦げるし何日間か動けないほどキッツい筋肉痛になるから嫌なんだけど…………)
美琴「位置について、用意!!」
美琴「ドン!!」
ドシュン!!
初春「え、速ッ!?」
―――
美琴「背に腹は代えられないわよねェェェ――――ッ!!」
522:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 02:15:16.82 ID:pEyCb4+V0
吉良「……この先の交差点を曲がるんだったな」
美琴「待てコラアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!
吉良「なんだあの速さはッ!? 想定外だ……クソッ、あのクソカス小娘……『キラー・クイーン』ッ!!」
美琴(……こっちに向き直った。来るッ!!)
吉良「しばッ!!」
美琴「だっしゃあああああああああああああ!!!」
ドォン!!
吉良「飛んだッ!?」
美琴「念動力だかなんだか知らないけど避ければいいんでしょ!! ……そしてぇぇぇ!!!」
吉良(……マズイ、構えている。あの『コイン』が来る!)
美琴「喰らええええええええええええええええ!!!!」
ビリビリビリビリビリビリィィィ――――――――!!!!
吉良「『キラー・クイーン』! 叩き落とせッ!」
ドガアアアアアアアアン!!
535:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 02:21:08.59 ID:pEyCb4+V0
┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”
美琴「……言ったでしょ、逃がさないって。キラークイーンさん?」
┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”
吉良「……あと少しだというのに……」
┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”
美琴(……さっきの戦闘から考えて、川尻浩作の念動力の射程距離はせいぜい2~3m。近付かれなければ、念動力は警戒しなくてもいい。
本当に怖いのは『爆弾精製能力』。あの男の一挙手一投足に集中して、爆弾を作らないように見張ってなきゃあいけない……)
吉良(この勝負……一見追いついた御坂美琴に分が有るように思えるが……それは違う。
周辺全部を巻きこむ勢いで暴れようと、結果として『佐天涙子』に辿り着ければ……私はそれで充分なんだ)
――― 14:18 カチッ
吉良「ここでの戦いを含めて……あと五分ってところかな」
美琴「あら、それは貴方の寿命がって事かしら?」
吉良「さて、どうだろうね」
ピトォッ!
美琴「……!」
542:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 02:26:24.32 ID:pEyCb4+V0
吉良「この街……」
吉良「この数週間じっくり観察させてもらったが……いや、実にすばらしい街だ。
ビルの山でゴミゴミしているように見えるが、自然も多いし、空気も綺麗だし……」
美琴(街燈に触ってるけど……まさか、あれも爆弾に出来るなんて言わないわよね)
吉良「それに何より、能力者が『目立たない』ってのがいい。杜王町と同じくらい理想的な街だと思うよ」
美琴(どうしよう……さっきの音を聞いて人が集まってきてる……あんまり暴れられたら、マズイかも)
吉良「なぁ、そうは思わないか? 御坂美琴」
美琴「さぁね。私にとっていま重要なのは、アンタを押さえつける収容所を探すのが面倒だなってことくらいよ」
吉良「やれやれ、穏やかじゃあないな」
吉良(……あの目……この『街燈』を疑っている目だ……御坂美琴に対しては罠としても使えないだろうな……
でも、他人が近寄ろうとすればすぐにでもこの街燈をブッ壊すだろう……狙うとすればそこか?)
美琴(あの指輪であそこまで爆発が起こせるってことは……あの街燈みたいにデカイ物を爆発させられたら……
いや、でも……さっき川尻浩作は、自分の爆発でコートを焦がしていた……つまり、『爆発』の被害は受けるってことだし)
吉良(接触爆弾……私が手を放して次に何かが『触れ』た瞬間、この街燈は爆発する。
それは無能力者だろうと、能力者だろうと一緒だ。……さて)
吉良「それじゃあ、始めようか」
美琴「そうね、そろそろ私も病院に行きたいし」
545:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 02:33:02.04 ID:pEyCb4+V0
吉良(御坂美琴の能力は厄介だ。単純だが。応用が利く。どう対応するか)
美琴「さすがにさ、街中じゃあ派手に動き回れないのよね。私の能力って。ぶっ放す物も威力や被害を考えなきゃいかない。
地面を伝わせて能力を使うってのも考えたけど……アンタを気絶させるほどの電流は流せないし、アンタ『程度』の為にこの辺りの電気回線を駄目にするのも癪だし」
パチィッ!
吉良「だろうね。平穏に暮らしたいだけの私じゃあもてあましそうな能力だしな」
美琴「かといってさっきの超加速使って接近すると今度はアンタの念動力にブン殴られる恐れがある……そこで」
バチバチィィッ!!
美琴「アンタとの距離を保ったまま、『再起不能』になってもらう事にしたわ」
吉良「へぇ、どんな風に……」
┣”┣”┣”┣”┣”┣”
吉良(……? 嫌にダルいな…………これじゃあまるで……)
┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”
美琴「まだ気付かない? まったく、この程度の奴に殺されかけてたなんて」
吉良(ダルいんじゃない……『重い』んだ!! それこそ、身体が『鉛』にでもなったように!!)
美琴「抵抗は無意味よ。アンタが何をしようと、もう『出来あがってる』んだから」
吉良(なんだ……何をされた!? 一体なにが……)
548:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 02:39:12.64 ID:pEyCb4+V0
吉良(落ち着け……考えるんだ……電力を利用して私の身体に異変を起こす方法……
たぶん、さっきの『コイン』……狙いは『私』じゃあなく、『私にコインを弾かせ、今起こってる何かへの伏線を張る事』だったんだ……
問題はその何か……しかし、『何か』が分からない事には、対応のしようがない……)
美琴「じゃ、これでどうかしら!」
トン!
吉良(足踏み……)
パチ!
吉良(なんだ今のは……弱い電気を流してきた……?)
ズシィ!
吉良「……グッ!?」
┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”
吉良(今、電流を喰らった瞬間確かに『重く』なった!!
これ以上電流を流されると、しまいには身動きが取れなくなる……ッ!)
美琴「それじゃあもう一回!」
トンッ
吉良(何が起こっているかは分からないが、避けておいた方がいいのは確かだ)
ピョォン
555:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 02:45:19.73 ID:pEyCb4+V0
グィィィ――――z____!
吉良「な、なにィィ―――!?」
・ ・ ・ .・ ・ ・ ・
吉良「じ、地面に『引き寄せられる』ッ!? マズいぞ、これじゃあ……!」
バチィッ!!
ズシィッ!
吉良「ぐぅぅぅぅ!! ま、まただ……また『重』く!」
美琴「どう? ここまできてもまださっき見たいに軽快に走って逃げられる?」
吉良(……御坂美琴の能力、電撃、さっきの現象……成程、なんとなくではあるが分かってきたぞ。
おそらく最初の『コイン』に帯電していた電気で私のコートやら何やらを『磁石』にしたんだ……
そして地面を伝わせた電気でその『磁石』の磁力を強めた……引き寄せられたのは、あのクソカス小娘が周囲の磁場を操っているから……
なんて能力だ……事と次第によっちゃあ東方仗助のスタンドと同等以上の脅威だぞ、コイツの能力は……)
吉良「しかしッ!」
ズダンッ!
美琴「……まだそんなに飛び上がる事が出来るのね」
吉良(キラークイーンの『足』を使えば無理矢理ではあるが移動する事が出来るッ!
生意気な顔で余裕ブッこいていられるのも今のうちだぞ!!)
美琴「でも……残念でしたぁ~」
グググ……
559:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 02:50:54.29 ID:pEyCb4+V0
グィィィィ――――――――――z__________!!!
ビダァァンッ!!
吉良「ぐ、ぐあ!!」
美琴「さっきの電撃でアンタの身体はアンタが思っている以上に強い『磁石』になってるのよ。
どう? 街燈に磔にされた感想は。『磔刑』っていうのかしら? 犯罪者にはお似合いのポーズね」
吉良「ぐ……この、クソカス、小娘が……」
美琴「そ・し・て! これでアンタを完全に拘束できた。さぁ、処刑の時間よ……この状況なら、右手を使わずに『処刑』するなんてワケないわね」
吉良(……やはり、女神は私に微笑んでいるんだろうな。私が引きつけられたのは、『接触爆弾』の街燈ではなくその逆側の街燈……なんとか一発再起不能にはならなくて済んだ……
しかし、どうする……コート・シャツ・ズボン、全てが『ピッタリ』と街燈に張り付いて離れない……これじゃあ脱いで逃げるってワケにもいかないし。
爆弾化を解除して別の物を爆弾にするか? 駄目だ……そんな事しても爆弾化させる物が無いし、仮に爆弾化出来てもこの位置じゃあモロバレだ)
バチバチバチバチィィィィ!!
美琴「動けないアンタに、この距離……外さないわよ」
吉良(……『コイン』、『爆弾化した逆側の街燈』……どうする、この距離であの速さ・威力は何度も防げるもんじゃあないぞ……ッ!)
美琴「いっけええええええええええええええええ!!!!」
吉良(……あったッ! 一つだけ、この状態を切り抜ける方法が!!
しかし、上手くいくか……いや、やるしかないッ!!)
ピンッ!
ズギャァァァァァアアアアアアアアアアアアアンンンン!!!
561:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 02:56:08.95 ID:pEyCb4+V0
吉良「しばッ!!」
ボガァッ!
ガゴォォン!
吉良「よし、はたき落とした!!」
美琴「まだまだぁぁぁ――――!!」
ピンッ!
ドギャアアアアアアアアアアアァァァァァン!
吉良「は、速いッ! さっきよりも、速く……」
美琴「そりゃそうよ。アンタ自身が超強力磁石になってるんですからね。
コインに磁力を与えれば、コインが引き付けられる力も当然生まれる」
ズドォォオオォォォォン!!!
吉良「ぐ……がふっ! キラークイーンだけでは、衝撃を消しきれない……ッ!! しかし」
美琴「よっしゃ、命中ッ!! これで右腕の借りは返したわ。それじゃあ!!」
・ ・ ・ ・ ・
吉良「……『それじゃあ……』」
┣”┣”┣”┣”┣”┣” ┣”┣”┣”┣”┣”┣” ┣”┣”┣”┣”┣”┣”
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
吉良「君が借りを返し終わったって言うんなら、『私は逃げさせてもらうよ』ッ!」
美琴「なにッ!?」
565:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 03:01:06.70 ID:pEyCb4+V0
―――
初春「居た! 御坂さん!!」
メキメキメキッ……
初春「……この音は」
バキバキィッ!!
初春「が、街燈が……いきなり根元から傾いたッ!?
だけじゃない、あれは……」
グルゥゥ~~~~~~~
初春「傾いた街燈が……根元を軸に回転して、川尻さんが張り付いてる街燈に……後ろから……」
カチッ!
ドゴォォォォォ――――――――――――ン!!!!
吉良「ぐぁぁぁああああああ!!!!」
初春「ば、爆発!? あれも爆弾だったの!?」
初春「とにかく周辺住民の避難! そして、出来るだけ早く、佐天さんを保護しないと!」
初春(……御坂さん、信じてますからね……)
567:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 03:07:11.22 ID:pEyCb4+V0
吉良(一発目のコインを弾いたのは、身体を守るためじゃあない……街燈を支えるコンクリートを破壊するためだ。
そして二発目の『コイン』……二発目のコインを『あえて』喰らうことで、逆に利用させてもらったよ。お前の力を……
読んでいたさ。御坂美琴……お前が速度を上げるために『磁力を帯びた』コインを撃ってくるのは……そして……)
吉良(そのお前の『私を追い詰める』ための『能力』で、『私の逃亡』は完成する! 二発目のコインをあえて喰らうことで先ほどとは比べ物にならない『磁力』が私に蓄えられた。
それこそ、『向かいで傾いている街燈』をこちらに『引き寄せるほど』なぁ!!)
吉良「……勿論無傷とは言えない……だが、『街頭一本分の壁』!! それだけ衝撃が消せれば充分だ!!
そして!!」
美琴「ば、爆発!! やっぱり街燈が爆弾になってたのね! ってそれより、川尻浩作は……
クソッ、爆風で前が……」
ギュゥゥゥゥ――――――z___________ン!!!
吉良「しばッ!!」
┣”┣”┣”┣”┣”┣”!
美琴(……爆風を使って、直線でコッチに飛んできた!? でも、これならしゃがめば避けられる!! 何が起こったのかは分からないけど……まだ戦おうってするんなら、もう一発ブチかますまで!!)
美琴「ちぇえええりゃああああああああああああああ!!!!」
バチバチバチバチバチバチバチバチィィィィ――――――――!!!
┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”!!
吉良「 か か っ た な ア ホ が !」
┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”!!!!
573:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 03:12:50.56 ID:pEyCb4+V0
吉良(迎撃の『三発目のコイン』! それこそ私の『逃走経路』だ!!)
ドガァァァァァ―――――――ン!!!
美琴「命中ゥ!」
吉良(街燈の爆発の余波と三発目のコインのエネルギーを使って、一気に奥の道路までフッ飛ばされ……)
┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”
グィィィ――――――z_________……
ビタァァン!!
┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”
美琴「……嘘」
吉良「フフフフフフ……ハハハハハハハハハハハ!!!! やった、成功したぞ!! 幸運の女神は、私に微笑んでいるんだッ!!」
美琴「磁力で道路を走ってた車に張り付いて……しかもあの方向は……マズいッ!!」
―――
吉良「一気に、例の喫茶店まで逃げさせてもらう……」
運転手「な、なんだアンタ! なに人の車に勝手に張り付いてんだよ!!」
吉良「いや、すまない……もう少しだけ同伴させてもらうよ」
運転手「同伴って……」
吉良(……磁力が弱まった。御坂美琴の射程距離を外れたか? ……どうでもいい、このまま突っ込ませてもらう!)
575:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 03:17:24.97 ID:pEyCb4+V0
美琴「ッチィッ! 逃がすかァァァァ――――!」
バチバチバチバチィィ!!
美琴「川尻浩作の磁力を解除! 上手い事車から振り落とされてくれればいいんだけど、望み薄よね。
もっかいあれで追うしかないッ!!」
ズダンッ!
―――
吉良「なぁ、運転手さん」
運転手「な、なんだよ」
吉良「先に謝っておくよ。すまない」
運転手「はぁ!? 何を」
吉良「『キラー・クイーン、第一の爆弾』ッ!! タイヤを爆弾に変え……点火ッ!!」
ドガァァァァ――――――――ン!!
運転手「うわ、何事!? い、いきなりタイヤが……」
ギャリギャリギャリギャリィィィィィィィ――――――――z___________!!
ドゴォォォォォ――――ン!!
美琴「……川尻浩作の張り付いてた車が……壁に突っ込んだ」
577:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 03:22:00.43 ID:pEyCb4+V0
――― 14:24
佐天「……おーそーいー……電話にも出ないし……」
ドゴォォォォォ――――ン!!
佐天「って、うわっ! 何今の音、何事!?」
―――
ざわ・・
ざわ・・
佐天「うっわー……壁に車が突き刺さってる……」
佐天「これは酷い……さすがに中の人も……なむなむ」
カツッ……ズズ……カツッ……ズズ……
佐天「あれ……誰か車の傍から……」
カツッ……ズズ……カツッ……ズズ……
吉良「……見つけた」
佐天「あ、あれ……川尻さんじゃないですか。大丈夫なんですか!?」
吉良「……心配いらないよ。私は絶好調だからね」
佐天「で、でも、身体中のいたる所から血が……」
581:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 03:27:16.88 ID:pEyCb4+V0
美琴「佐天さん!!」
佐天「お、あれ、御坂さんだ! おーい!」
美琴「逃げてええええええええええええええええ!!!!」
┣”┣”┣”┣”┣”┣”
佐天「に、逃げ!?」
┣”┣”┣”┣”┣”┣”
吉良「『ミロのヴィーナス』……」
佐天「へ?」
吉良「知っているかい? 『ミロのヴィーナス』……よく美術の教科書なんかに載っているアレだよ」
佐天「え、ええ。そりゃあ、まぁ」
吉良「おかしいと思ったことはないかい? どうしてあんな作品が世間で『最高』クラスの彫刻ともてはやされるのかと。
あれは作品として『不完全』だ……なんせ、両肩から先がスッパリ無くなっているんだからね」
佐天「えっと……川尻さん、なんでいきなりそんな話を……」
┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”
吉良「世界のボケどもがアレをどれだけ絶賛し、万雷の拍手を送ろうと……私はあれを『美術品』とは認めない」
┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”
583:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 03:32:09.19 ID:pEyCb4+V0
吉良「昔、あれを教科書で見た瞬間……無意識のうちに私はあのページを破り捨てていてね……
不完全だから? ……違う。 美術品とは『美しい』から美術品だから……『ミロのヴィーナス』が美しくないからだ」
吉良「手が無ければ、人は生きて行く事が出来ない。というのにその大切な……人間の生の証ともいえる『手』が無い『ミロのヴィーナス』がどうして美術品と言えるんだ……
私から言わせれば、あれはその辺の石クズと変わりない……」
┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”
佐天(……これは何? もしかして口説き文句か何かなの?)
吉良「……なぁ、美智子さん……それに、黒子さん」
┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”┣”
佐天「ッ!? か、川尻さん! そそそそそそれ、それって」
吉良「……ああ、すまない。驚かせてしまったかな。でも、美智子さんの方は知らなくても仕方がないけどこっちは君のよく知る『両手』なんだけどなぁ。
まぁそれは少し前までの話で、今は私の可愛い可愛い彼女だ。どうだい? あんな石クズとは違って『人間の生』が詰まった……まさに美術作品と呼ぶにふさわしい造形だろう?」
佐天「ま、まさか……川尻さん……」
吉良「おっと、そういえば自己紹介がまだだったね。私の名前は実は川尻浩作じゃあないんだ。
私の名前は吉良吉影……間違えないようにしてくれよ。『君』が『鍵』なんだから」
――― 14:25 カチッ
初春「御坂さん!!」
美琴「分かってる!!」
586:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 03:37:23.49 ID:pEyCb4+V0
佐天「吉良、吉影?」
吉良「ここからは誰にも話しちゃあいけない秘密だ。きちんと覚えておいてくれ。
私の正体は巷で有名な『殺戮の女王』、能力は『物を爆弾に変える』、今までに合計で六十人以上の女性を殺してきた」
初春「佐天さん!」
吉良「おっと、邪魔者が集まってきた。そろそろおしゃべりも終わりにしよう」
吉良「いいか、佐天涙子」
吉良「『絶対に』私の正体を喋るんじゃあないぞ」
吉良「私はもう後には引けない、正体がバレた、能力もバレた、放っておけば死ぬほどに傷も深い、さらに目立ち過ぎた!
しかし、この窮地は……この『絶望』は、私の精神を大きく、大きく成長させるッ!!」
美琴(寸分でもハズせば佐天さんに当たる、でも打たなきゃ川尻浩作が佐天さんを爆弾に……考えてる暇なんてない)
美琴「ハズさなきゃ良いだけ!! このおおおおおおおお!! 吹っ飛べ川尻浩作ゥゥゥ――――――!!!」
バチバチバチバチィィィィィ―――――――!!!!
ズギャアアアアアァァァァ――――z________ン!!!
吉良「いいや、限界だ! 『押す』ねッ!!」
カチッ!!
ドグォォォ―――――z______ン!!
592:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 03:39:25.25 ID:pEyCb4+V0
――― 14:26
――― 13:26 カチッ
とある科学の超電磁砲 X話 『時間爆弾(バイツァダスト)』
・吉良 吉影
バイツァダストも発動できたし、深い絶望から立ち直ってハッピー。
このまま『一時間』をやりすごして御坂美琴、白井黒子、初春飾利、佐天涙子、固法美偉を殺す。
平穏な生活はすぐそこだフゥハハー!
・佐天 涙子
吉良吉影の正体を知った状態でバイツァダストを仕掛けられる。
< To Be Continued... | |
\┌────────┴┘
593:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 03:39:54.43 ID:gAZYQrNc0
まじで寝れんじゃないか……
594:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 03:43:03.86 ID:kucAb9TP0
wktk
595:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 03:43:28.29 ID:JpYBGGd70
ここからが大事だよなぁ
597:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 03:46:08.12 ID:pEyCb4+V0
いい佐天スレの三つのTが必要なんだ……
一つ目は『とにかく奇抜なネタ』
二つ目は『とりあえず投下』
三つ目は、『途中で放り投げる』
いいだろ? 佐天スレの三つのTだ
599:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 03:47:29.77 ID:TETSbAOG0
>>597
「今日」は途中で放り投げろ
明日またここに来て投下しろ
いいな
600:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/08(木) 03:47:49.49 ID:pEyCb4+V0
寝ます、探さないでください
続きは後日
佐天「バイツァダストを打ち破る能力かぁ……」
くらいで建てます
No related posts.
最近のコメント