カツオ「誰にメンチ切ってんだ、コラ・・・!」
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/25(金) 10:09:05.12 ID:/g1FbMSF0
学生「え・・・み、見てませんよ」
カツオ「あぁん!?」
カツオ「んじゃテメエ・・俺が嘘ついてるってのか・・?」
学生「そ、そんな・・!」
カツオ「舐めてんじゃねーぞコラァー!!」
学生「ひぃーっ・・!」
磯野カツオ、16歳・・・
彼は札付きの不良少年となっていた・・・!
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/25(金) 10:13:11.31 ID:/g1FbMSF0
短く刈り込まれた髪に、ひときわ鋭い剃り込み・・・
その容姿から彼は、“鬼ゾリのカツオ”と呼ばれていた
カツオ「俺っち傷ついたべ? 慰謝料よこせや」
学生「ぼ、僕、お金もってません」
カツオ「あぁん!?」
中島「よう磯野~」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/25(金) 10:17:54.67 ID:/g1FbMSF0
カツオ「おう中島」
中島「何やってんだ?」
彼の名前は中島・・・幼い頃からのカツオの親友である
ニヒルな丸グラサンをかけた彼は、“策士の中島”と呼ばれていた
カツオ「この餓鬼が俺を嘘つき呼ばわりするんだよ」
中島「ほー」
中島「おい兄ちゃん・・俺のダチに何してくれてんだ・・?」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/25(金) 10:21:08.45 ID:/g1FbMSF0
学生「い、いえ、僕は・・・」
中島「金よこせや」
学生「も、持ってません!」
カツオ「その場でジャンプしてみろよ」
学生「・・・」
カツオ「おら、どうした?」
中島「口に聞いても答えないなら・・・体に聞くしかねーな」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/25(金) 10:23:59.92 ID:/g1FbMSF0
中島はいつも金属バットを持ち歩いていた・・・
中島「野球しようぜ」
学生「えっ・・」
中島「お前がボール役な。俺はバッター」
学生「は・・・?」
カツオ「おっ、いいね~。んじゃ俺はピッチャーな」
カツオ「んじゃこの餓鬼、お前の所へ投げま~す」
中島「あいよー」
学生「や、やや・・・やめてください・・!」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/25(金) 10:27:34.01 ID:/g1FbMSF0
カツオ「おら、来いよ」 グイッ
学生「ひいっ!」
カツオ「いくぞー」
中島「来いや。フルスイングでかっとばしてやる」
カツオ「ピッチャー振りかぶって第一球を・・」
学生「か・・・勘弁してください!!」
学生「お金払いますから・・・」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/25(金) 10:31:16.91 ID:/g1FbMSF0
カツオ「あん?」
学生「は、払います・・・」
カツオ「ったく、最初からそうしろよ」
中島「財布もよこせよ。売れるからな」
学生「は、はい・・・どうぞ・・」
カツオ「どれどれ・・チッ、しけてやがる」
中島「磯野、ラーメンでも食いに行こうぜ」
カツオ「おう」
彼らはまさに悪行の限りを尽くすワルであった・・・
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/25(金) 10:40:19.00 ID:/g1FbMSF0
カツオ「ただいま」
マスオ「お・・カツオきゅんか・・・」
彼の名前は、フグ田マスオ
カツオの義兄である
彼は三年前にリストラをされ、自暴自棄となり
すっかり不良中年に・・というか廃人と化していた
カツオ「義兄さん、またアンパンやったの」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/25(金) 10:43:30.11 ID:/g1FbMSF0
カツオ「最近やりすぎじゃない?」
マスオ「・・あぁ・・うぅん・・・」
マスオ「もういいんだ・・僕ぁ・・ヘヘヘ」
カツオ「死なない程度にしときな」
ワカメ「兄貴~」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/25(金) 10:49:34.00 ID:/g1FbMSF0
カツオ「お、ワカメ」
ワカメ「ちょっと話があるんだけど」
彼女の名前はワカメ・・・カツオの妹である
女の命である髪を、兄とお揃いのように短く刈り込み
さらに顔面ピアスだらけのその容姿は
語らずとも、彼女が非行の道をひた走っていることは明らかだった
カツオ「どうした?」
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/25(金) 10:57:09.84 ID:/g1FbMSF0
ワカメ「最近、××校の奴らが調子こいてんだヨ」
カツオ「ほう」
ワカメ「兄貴、そのへん顔きくでしょ。一発ビシッと言ってやって」
カツオ「わかったよ」
カツオ「ところで、タラオはまだ帰ってないのか?」
ワカメ「あいつならまたどこかで暴れてるんじゃない」
カツオ「そうか」
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/25(金) 11:04:21.95 ID:/g1FbMSF0
翌日
カツオ「お前ら、××校のモンか?」
不良1「は?」
中島「聞いてんだよ」
不良2「何スか、あんたら」
カツオ「お前ら最近、ちょっと元気が良すぎるんじゃないかな~」
不良1「あ?」
不良2「喧嘩売ってんの?」
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/25(金) 11:07:46.34 ID:/g1FbMSF0
カツオ「よせよ。別に喧嘩してーわけじゃねえんだ」
中島「ただ俺たちは忠告にきたのさ」
不良1「ああん・・?」
不良2「厨房だと思ってなめんなよコラ・・・」
カツオ「やめとけ、俺達つえーぞ」
中島「ま、どうしてもやるってんなら・・」
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/25(金) 11:10:47.93 ID:/g1FbMSF0
カツオ「かかってきな・・・!」
不良1「オラァー!」
・・・
カツオ「ふう、ざっとこんなもんか」
中島「ま、所詮、厨房だわな」
不良1「つ、強え・・」
カツオ「これに懲りたら、あんまイチビんじゃねーぞ」
不良1「てめえら・・・覚えとけよ・・・」
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/25(金) 11:16:22.70 ID:/g1FbMSF0
数日後
カツオ「ん・・・」
不良1「へへ・・よう」
カツオ「何だよ。またイジメられに来たのか?」
不良1「バカヤロー、復讐にきたんだよ」
カツオ「何度やっても同じだぜ」
不良1「俺じゃねーよ。相手は・・・」
カツオ「何・・・?」
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/25(金) 11:19:04.94 ID:/g1FbMSF0
不良1「親父・・・」
アナゴ「おう」
カツオ「な・・」
不良1「へへ俺の親父・・・現役ヤッチャンなんだぜ」
アナゴ「おいおい、大きな声で言うな」
アナゴ「息子が・・・世話になったようだな・・」
アナゴ「ん?」
カツオ「アナゴさん・・・」
アナゴ「・・あ・・・カツオ君か・・?」
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/25(金) 11:23:35.05 ID:/g1FbMSF0
不良1「え・・知り合い・・?」
アナゴ「いや、何というか・・・」
アナゴ「前に勤めていた会社の、同僚の息子だ・・」
アナゴ「昔の話だがな・・・」
カツオ「まさかアナゴさんがヤッチャンになっていたなんて・・」
アナゴ「・・・」
アナゴ「カツオくぅ~ん・・僕はね・・曲がったことが大嫌いなんだよ・・」
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/25(金) 11:27:58.63 ID:/g1FbMSF0
カツオ「あわわ・・・」
アナゴ「息子の借りを返させてもらうよ・・」
アナゴ「死ね」
・・・
アナゴ「こんなもんでいいか?」
不良1「う、うん・・・ちょっとやりすぎかな・・」
カツオ「ゲホッ・・・ガハッ・・」
アナゴ「カツオくぅ~ん・・・世の中ナメちゃいけないよ・・・」
アナゴ「じゃあな」
111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/25(金) 11:37:18.27 ID:/g1FbMSF0
カツオ「ただいま・・・」
波平「む・・」
波平「ど、どうしたんだカツオ!」
磯野波平・・・カツオの父親である
彼は勤めていた会社を退職し
現在は自宅のそばに工房をかまえ
そこで極道専門の刺青師を営んでいた・・・
118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/25(金) 11:43:28.01 ID:/g1FbMSF0
波平「誰にやられたんだ!?」
カツオ「・・アナゴさんに・・・」
波平「アナゴ!?」
カツオ「アナゴさんが・・・ヤクザになってて・・」
波平「アナゴか・・・最近よく聞く名前だ」
波平「たった一人で組を起こし、ここ数年で爆発的に勢力を拡大している」
波平「そんな男に・・・カツオ・・」
128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/25(金) 11:49:19.55 ID:/g1FbMSF0
ワカメ「ごめんね、兄貴」
ワカメ「アタイが頼んだばっかりにこんな事に・・」
カツオ「気にすんな」
ワカメ「・・アナゴさんにリベンジするの?」
カツオ「当然」
ワカメ「で、でも! 相手はヤッチャンだよ・・・」
カツオ「・・・」
133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/25(金) 11:52:55.72 ID:/g1FbMSF0
数日後
カツオ「ここか・・・アナゴ組の事務所は・・」
中島「お、おい、磯野・・・」
中島「マジでやるのか・・?」
カツオ「当たり前だろ」
中島「・・・」
カツオ「何だよ。ビビってんのか?」
中島「そ、そんなことねーよ!」
カツオ「よし・・・行くぞ・・!」
136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/25(金) 11:56:20.21 ID:/g1FbMSF0
ガシャーン
カツオ「おらあー!」
中島「鉄砲玉だー!」
カツオ「あれ・・・」
カツオ「誰もいないのか・・・?」
ノリスケ「なんだよ騒がしいな・・・」
143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/25(金) 11:59:22.05 ID:/g1FbMSF0
カツオ「ノリスケおじさん・・・?」
ノリスケ「あ・・カ、カツオ君?」
カツオ「ひ、久しぶり・・・」
カツオ「何でこんな所にいるの・・?」
ノリスケ「・・・」
ノリスケ「僕いま・・・アナゴ組の構成員なんだよね・・エヘヘ」
148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/25(金) 12:03:20.09 ID:/g1FbMSF0
カツオ「え・・・」
カツオ「ま、まさかノリスケさんまでヤクザに・・」
ノリスケ「まあね」
カツオ「何で・・・」
ノリスケ「仕方ないよ。こんな時代だもん」
ノリスケ「不景気だし、ヤクザにでもならなきゃ、やってられないじゃん」
カツオ「・・・」
ノリスケ「で、何? 君たち鉄砲玉?」
ノリスケ「それじゃ・・・排除させてもらうよ」
155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/25(金) 12:09:55.66 ID:/g1FbMSF0
ノリスケ「ほら、これ見て。本物のピストルだよ」
カツオ「あわわ・・・」
ノリスケ「僕、これ手に入ったとき嬉しくてさ」
ノリスケ「誰かを撃ってみたくて仕方ないんだよね・・・」
カツオ「や、やめて・・」
ノリスケ「さよなら、カツオ君・・・」
バリーン
ノリスケ「だっ、誰だ!?」
タラオ「ったく・・・世話の焼ける伯父だぜ・・」
162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/25(金) 12:15:34.66 ID:/g1FbMSF0
カツオ「タラオ!」
タラオ「よっ。ピンチか?」
フグ田タラオ・・・カツオの甥である
まだ小学生ではあるが、成長ホルモンと男性ホルモンの過剰分泌により
すでに身長は180㎝を超え、逞しい筋肉美をほこっていた
この地域では最強と噂される、伝説のヤンキーである
タラオ「ヤクザごときに手こずってんじゃねーよ」
168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/25(金) 12:19:29.42 ID:/g1FbMSF0
カツオ「どうしてここに・・・」
タラオ「ワカメから聞いたんだよ」
ノリスケ「タラオだと・・・しゃらくせえ」
ノリスケ「死ねっ!」
パンッ
タラオ「よっと」 ヒュッ
ノリスケ「な・・・」
タラオ「無理すんなオッサン。チャカ持つ手が震えてるぜ」
177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/25(金) 12:24:10.06 ID:/g1FbMSF0
タラオ「今度はこっちから行くぜ!」
ノリスケ「はわわ・・」
バキッ
ノリスケ「ぐはっ・・・」 バタッ
中島「い、一撃で・・・強い・・」
カツオ「タラオ・・・ありがとな」
タラオ「余裕だよ」
アナゴ「う~ん・・・何の騒ぎだ~・・?」
179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/25(金) 12:29:15.93 ID:/g1FbMSF0
カツオ「アナゴ・・・」
タラオ「あいつが組長か」
アナゴ「あららノリスケ君が・・・」
アナゴ「酷いことしてくれたね~・・・」
タラオ「ようオッサン」
カツオ「お、おいタラオ!」
アナゴ「何だい?」
タラオ「伯父が世話になったな」
359 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/26(土) 17:40:57.36 ID:hnE1CC+c0
ごめん>>1です
>>179のつづき↓
ノリスケ「く、組長・・」
カツオ「あ、目覚めやがった」
アナゴ「ノリスケくぅん・・・大丈夫かい?」
ノリスケ「す、すいません・・・」
アナゴ「いいんだよぉ・・・よくやってくれた」
アナゴ「褒美に良いものをあげよう」
ノリスケ「え・・良いものですか?」
アナゴ「ああ・・・」
アナゴ「地獄行きのパスポートだ」
361 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/26(土) 17:45:59.04 ID:hnE1CC+c0
アナゴ「死ね」 チャキ
ノリスケ「な・・・」
パンッ
ノリスケ「がはっ・・」 バタッ
カツオ「あっさり舎弟を殺しやがった・・」
アナゴ「僕はね・・・利用価値のない人間には興味ないんだよ」
タラオ「おいオッサン、勝負しろや」
アナゴ「タラオ君・・・」
アナゴ「気に入った!」
365 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/26(土) 17:50:08.47 ID:hnE1CC+c0
タラオ「あ?」
アナゴ「気に入ったよ! 君の強さ、申し分ない!」
アナゴ「どうだね。ウチの組に入らないかい?」
アナゴ「君なら即、幹部だ。いや、副組長の座を与えよう」
アナゴ「そして将来は二代目襲名だ!」
カツオ「おいおい、何を言いだしてんだ・・」
カツオ「相手にすんなタラオ」
タラオ「おっさん・・・それマジの話か?」
367 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/26(土) 17:53:06.40 ID:hnE1CC+c0
アナゴ「ああ、もちろんだ」
タラオ「じゃあ俺、入るぜ」
カツオ「おいタラオ!」
タラオ「じゃあな。しばらく家には帰んねーから」
カツオ「何言ってんだよ・・」
アナゴ「カツオ君たちにも迷惑かけたね。はいこれ」
カツオ「なんだこれ?」
アナゴ「1,000,000円の小切手だ。受け取ってくれ」
カツオ「は・・?」
アナゴ「いいから持って行きなさい」
369 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/26(土) 17:57:48.21 ID:hnE1CC+c0
アナゴ「ではタラオ君、杯を交わしに食事でも行こうか」
タラオ「おう」
タラオ「じゃあな、カツオの伯父さん」
カツオ「・・・」
中島「・・・」
カツオは百万円の小切手を握りしめて立ちつくしていた・・・
372 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/26(土) 18:02:56.57 ID:hnE1CC+c0
アナゴ組との抗争も一件落着し
カツオたちは再び元の生活へと戻っていた
カツオ「百万円、何に使おうっかな・・・」
花沢「磯野くん!」
374 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/26(土) 18:07:31.15 ID:hnE1CC+c0
花沢「おはよー!」
カツオ「・・・チッ」
彼女の名は花沢花子・・・
関東レディース連合『セクシャルエンペラー』の総長であり
幾多の猛者を蹴散らしてきた武闘派スケバンである
花沢「今日はいい天気ねー!」
カツオ「・・・ああ」
376 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/26(土) 18:15:30.32 ID:hnE1CC+c0
彼女は、カツオに対して幼い頃から恋心を抱き
現在は肉体関係の仲にある
花沢は相思相愛だと思いこんでいるが
カツオは彼女のことを、都合の良い性欲処理機にしか思っていなかった
花沢「私、刺青を入れようと思っているの」
花沢「この腕のところに『カツオ命』ってね」
花沢「今度、カツオ君のお父さんの所でお世話になっていい?」
カツオ「勝手にしろよ」
378 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/26(土) 18:19:48.99 ID:hnE1CC+c0
花沢「もう、ツレないわね!」
花沢「ねえ・・今度いつ抱いてくれるの・・・?」
カツオ「また今度な」
花沢「待ってるわ♪」
・・・
中島「よう磯野~」
カツオ「おう」
中島「どうした?」
カツオ「さっきまで怪獣と喋ってたんだ」
379 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/26(土) 18:25:52.13 ID:hnE1CC+c0
学校
カオリ「磯野く~ん」
カツオ「あ・・カオリちゃん」
彼女の名は大空カオリ・・・カツオの彼女である
カツオの中では花沢はカキタレ、
カオリはホンタレとして扱っていた
380 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/26(土) 18:32:59.72 ID:hnE1CC+c0
カオリは地元では一番の美少女であった
しかし、学生の身分には不相応な、金髪・巻き髪・ド派手なメイク等
見るからに尻軽そうなルックスにより
彼女の周りには、援助交際や二股などの噂が絶えなかった
カオリ「ね~磯野君。最近、百万円が手に入ったんだって?」
カツオ「あ、ああ」
382 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/26(土) 18:36:17.52 ID:hnE1CC+c0
カオリ「いいな~。私も欲し~」
カオリ「今度、何か買ってぇ~」
カツオ「いいぜ」
カオリ「本当!? じゃあヴィトンのバッグね」
カオリ「嬉しい~磯野君、大好き!」
カツオ「へへ・・///」
383 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/26(土) 18:41:40.82 ID:hnE1CC+c0
夕方
伊佐坂「おや、カツオ君おかえり」
カツオ「・・・」
彼の名は伊佐坂・・・数年前まで小説家だった男である
度重なる女性スキャンダルと過激すぎる文面で非難を浴び
結果、文壇を永久追放された
387 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/26(土) 18:44:15.60 ID:hnE1CC+c0
現在、彼は新興宗教を立ち上げ
自宅に信者を招き、説法や儀式を行っていた
しかし、高価な壺を買わされたり、セクハラ等の苦情が相次ぎ
悪徳宗教ではないかと、もっぱら噂されている
カツオは、この伊佐坂のことを、あまり良く思っていなかった
伊佐坂「どうだい。ウチの壺を見て行かんかね?」
カツオ「・・・結構っす」
389 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/26(土) 18:48:09.35 ID:hnE1CC+c0
カツオ「ただいま」
フネ「おや、おかえり」
女の名はフネ・・・カツオの母である
夫が突然彫り師を志したり、娘婿が廃人化するなど
度重なる心労により、少々精神不安定であった
フネ「ほら見て、カツオ」
カツオ「ん?」
フネ「綺麗でしょ、この壺。伊佐坂先生の所で買ったの」
カツオ「・・・」
395 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/26(土) 19:03:32.87 ID:hnE1CC+c0
カツオはアナゴから貰った金で、念願の単車を購入した
違法改造を施し、毎晩、夜の街を乗り回すようになった
もちろん無免許で・・・
ブオオォォン
カツオ「ヒャッハー!!」
399 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/26(土) 19:18:09.87 ID:hnE1CC+c0
カツオ「オラオラ、道空けろや愚民共が!!」
フォンフォンフォンフォン
カツオ「ヒャハハハハ!!」
ウ~ ウ~
パトカー「前のバイク、止まりなさい!」
カツオ「来たなポリ公」
カツオ「捕まえたきゃ追いついてみやがれ!」
ブオオォォン
パトカー「待ちなさい! コラ待てハゲ!」
カツオ「ワハハハハ!」
403 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/26(土) 19:27:55.84 ID:hnE1CC+c0
カツオ「ふう・・・」
カツオ「どうやら振り切ったようだな、へへっ」
カツオ「小腹がすいたぜ。そこのラーメン屋でも寄るか」
キキーッ
ガチャ
店主「へいらっしゃい!」
カツオ「ん・・・?」
カツオ「あそこのカウンターに座ってるのは・・・?」
405 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/26(土) 19:34:39.25 ID:hnE1CC+c0
カツオ「カオリちゃんじゃないか・・・!」
カツオ「何でこんな時間、こんな所に・・・」
カツオ「あれ?」
カツオ「一緒にいるあの男は・・・」
中島「ははは、本当カオリちゃんって可愛いよね」
カオリ「もう、中島くんったら~」
カツオ「中島・・・!?」
407 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/26(土) 19:37:09.13 ID:hnE1CC+c0
中島「早くあんなハゲと別れろよ」
カオリ「でもあいつ、もうすぐ私にバッグ買うの」
カオリ「それまでは別れられないわ」
中島「んじゃ、そのバッグ手に入ったら用無しだな」
カオリ「そうねww」
カツオ「・・・」
410 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/26(土) 19:45:58.21 ID:hnE1CC+c0
カツオ「・・・」
店主「あれ、お客さん帰るの?」
バタン
中島「ん?」
中島「今そこにハゲに似た奴が来てなかった?」
カオリ「えっ、見てないけど」
カオリ「気のせいよ」
カオリ「そんなことより中島く~ん、私、指輪ほしいの」
中島「俺が買ってやるよ」
カオリ「本当~? 中島くん大好き!」
528 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 17:09:11.73 ID:TJyFcSvg0
遅くなりました
>>410のつづき↓
翌日
カツオ「おい中島・・」
中島「どうした」
カツオ「俺とタイマンはれや」
中島「はっ?」
カツオ「タイマンはれや」
中島「おいおい何を言いだすんだよ」
カツオ「俺はもう知ってんだぞ・・」
中島「・・チッ、ばれちまったか」
529 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 17:20:07.12 ID:TJyFcSvg0
中島「カオリのことだろ?」
中島「あいつは俺の女だぜ」
カツオ「ざけんじゃねえ・・」
中島「いいぜ。タイマンはってやるよ」
カツオ「なら明日、例の空き地に来い。逃げんじゃねえぞ」
中島「フッ」
531 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 17:28:18.65 ID:TJyFcSvg0
空き地
カツオ「逃げずに来たな。ホメてやるぜ」
中島「当たり前だろ」
中島「それと、もう一人・・・」
カツオ「何?」
カオリ「中島くーん!」
カツオ「カ、カオリちゃん・・・」
カオリ「そんなハゲやっつけちゃってー!」
中島「おう任せとけ」
カツオ「殺す・・・」
533 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 17:36:08.59 ID:TJyFcSvg0
カツオ「よそ見してんじゃねえ!」 ブンッ
中島「おっと」
カツオ「中島ぁー!!」
カツオと中島の死闘がはじまった・・・
両者互角・・・かと思われたが
気合いの差で、カツオが中島を圧倒していた
カツオ「どうしたオラー!」
中島「くっ・・・」
536 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 17:42:19.82 ID:TJyFcSvg0
カオリ「ちょっと中島くん、何やってんの・・」
カツオ「オラッ!」
中島「ぐわっ・・・!」 ドサッ
カツオ「ハァ・・まだやるか中島・・?」
中島「くっ・・・」
中島「分かった・・俺の負けだ、勘弁してくれ・・」
537 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 17:50:24.29 ID:TJyFcSvg0
カツオ「そうか・・」
カツオの気が一瞬緩んだその瞬間
中島はボンタンの裾から、愛用の金属バットをスルリと抜いた
中島「オラァ!」
ゴンッ
カツオ「ぐわぁっ!」 バタッ
中島「へへへ・・」
540 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 17:57:51.99 ID:TJyFcSvg0
カツオ「て、てめえ・・・」
中島「忘れたか? 俺は“策士の中島”だぜ」
中島「念仏唱えて死ねや、ハゲがー!」
ゴシュ
鈍い打撃音と共に、カツオの脳天から噴水のように
真っ赤な鮮血が吹き出した
カツオ「ぎゃああああああ!!」
542 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 18:04:08.46 ID:TJyFcSvg0
カオリ「ちょっと、このハゲ死ぬんじゃない・・?」
中島「クク・・ククク・・・」
カオリ「中島くん、やりすぎじゃ・・」
中島「うるせえ、引っ込んでろ!」
中島「こ、殺してやる・・・へへ」
カツオ「うぅ・・・」
中島「とどめだぁー!」
サザエ「カツオ!!」
549 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 18:07:58.18 ID:TJyFcSvg0
中島「え・・・」 ピタッ
カツオ「ね・・姉さん・・・!?」
サザエ「男なら立ちなさい!」
フグ田サザエ・・・カツオの実姉である
数年前、崩壊した家庭に見切りをつけ
放浪の旅へと出ていた
カツオ「か、帰って来たんだ・・・」
557 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 18:13:41.43 ID:TJyFcSvg0
サザエ「これを受け取って!」
サザエの手から、妖しい光を放つ謎の物体が
カツオの元へ投げられた
パシッ
カツオ「こ、これは・・・?」
サザエ「カイザーナックルよ」
サザエ「私が現役のときに使ってたの。これを使って闘いなさい!」
565 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 18:19:17.94 ID:TJyFcSvg0
中島「フン・・・金属バットを持った俺は最強なんだ」
中島「今さら何を使っても無駄さ!」
中島「死ねっ!」 ブンッ
カツオ「わ・・・」
ガキンッ!
中島「何ィ!?」
カイザーナックルを装着したカツオの拳が
中島の金属バットを受け止めた
カツオ「く・・・!」
568 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 18:25:25.68 ID:TJyFcSvg0
中島「バ、バカな・・・」
カツオ「うおおおおお!」
そのままカツオは拳を振り抜いた
バキバキッ!
中島の金属バットが音を立てて破壊された
カツオ「中島、勝負あったな」
中島「くっ・・・」
カツオ「ケジメとらせてもうぜ・・・!」
571 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 18:29:34.88 ID:TJyFcSvg0
カツオ「オラアアァァァ!!」
渾身の力を込めて、カツオは中島の顔面を殴りつけた
ドゴオッ!
中島の歯という歯が、コナゴナに砕け飛び散った
中島「ぐわああああああ!」
572 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 18:34:55.11 ID:TJyFcSvg0
カツオ「はぁ、はぁ、はぁ」
カツオ「勝った・・・」
中島「ゲボォ・・ガフッ・・・」
カツオ「消えろ、中島。今すぐな」
中島「くっ・・・」
散乱した自分の歯をかき集めながら、中島は退散した
575 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 18:40:28.39 ID:TJyFcSvg0
カオリ「そんな・・・中島くんが・・・」
カオリ「・・・」
カオリ「磯野く~ん!」
彼女はカツオに駆け寄り、抱きついた
カオリ「信じてたよ。磯野くんが勝つって」
カツオ「・・・」
カオリ「私、本当は磯野くんのことが好・・」
カツオ「触んじゃねえ、クソアマ!」
カオリ「え・・・」
579 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 18:43:58.03 ID:TJyFcSvg0
カツオ「金と力に目がくらみやがって・・・消えろ」
カオリ「そんな・・ひどい・・・」
カツオ「消えろってんだ!」
カオリ「・・覚えてなさいっ」
彼女は逃げるようにその場を後にした
サザエ「カツオ、よくやったわ」
カツオ「姉さん・・・」
カツオ「おかげで勝てたよ、ありがとう」
581 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 18:45:54.92 ID:TJyFcSvg0
カツオ「旅はもう終わったの?」
サザエ「今、帰ってきたのよ」
サザエ「これから家に帰ろうかと思って」
カツオ「本当!?」
サザエ「旅をしてる間に、あの家が恋しくなっちゃった」
カツオ「姉さんが帰って来れば、あの糞みたいな家も少しはマシになるよ」
カツオ「また昔のように賑やかな家族に・・」
582 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 18:48:56.40 ID:TJyFcSvg0
サザエ「さっ、乗りなさい。帰るわよ」
カツオは、サザエのハーレーに連結されたサイドカーに腰を下ろした
サザエ「今夜はカレーにしようかしら」
カツオ「やったぜ」
ブモオオォォォ
カツオとサザエを乗せたバイクは、夕焼けの町へと消えていった・・・
おしまい
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